表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
14/15

13話 アイツとアイツが合体して・・・、 その2

◇◇◇


 ある日の放課後、シュンはある人を呼んで教室で待っていた。


「入るよ」


 ドアのノック音が聞こえると同時に彼女の声が聞こえてくる。

 ドアが開かれそこから出てきたのは10年以上の付き合いのあるユミだった。

 自分の家の隣が彼女の家だったため子供の頃は両親が家を空けている間はずっと遊んでいた。小学校のころは男女別々で遊び、中学では着替えをしている時バッタリ出くわしたこともあったけどユミはいつもそばにいてくれた。

 俺は今日彼女に告白する。


「どうしたの?急に」

「えぇと」


 彼女の顔を見てしまうと胸がドキドキして緊張してしまう。


「話があるんだ!」


 俺が決心すると、


「じ、実は私も話があるんだ。とても大切なこと」

「ユミ・・・・・・、もしかして」

 

 俺はユミもその気でいたのかと少し戸惑ってしまいながらも話を聞くことにする。


「実はね、1週間前からケン君と付き合っているんだ、アハッ」

「えっ?」


 彼女はニッコリとした笑みを浮かべて思っていたことと真逆のことを言ってくる。


「今日もこれからデートなんだよね!緊張で心臓ドクドクいって胸がはち切れそうだわ!」


 理解が追いつかない。


「私、何かおかしいとこ無いわよね?」


 ユミは前のめりになって訊いてくる。


「かわいいよ」

「そっかそっか。シュンがそう言うんなら何にも問題ないわね」


 ユミは嬉しかったのか、いや、これからの事が楽しみなのかドアのとこまでスキップをする。


「では、シュンさん。私はケン君のとこに出陣致します。できれば最後の最後まで行ってみたいと考えております!」

「本当に好きなんだなケンのこと」

「うん!この世で一番好き。ケン君がいれば何だってできそうなの!」

「そっか」


 俺は悟ってユミを応援することに決める。


「早くシュンも本命の子に告っちゃいなよ!恋ってホントスゴイから!」

「ユミも絶対ケンのこと離すなよ。最後まで頑張れよ」


 去っていった彼女の後ろ姿は眩しくて、涙がこぼれ落ちてきた。


◇◇◇


「ほらできた」


 アキラは数分くらいで書き上げ俺たちに見せつけてくる。


「待って、コレ本当に物語に入れるんだったら、俺めっちゃ悲しくないですか?」

「私はこういうのが好きなんだよ」


 どうやら異論は認めないらしい。


「だとしてもですよ!」


 頑張って反論しようとすると、


「ちょっと待ってください!ユミって誰ですか!?シュン君と10年以上の付き合いなのは私だけですよ!」


 アミが違うところに反論をしてくる。


「あぁ、ユミってのはあなたとあなた」


 アキラはユリとアミをそれぞれ指でさす。


「つまり、ユリとアミが合体して・・・・・・ユミってとこかな・・・・・・」

「なぜドラ◯ンボールネタよ」

「あぁそれは理由があるのさ」


 シュウヤはとっくに理解してたのか口を挟んでくる。


「物語に入るには入る人の名前もしくは登場人物の横に自分もしくは他の人の名前を頭に思い浮かべながら入れなければならなくてね、君だけじゃ信じてもらいないかもしれないし、彼女たちにも見せれば信じるでしょ?」


 なるほど面倒だからユリとアミを合体させたって訳か。でも合体したら別人になるんじゃね?

 そう思い、再度原稿用紙を見てみると名前の横にユリとアミって書かれてあった。


「そろそろかな?」

「何がです?」


 アキラが気になることを言ったので首を傾げて訊いてみる。


「書いた数分後には物語に入れるんだよ」

「へぇー」


 すると身体が貧血を起こしたみたいに急にめまいがしてくる。ユリとアミはその場に倒れ込み、それに次いで俺もその場で倒れる。



読んでいただき、ありがとうございます。

面白いと思ったらブックマークと評価お願いします!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