目覚め
この小説は主が書いてみようかな〜という軽い気持ちで描き始めた小説です。どんどん内容が濃くなっていく予定っすのでどうかお付き合いください。この小説を開いていただきありがとうございます。これから頑張ります。
少年は道端で目を覚ました。そこは繁栄の国、仙郷国のスラム街だった。少年は目が覚めると辺りを見渡した。今まで起こったこと、自分の状況は全くわからなかったが、状況から自分が孤児だということは自分の身なりから分かった。立ちあがろうとすると、全身がひどく痛んだ。頭からは血が出ているのが分かる。力を振り絞って立ち上がると今にも倒れそうなぐらい眩暈がした。腹が減っていたので食べ物を探し求め市場へ向かった。
(一体自分は何者なんだ?死んだのか?)
少年は心の中でそう考えた。この見た目よりは生きていたような気がしたので、考えながら市場を歩いた。名前も年齢も過去に何があったのかも、何もかも覚えていなかった。当然、お
金など持っていない。食べ物は買えなかった。そもそもこの身なりで相手をしてくれる商人など居ないだろう。少年はどうしたら腹の虫を抑えることができるか考え、同情を誘おうと考えた。少年はわざと八百屋の前で倒れ込んだ。その八百屋にはどうやら金持ちらしい身なりの男がいた。その男は目の前に倒れ込んだ少年に気づいた。そして「大丈夫か?」と尋ねた。少年はそのまま倒れ込んだふりをした。男は少年を気の毒に思ったのか自分の屋敷へ連れて行った。
少年が目を覚ますと暖かい寝具の上だった。辺りを見渡すと高級そうな家具ばかりだった。どうやら少年は疲れて寝てしまったらしい廊下の方から足音が聞こえた。誰か来てしまったら、演技だとバレてしまうと思いそのまま寝たふりをした。すると二人の男が少年の方に向かってきた。「あの少年は大丈夫なのですか?」従者らしき者がそう聞いた。「大丈夫だ。目が覚めたら話を伺う。あとはこちらで対処する。」そう男は答えた。するともう一方の男は、「はい宗主」といいその場を去った。どうやらまずいことになったと少年は思った。自分を助けた男は宗主(世家の長のこと)と呼ばれていた。少年に記憶はなかったが、なぜが聞き覚えのある声だと思った。相当金持ちのところへ来てしまったと不安な気持ちになった。少年がそんな事を考えていると、男が自分の横に座ってきたのでバレるのではないかと焦った。すると男が「目は覚めているんじゃないか?」と聞いてきた。少年はビクッとし、ゆっくり起き上がった。「体調は大丈夫か?」そう聞かれ少年は「はい」とだけ答えた。「まあひとまず食べろ。話は後で聞く。」そう言うと男は粥を持ってきた。少年がもらった粥は暖かく、懐かしさを感じるものだった。
続く...
最初はどうなるかと思いましたが、話を考えるのがとても楽しいです。続きをお楽しみに!