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一員だと思われること、俺は恥ずかしいぜ


 テーブルを叩いて立ち上がった。誰かが置いてくれていた差し入れの焼き菓子が籐籠から飛び散る。いきなり歳下にキレられて、拓海は一瞬唖然とした。しかし向かってくる者に拓海は怯まなかった。

「なんだぁ、貴様?」

「さっきの言葉取り消せよ」

「どの言葉だよ?」

「緊張感のない学芸会ってやつだよ」

「そのとおりだろが!」

「ざけんな!」

「ふざけてんのは貴様のほうだろ。お遊びでやられたら迷惑なんだよ!」

「迷惑だと! もいっぺん言ってみろ!」

「話通じねえんだろ。レベル低い奴には言うだけ無駄だ」

「ぐっっ・・・」

 ここまで愚弄されて慎之介は鬱憤を一気に吐き出した。

「もうガマンなんねえ!」

 拓海の顔面めがけて殴りかかった。拓海が避けたため拳は拓海の肩にヒットした。しかし殴られた勢いでバランス崩しタンブラーを床に落とす。拓海の顔色が変わった。

「上等じゃねえか!」

 慎之介の胸ぐらを掴み上げる。慎之介も拓海の襟を鷲掴む。二人が激しく揉みあう。

 そこへ同じメンバーの福田剛士(ふくだたけし)が入ってきた。取っ組み合う二人に、剛士は慌てて仲裁に入った。

「やめろ、やめろ。なにしてんだ!」

 慎之介が叫ぶ。

「どけ、邪魔すんな、この野郎ぶっ飛ばしてやんだ!」

 剛士が慎之介の体を抱えて怒鳴る。

「まだ撮影中だぞ。ケンカしてる場合じゃないだろ!」

 拓海は椅子に体を投げ出し顰めっ面で慎之介と剛士に言葉を投げ捨てた。

「所詮このレベルどまりなんだよ、きさまらは。一員だと思われること、俺は恥ずかしいぜ」

(恥ずかしい・・・?  共に頑張ってきた仲間を恥ずかしい?)

 剛士も拓海の横っ面を張り倒してやりたい気持ちだった。





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