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能力アフター  作者: 佐藤同じ
44/55

能力アフター05話07

投稿します。

時間は少し戻る、

天宮第一学園、高等部、地下会議室、


「へ〜〜!秘密基地みたいだなぁ!」

茶髪メガネ、友樹が、子供のようなことを言って喜んでいる。

彼としんが連れて来られたのは、高等部の校舎と部活練のコートヤードの地下にある、地下会議室だ。

地下一階は多目的ホールがあり、地下二階は倉庫とこの会議室になる。


中央に長いテーブル、一方の壁に6面の大型モニターがあり、手前に四つの小型モニターとコンソールがある。

ターミナルタワーの地下情報センターを10分の1スケールにした感じだ。


「ここのグローバルネットは、あらゆる学術ネットに繋がってる。全アルカ、ターミナルタワーにもな。」

さっそく、コンソールを操作しながら、し巻八重が説明する。

「情報収集には最適にゃ。」

同じくアルカの様子を調べながら、和久井リラが補足する。


災害、緊急時の指令系統を保持するための施設のようだ。無線通信、インフラもかなり充実している。

「なるほど。中々のモンだな。」

勝手に残り大型モニターの4面を占拠して、情報収集を始める、白衣の少年。


「チッ、、、、、」

舌打ちする、し巻。

文句を言いたいとこだが、瞬く間にアルカの現状を浮き彫りにしていく、彼の手際にそうもいかない。風紀どころか、制定部隊にも、これほどのオペレーターは居ないだろう。


あげく、妙なアクセスを始める少年。

「おい。応えろよ。アダム。繋がってんだろ?しかとか〜〜〜〜?」


(アダム、、、、?)

月のアダムの事だろうか。

(そんなバカな、、、)

