料理かな?
それから俺は、スライムを見つけては魔法を撃ち込み、スライムを見つけては魔法を撃ち込む……ということを繰り返した。
魔法の命中率も上がってきたし、魔石も沢山手に入ったので、順調にことは進んでいると言えよう。
……いや、
●:ちょっと単調すぎじゃない?
「……ですよね」
今やっているのは、ゲームでいうところの、レベル上げ作業に近い。
リスナーが飽き始めるのも、仕方がないだろう。
だがそれで視聴数が減ると、ポイントの獲得数にも影響するぞ……!
●エルシー:たまには武器で戦ってみたらどうです?
●:この先、魔法を使えない状況があるかもしれないし
●:スライム相手ならまず負けないだろうから、練習相手にはいいんじゃない?
「それもそうですね……。
でも、武器を持ってきていないんですけど」
●レナ:ポイントで交換できますよ
一番安いのなら、800Pです
日本円で800円相当ならかなり安いが……。
「なになに『檜の棒』……?」
●ナウーリャ:ドラクエの初期装備ですね
いや、なんで知ってる……。
ともかく交換してみよう。
●レナ:交換した物は、アイテムボックスの中にありますよ。
ふむ……早速、取り出して……って。
「これ、麺棒では?」
見た目はまさにそんな感じだった。
蕎麦でも打てというのか。
まあ、長さは70cmくらいあるので、武器としてのリーチは問題なさそうだが……。
●:武器には見えんなw
●:木刀は無かったの?
「木刀は何故か90000Pポイントもして、高かったので……」
●ナウーリャ:作品によっては最強の武器ですし、仕方がありませんね
●アイ:それ、柄に「洞爺湖」って彫られてない?
●ナウーリャ:いや「風林火山」
●エルシー:あなた達、なんでそんなに詳しいんですかw
ホントにな……。
「それでは、この棒でスライムと戦ってみたいと思います!」
そんな訳で、スライムを見つけたので、早速戦闘開始だ!
……しかしこんな棒で、スライムを殴っても大丈夫なのか?
仮にバスケットボールくらいの硬さがあった場合、棒の方が折れそうなのだが……。
バレーボールでも危険だな。
反動で手首を痛めないように、まずは軽く殴ってみるか。
「ふん!」
●:へっぴり腰で草
●:可愛い
●ナウーリャ:基礎がなっていないですねぇ
うるさいなぁ、こちとら初心者やぞ
「お……?
なんだか多量の水分が入っているような感触……?」
殴っても表皮に弾かれることなく、一瞬だけだが少しへこんだので、防御力はそんなに高くない感じだな。
感触としては、水風船に近い……か?
あるいは、巨大な軟体動物を殴ったら、こんな感触なのかもしれない。
「生物感があって、気持ち悪いぃぃぃ!」
●:まあそうだろうなw
●:でも、もっと力を入れないと、倒せないぞ
「……ですね」
どうやら本気で殴っても、反動で手首を痛めることはなさそうなので、思いっきり力を込めてスライムを殴ってみる。
グシャッという嫌な感触がしたけど、スライムはそのまま動かなくなった。
意外と、簡単だな……。
●:おめでとー 1000P
●ナウーリャ:次にやることは、魔石を取り出す為の解体ですね
私はプロなので、指導しますよ
何のプロだよ!?
「え……?
魔法で焼くのでは駄目ですか……?」
●:別の魔物ではその方法が使えないから、今から慣れておいた方がいいぞ
●:焼くと魔石の品質が下がる場合もあるしな
……そっかぁ。
でも、解体の為の道具が無いんだよなぁ……。
しゃーないから、ポイントで交換しよう。
え~と……包丁とまな板が5000Pするから、これでいいか……。
で、手に入れた道具でスライムの解体をしてみたけど、なんだかナマコをさばいているような気分になってきた。
「もしかしてこれ、三杯酢で食べることができます?」
●:食べたいの、ナオちゃん?
●:お腹減ってる?
「いや、ただの興味ですけど……」
●:「毒無効」があるから、食べても腹は壊さないよ
●:でも、味は好みによるんじゃない?
●アイ:まあ、基本的に魔物は食べられるよ
味と嫌悪感を無視すれば……だけど
「食べる機会は無い方がいいですねぇ……」
で、作業を続けていると──、
「あっ!?」
妹で撮影役の水杜が声を上げた。
直後、俺は背中に衝撃を受ける。
痛ぇ!?
何事だ!?
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雨で積もった雪がほとんど消えてしまいましたねぇ。北国とは思えない……。




