11話 体験入部 その3
「じゃあ入ろうか?」
「いい性格してんね」
2人がジリジリとにじり寄ってきて危険を感じてしまう。
「俺はね、部活に入ってだんだんと距離が近くなっていくラブコメだったんだけどな」
「大丈夫だよっ、シュン君は基本的に主人公じゃなくて主人公の軽い親友タイプよりちょっと上の方だから!」
「そうですよ、シュンさんはリアクションがいい感じのギャグ要因ですよ!」
「俺今日君に初めて会ったよね?結構毒吐くね!」
あーだこーだ言っても通じなさそうだったのでドアを開けてこの場から一旦退くことにする。
「逃げるのは美しくないよ!なんならブサイクだよ?」
「にっ、逃げねぇわ!一旦退くだけだわ!」
アミは色々な意味で精神攻撃を仕掛けてくるが捕まったらアウトなので全力で廊下を駆け抜ける。
「廊下を走ると危ないですよっ」
「そう言ってるあんたも走ってるだろっ!」
横から声がすると思ったらいつの間にかユリに追いつかれていた。
「いい加減あきらめて一緒に入りましょうよ」
一気に前に回り込まれ足を止めてしまう。
「あの・・・・・・、今、文芸部に戻ってくれるなら、その・・・・・・、私が口添えしてあげてもいいんですけど?」
ユリは目キラキラ光らせ萌え攻撃をしてくるが魂胆が見え見えだった。
「いや、俺あんたのそういうの興味ないから」
「うっ、私の萌えが効かないなんて」
ユリは自分の萌えが通じなかったのがそんなにもショックだったのか膝から崩れて落ちてしまう。
カシャ
「あ、シュン君泣かせた」
後ろからスマホのシャッター音と共にアミの声が聞こえてくる。
「違うから、コイツが勝手に自滅してるだけだから!」
「この写真バラ撒かれたくなかったら、、、一緒に文芸部入ろ?」
「ふっ」
ユリは俯いたまま鼻で笑ってきて最初からコレをするつもりだったことを理解してしまった。
「わざとか!最初からこのつもりでやったのか!」
「ふっ」
アミも鼻で笑ってきて膝から崩れ落ちる。
「うわっ・・・・・・、」
写真をバラ撒かれて高校生活が終わるのは嫌なので仕方なく文芸部の教室へと戻ることにする。
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