そのマン マシン インターフェイス、擬似人格にアクセスできるのは、海外でも極一部、研究者のトップか、政府の一部の高官のみのハズだ。

日本では、現在、ハドリア総理事長のみだ。


「おい〜〜〜。お前のおっかさんには、誤認逮捕で一週間も留置所にブチ込まれたんだぞ〜〜〜責任感じないの〜〜〜?」

ブチブチと文句を垂れる少年。かなり鬱陶しい。


「シュワちゃんのコスプレで、日本にも来てたじゃん〜〜〜カッコイ〜〜〜〜〜!」

人を怒らせる才能なら、トップクラスだろう。


「黙りなさい。山下しん。」

4面の一つがターミネOーターの銀のメカ、ガイコツの映像に変わり、文句を言う。


「現状を、おせーて。テロの範囲。規模。犯人の動機。目的。その他色々。」

当たり前のように、質問する白衣の少年。


「タワー他、自爆テロにより、アルカの全陸路は寸断されています。南工業地区、波力発電所、および北工業地区、一部施設が占拠されています。」

映像の銀のガイコツの赤く光る目がかなり不気味だ。

シリンダーで上下するアゴがガチガチ鳴っている。

天空の叡智の奇妙な、ユーモアだ。


「う、、、、、そ、、、、」

月のアダム。ホンモノらしい。さしもの鬼の風紀委員長も硬直する。


「人口層積雲に混じったADSジャムにより、制空権は失われています。主犯格と思われるのは、不知火あらた。およびブラッド アズベイル。」


とんでもない名前が出てくる。

「人喰い神父か、、、、」

思わずつぶやくし巻。


アダムの報告は続く。

「学園、中等部のカメラの画像分析により、ジノ フィッシャー。工業区のカメラからエイダ レスターが確認されています。現在目的は不明。」

ジノとエイダの画像補正写真が表示される。


「ジノ フィッシャー、、、、こいつが、、、紫煙を、、、、、」

バキ、

と歯ぎしりする少年。


「にゃ〜〜〜!大物がいるにゃー!タワーにブラッディブラッド発見にゃ〜〜〜!」

少年たちに関係なく、すみっこの方で、マイペースでアチコチ探っていた、リラがタワーの戦いを見つける。


「お、おい!相手は那智だぞ!」

思わず叫ぶし巻。

モニターには、見慣れたライトブラウン、セミロング少女も映っている。


「ゲッ、、、、ホントだ!」

青くなるしん。

「アダム!モニターしてくれ!」

世界の紛争地帯巡りをやらされた、彼は、そのエセ神父のヤバさはよく知っている。

いくら何でも、相手が悪い。


どこの集音マイクから拾っているのか、わからないが、音声付き高画像映像で壁の6面大型モニター、一杯に二人の戦端が切って落とされるのが映し出された。


ターミナルタワー、北口、


「だあああああああーーーーーーーーーーーー!」

ドン、

雨粒の飛沫を上げ、ソニックブームを残し、急降下を開始する那智。

初っ端、全力全開の彼女はかなりめずらしい。


地下から北口に上がって来た、3人ではあったが、智由がジェットコースター酔いでゲロってたので、とりあえず、みんなの援護のため、敵を一掃することにする。


全力の超広域爆裂だ。リンとリンクして個別にピンポイント攻撃が可能だ。

ちなみにリンは高速移動後でもケロリとしている。

智由姉は肉体強化系がイマイチなんだと思う那智。


とは言え、ひそかに、野川那智、被害者の会No. 1なのは、冬木リンかもしれないのだ。

彼女の相棒で、常に彼女の突発的行動に巻き込まれている。その経験値たるは、智由のそれとは比較にならない。無理にでも強くならなければ、死んでしまうだろう。


必然的に肉体ブーストでは彼女に匹敵する程になっていた。

野川那智という過酷な環境に、適応進化したスーパー被害者である。

がんばれ。冬木リン!


それはさておき、

超広域爆裂は、非常にエネルギー効率が悪い。爆轟でなぎ払った方が簡単なのだ。

しかし、それでは、味方も巻き込んだ大惨事になってしまう。

よって、制御しやすいエクスプロージョンでの物量破壊に頼らざるを、おえない。


さしもの野川那智も、ゴッソリとエネルギーを消費した状態での戦いだ。

いきおい、短期決着を目指してしまうのは、仕方がない事かも知れない。


だが、その相手はとても簡単にいく男ではなかった。


グワアアアアッ、

「ファファファ〜〜〜〜甘いですなあ〜〜〜〜!!」

見かけに寄らぬ高速移動で、爆裂を躱すデブ神父。


ギャアアアア、

少女の後方より猛スピードで迫る、二つの巨大十字架ブーメラン。

彼の血液により、強化、増強された殺戮兵器だ。


「ブンブンうるさいーーーー!!」

広げた両手ではたきおとす、少女。


グワアアゴオオオオ、

嵐に四散していく、死の十字架。


「ほぇ、、、?」

素っ頓狂な変声を上げるブラッド。彼の必殺の凶器が、蠅を叩き落とすように簡単に破壊されていた。


「ンな、アホな、、、、」

アングリ口を開けている30階のサキ。自分達を壊滅寸前に追いやった殺人兵器だ。攻略不可能に思えた、攻防一体、強度、剛性、共に並はずれたそれが粉微塵になっている。


ここで間違えてはいけないのが、現在の那智がデトネーション開放状態である事だ。

オレンジ色に輝くセミロングの髪。トビ色の両のひとみには、煌々とサンライトイエローの光点が灯る。

この状態での戦闘は、彼女もあまり経験はない。腕の一振りが地を割る一撃を呼んだ。

今の彼女にとって、オプション兵装など、取るに足らないガラクタだ。


「ツッ、、、、、」

一息にデブ神父のふところに現れる。

「か、、、神よおおお!!」

最後の十字架を眼前に回転させる。


ズドドドドドグオオオオオ、

凄まじい爆発が、十字架を破壊。ブラッドをゴムマリの様に吹き飛ばす。

街路樹のヤシをなぎ倒し、植林地帯を突き抜け、隣接するホテルに突っ込んで行く。


「ちっ、、、、」

舌打ちする那智。手応えがない。自ら逃げたのだ。思いのほか面倒な相手のようだった。


天宮第一学園、地下2階、地下会議室。


「おいおい!押してるじゃないか!」

モニター観戦して、よろこぶ、し巻。

「いけるにゃ〜〜〜!」

まさかの善戦にイケイケのリラ。


「ンなわけあるかーこっから本番だって。」

つぶやく白衣の少年。

おそらく、狂気の殺人集団、グールを屠った連中の一人であろうエセ神父だ。簡単にいくわけがない。


映像は、植林地区から現れるビヤ樽神父を映しだす。

どこにカメラがあるのか知らないが、アダムのカメラワークは抜群だ。一級の映画鑑賞をしているようである。


ターミナルタワー、北口、


薄暗い植林地区から道路に立つ。意外と元気そうな男。

サングラスが取れて、白い不気味な小さな目が爛々と輝いている。


「ファーーーーーファファッ!いいでしょう!背徳の使徒よ!」

キンキンする高音で笑う、デブ神父。

よく見ると右手に鉄の杭を持っている。


「な、、、、、!」

息を呑む那智。


ドシュ、

自らの左手に突き刺す。鮮血が噴き上がる。

「本気で相手をしてあげましょう、、、、ホホホホ!」


ドシュ、

抜いて持ち替え、右手にも突き刺す。

「いたいいいいいいいいいいいい!アアアアアアアア!なんて甘美ないたみでしょおおお〜〜〜〜〜〜〜!!」


「オイ、、、なんか、泣いてるぞ、、、」

ひきつるし巻。

「痛いんにゃないかにゃー」

なぜか、興奮しているリラ。


「うぐ〜〜〜〜〜。」

目の前にしている那智はたまったものではない。ドン引きしている。

できれば、相手にしたくないのだが。


しかし、笑い事ではない。

「スゥエエエーーーーナルヤアァアアアアア!わぐわぁあああ聖痕よおぉおおおお!!

