カエターノ・ヴェローゾ『ゼラ・エ・ヘーザ』
ブラジル音楽はかなり昔から好きでした。
ボサノヴァも好きでしたが、それをより現代的に、ロックなどの要素も盛り込んだMPB、いわゆるブラジリアン・ポップが好きです。
ジャヴァン、ガル・コスタが好き。
そしてなんといっても──
ブラジル音楽の革命家でありトップ・アーティストのカエターノ! カエターノ・ヴェローゾさま!
基本的にはボサノヴァのひとですが、70年代後半ぐらいからかなり尖った音楽をやられるようになります。
その音楽性ももちろん素晴らしいですが、それを表現する声の美しさとギターの表現力にメロメロです。
『ゼラ・エ・ヘーザ』は2000年かな?のアルバム『ノイチス・ド・ノルチ』の1曲目に入っている曲です。
アルバムとしてはこれの前作『リープロス(書物)』が名盤として名高いですし、私もそう思いますが、カエターノさまから1曲だけ選べと言われたら、私はこのアルバムからこの曲か『コブラ・コラル』かと迷うぐらい、好きな曲の入っているアルバムです。
曲はとてもシンプルで、途中でエレキギターとラップが入ってくる以外はずーっとドラム、ガットギター、歌だけという構成になっています。
そして歌詞が素晴らしいのです。
と、いっても私はポルトガル語はまったくわかりません。
では何が素晴らしいかといえば、音が!
たとえばこんな感じなのです↓
ベーラ、レーバ
テーサ、セータ
へーナ、ナマレ
ヒマ、ミーラ
テサ、セータ
ゼラ・エ・ヘーザ
日本語でいえば回文みたいな感じです。よくわかりませんがポルトガル語は『R』をL発音したりH発音したりするので、『ヒマ、ミーラ』は文字表記すると『Rima mira』みたいになるのです。
それでいて、ちゃんと意味があります。『船を出せ』みたいな内容だそうです。まぁ、意味なんてどうでもいいんですが……。
この歌詞を延々と繰り返し、途中で大サビが2回入るだけの曲なのですが、これがまったく飽きません。
まるで寄せる波をずっと感じ続けているような、心地良さだけがあります。
言葉遊び? それの何がくだらないというのでしょう?
聴いてみればわかるよ。
神だから。
https://youtu.be/8cHLAPgGUgk?si=u95F9niLzZ7Z3-1J