2話 出会い その2
反応をしないのもアレなので後ろに目を向けると、サラサラと髪をたびなかせながら走ってくる少女がいた。
彼女は幼馴染の望月アミ。
同じクラスでプロポーションは結構いいため色々な男子から好意の視線を向けられている。
「まったぁ~?」
「いいや全然。お前の事は待った覚えはないからな」
俺は冗談交じりに言うとアミはにっこりとした笑みを浮かべ、
「いつもそんな感じだから彼女できないんだよ?」
笑みを浮かべながらの辛らつな言葉に心が痛くなる。
「まあ、他の女の子に言い寄られたら私が止めてあげるから、安心してね?」
無垢な笑顔から一気にニタァという笑みを浮かべヤンデレ感がマシマシになる。
一見すると今のところは学園の中ではトップクラスで美少女であり真面目で勉強ができ、学年1、2を争うくらいに運動神経がいいため中学からの同級生の間では結構慕われているが本性は弱ヤンデレの性格である。
「それだけはやめてね?まあ彼女とかできなかったときはよろしk」
「将来は一緒に結婚して、私がキッチンの脇に手錠をかけて一生養ってあげるから、ふっふっふっふっふっ」
アミの言葉に身の危険を感じて顔が少し青くなり体が震えてくる。
「冗談だよっ!彼女がもしできた時にはほんの少しだけ応援してあげるからね。邪魔するかもしれないけど」
冗談とごまかした後に本音らしき言葉が聞こえてくるから怖い。
普段の真面目で優等生のとこだけ切り取ったら好きになるが本性がこれだからアミの事は若干苦手なんだよな。
俺は胃をキリキリさせながら昇降口に行き、靴を脱いで自分の教室へ向かう。
「そういえばシュン君は部活決めたの?」
アミは首をかしげながら聞いてくる。
「そういうお前はどこの部活にする予定なんだ?」
「私はシュン君と一生一緒」
アミは俺の腕に両腕を絡ませ胸を押し付けて訊いてくるが、アミのこれからの事を考えて断ることにする。
「お前はちゃんとしたところに行きなさい」
「なんでそんなこと言うのさ」
アミは俺の顔に急接近して頬を膨らませにらんでくる。
「うわ、いい匂…、俺はできるだけ楽をしたいんだよ」
「シュン君は何しても合格点以上出しそうな顔だからすぐにレギュラー狙えるよ?」
「見定めポイント間違えてんだよな」
「実際何でもできるんでしょ?」
「お前は俺を過大評価しすぎだ、俺にも苦手なものあるわ」
「恋でしょ?」
「え、おっ、おう」
予想外の言葉が来てびっくりするが実際その通りなので肯定してしまう。
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