ハレルゥゥウウヤアァァァアアアーーーーーーーーーーーー!!」


(なに、、、、?)


ズッゴオオオオオアアアアアアッ、

8車線半分が吹き飛んでいる。

ギリギリかわした那智だが、あおられて吹き飛ぶ。

神父の両手から1メートル近い血のヤリが渦を巻いている。


これがブラッド アズベイルが、あまたの戦場を血の海に変えた血流操作だ。

動きも、さっきとは違い、今の那智に勝るとも劣らないスピード。そしてパワーを発揮している。根本的に別物と考えた方がいい。


「ぬうんっ!」

横なぎにする一撃。

間一髪、地面を爆破し、上空に逃げる那智だが、左手の血のヤリが間髪入れず、伸びてくる。


ドオオオオン、

咄嗟に炎の盾を展開するが、それを打ち砕いて伸びるヤリ。


「ぐ、、、うあっ!!」

カスっただけだが、上腕部に深いキズを負う那智。無残に緑の風紀の腕章が千切れ飛んで行く。


「ウソだろ、、、、」

立ちつくす山下しん。

M2重機関銃の銃撃すら弾く、彼女の爆発反応盾があっさり破られる。

直撃を受けたらひとたまりもないだろう。


グワラララララララアアアアアアッ、

ハイウエイをメチャクチャにしながら、血槍の猛攻が続く。

ハヤテのようにかわす那智だが、さすがに息が上がっている。


「ファファファ!無駄無駄無駄!わがブッラドスピアーは神への祈り!何者も阻む事はかなわぬわああああ!!」

勝ち誇るエセ神父。高音で歌うように笑う。

「背徳の悪魔よ!大人しく地獄に戻れえええええ!!」


「黙れーーーーーーーー!!」


グワン、

那智のデトネーションが収束する。


ズバアアアアアン、

血槍が打ち砕く。

「遅い、遅い〜〜〜〜」

悪鬼のように笑う神父。

「は、、、、はやい、、、、」

後退しながら追い詰められる那智。


「このーーーーーーー!!」

グオオオアア、


爆裂をばら撒くが、ことごとく潰して接近するビヤ樽。


「マジーなこりゃ、、、、」

画面を見ながら冷や汗する、白衣の少年。

爆轟は一瞬のタメがいる。相手はその一瞬を突くレベルらしい。

爆裂では威力が足りない。手詰まりになって来ている。


「ヤバイのか!おい!」

し巻も顔色が悪い。一応風紀の後輩だ。心配らしい。


「常時展開の血槍。相性が悪すぎる。あいつ接近戦はイマイチだかんな〜〜」

随分と高レベル同士の話だが、

彼女の能力の特質上、接近戦、クロスレンジは弱点と言っていい。

彼の知る限り、手駒は、謎のヒョロヒョロチョップとゼロ距離爆裂くらいだろう。

このままでは、勝ちはない。


「ず、、、ずるいぞおーーーー!お前ーーーーー!!」

ついに癇癪を爆発させる那智。単純に悔しいのだろう。そんなこと言ってもしょうがないのだが。

「何を言っていますか!背信者よ!あきらめて、滅しなさあ〜〜〜いい!」

歌う様に肉薄するビヤ樽。


「う〜〜〜〜〜っ!そーーーだ!」

何か思い付いたらしい少女。


「だあーーーーーーーー!!」


グワゴッッオオオオオオ、

当たり一面にエクスプロージョンをばら撒く。

凄まじい衝撃が再びタワーを揺らす。


「なんと、、、、まだこれだけの力を、、、、」

舞うように避けるブラッド。この少女の能力は底なしなのか。


「フン!」

ビー、

とスカートの裾を破く那智。


「何やってんだ。あいつ、、、」

呆気にとられるし巻。ミニスカートになってしまっている。

アダムのカメラアングルは絶妙だ。見えそうで見えない。


「アダムーーーーーーーーー!録画だあああああああーーーーーーーーー!!」

ココに来て一番の絶叫をするしん。

「却下します。」

冷たく答える、天空の叡智。


「むうう、、、」

スカートの裾で右腕の止血をする那智。

「うし!」

満足したらしい。


「デトネーーーーーーーーーーション!!」


グワゴッッオアアアア、

両の拳に光を集める。

「させませんよ〜〜〜〜〜!!」

ハイエナのように嗅ぎつけるビヤ樽。集中する少女ごと貫き終わらせようとする。


バァギャアアアア、

「な、、、、に、、、、?」

弾かれる血槍。


嵐の中、仁王立ちするミニスカ女子。

両手に炎のドリルを高回転させている。

回転するそれは、ブラッドのモノと同様、1メートル近くあり、風雨を蒸発させ、火の粉が舞っている。


「みたかーーーーーーー!!爆轟(小)グルグルドリルだ!!」

ドン、

会心のドヤ顔である。


「なんだ、、、そりゃ、、、」

もうなんと言っていいかわからない、し巻。

「ナイスだ!那智!」

テンションが上がる、しん。ドリルは男のロマンなのだ。


「ふ、ふざけるでないわああああ!!うわたしのぉ!神のみ技をなんと心得るかああ!!」

冗談のような方法で、実際、対応された方はたまったものではない。

悪い夢でも見ているようなブラッド。


「これでっっっ互角ーーーーー!」

ドン、

初速から音速突破で飛び込む少女。


「なめるなあああああーーーーーーーーー!!」

所詮、付け焼き刃!必死にそう自分に言い聞かせる、ブラッド。


グワアアアアアアゴオオオオオッ、

激闘する血槍と炎槍、


ドオオオオン、


ダメだった。モノが違う。

曲がりなりにも、彼女の爆轟だ。

桁外れの破壊力に弾かれ、無残にハイウェイに突っ込むビヤ樽神父。


「やったにゃーーーーーーーー!!」

モニターの前で飛び跳ねるリラ。

「むう、、、、、」

なんとか、那智のミニスカートの下が見えないか、目を細めている白衣の少年。


ズガ、

「むう、じゃねー!」

なぜか、し巻に殴られる。


大穴の開いたハイウェイのその奥、

ガラガラとコンクリートの破片を撒き散らして立ち上がるブラッド神父。

ヒゲは乱れ、歯も欠けている。

「お、おのれ、、、悪魔ルシフェルよ、、、、、悪魔王サタンよ、、、、、」


ガアア、

そう言う自らが、悪鬼の形相に変わる。

「ならば、ついに!つうぅーーいにいぃぃーーーっ!見せよう!我がっっ究極うう奥義いぃーーーーー!!」


グオオオアア、

渦巻く血風、巻き上がる砂塵。

「見るがいいーーーー!我がマックスゥウウーーーーーー信心ーーーーーー!!」

浮遊する身体が、十字を描く。


「パワアアアアフェクトゥウウーーーーーークロロォォオォスウゥゥウーーーーーー!!」


ドッッシィィーーーッッ、

宙を舞う、鉄の杭が、己が揃えた両足を貫く。

ドス、ドス、

ついでに、両手の穴にも杭が刺さる


「ハハハハハレルゥゥヤアァァァーーーーーー!!!」


恍惚のビヤ樽神父のはりつけが、宙を漂う。おぞましい光景が広がる。

まさに、背徳の邪神教のサバトだ。


ガカアアア、グワラッアアアアアアアア、

嵐にいく条もの雷鳴が走る。その中に浮かぶブラッド。

涙が滝の様に流れ、口から泡が吹き出ている。


「な、、、な、、、な、、、、、」

立ちつくしてしまう那智。両手の炎のドリルは、床屋の回転サインポールのようにグルグル回っている。


「なんだ、、、ありゃあ、、、」

モニターの前で呆然とする、し巻。


「あれ、動けるにゃ?ブーメランみたく回転するのかにゃ?」

しごく、真っ当な事を言う、リラ。


「いや〜どうだろ〜」

適当な、相槌をうつ白衣の少年。

現在の彼の関心は、那智のミニスカートだけだった。


「フワハハハハハハハッ!みたか!必殺の最終形態ーーーーーー!!」

ピューピュー血が出て、とても痛そうだ。


「わ、わ、わ、わかった!!」

叫ぶ那智。

「お前も、変態だなーーーーーー!!」

もう泣きそうだ。


「もってなんだ!」

思わず突っ込むしん。


「フゥワハハハハハハハッ!くぅらええええぇぇーーーーーーーーーーーーーー!!」


脳内エンドルフィン、ドーパミン、その他もろもろMAX状態のエセ神父、最大火力が炸裂する。


「サザンクロスウゥゥーーーーーータァァイフウゥゥーーーーーーーーーーーーン!!」


グワゴッッアアアアアアアアガアアアアアアアアアア、

凄まじい血風の竜巻が、嵐を吹き飛ばす。手と足から致死量寸前の血液が放出される。


しかし、単純な、パワー勝負に走ったのが、運の尽きだった。


「ファイアアアアーーーーーートルネーーーーード!!」

とりあえず、付き合いのいい、那智が、竜巻を呼ぶ。


ゴア、

おぞましい勢いの、白く輝く、爆轟の火災旋風が生まれる。

ブラッドが、上空にいなければ、取り返しがつかない被害を、地上にもたらしただろう。


ゴアオオオオオオ、

一息に南十字なんとかを吹き消して、エセ神父を焼いていく。

上空の乱雲が吹き飛んでいく。

コゲコゲになったブラッドの両手、両足に炎の固りが、まとわりついていた。


「な、、、なんじゃとおおおーーーー!」

ヒゲも、コンガリだが、結構元気な、ブラッド。

両手、両足が塞がれていた。こうなると、もはや彼に打つ手はない。

爆轟(小)のバインドだ。炎姫さまは、使い勝手がいい爆轟(小)が、気に入ったらしい。


「とーーーどめーーーーーーーーーーーー!」

両手を合わせ、爆轟(小)のドリルを合体させる那智。


「よっしゃ!行けーーーー超O磁スピンーーーーーーーー!!」

モニターの前で、異様に盛り上がる白衣の少年。


「スピニングーーーーファイヤアアーーーーーー!!」

別に聞こえたわけではないだろうが、炎を上げてキリモミ体当たりを敢行する那智。

特に本人が回転する必要性はないのだが、勢いだろう。


「なんと、、、、なんと!これが、、、、っ!私のゴルゴダの丘か!!」

感涙の涙を流す、ブラッドエセ神父。

上空、吹き飛んだ雲の間に間から、光の梯子が降りる。

「おおっ神よっ!感謝します!人の全ての罪の贖罪をこの我が身に!今、貴方の身手に触れる時が!ついに、、、、ついにぃぃいいい!」

狂気の魔人の目には、天から舞い降りるエンジェルの姿さえ見えている。


ゴアオオオオ、

大きく弧を描き、迫る、凄まじい白熱する炎のドリル。

「あれが、、、、あれが!私をつらぬく、ロンギヌスの聖槍!!」

満面の笑顔のブラッド。

「もう、、、、もうたまらんわあああーーーーーーーー!!」


ブワワッ、

噴き出る鼻血。


ドッッグワガアアアアアアアアアアア、

故意か偶然か、激突する、ドリルアタックと血爆、

それがギリギリのところで、ブラッドの命を救う。

しかし、猛烈な衝撃音を残しキリモミしながら、遥か彼方に飛ばされて行く、ビヤ樽神父。


「待つがよいーーーーー!神は必ず復活を果たすぅぅーーーーーすぅぅーーーーーーすぅーーーー、、、、、、、」

第二荒川を越えて、行政府もこえて、千葉方面の海に消えていくエセ神父。

あれで、生きているのだから人外の怪物なのは、事実だろう。


ズバン、

超回転から、戻る那智。若干、目が回っているようで、空中でフラフラしている。

「じょーーーーーだんじゃない!おとといきやがれ、すっとこどっこいーーーー!!」

フンス、

と、とりあえずガッツポーズを決める、少女。


「か、、、、勝った、、、、、のか、、、、」

「ウソだろ、、、、助かったのか、、、、」

かろうじて、戦いの趨勢を追えるレベルの制定部隊の何人かが、事の成り行きをみなに伝える。

歓喜の歓声が北口に溢れる。


「ブラッド アズベイル撃破!野川さんの勝利です!」

エコーチームの高坂ヒロミがみなに告げる。


ターミナルタワー地下10階、地下情報センターに、喜びのどよめきが起こる。

オペレーターたちが手を取り合って喝采する。

ハドリアもズルズルと指令台のイスに腰をおろし、ため息をつく。


「また、、、、野川姉妹に助けられたか、、、、」

しかし、その目は休むことなく、情報を追いかけ、次の事態を予測している。テロの侵攻は終わったわけではない。


「すっとこどっこい、、、、って、、、、、」

天宮第一学園、高等部、地下会議室にて、眉間をもんでいる、し巻。

右隣りを見ると、なにやらムズカシイ顔をして、白衣の少年がモニターに映る那智を見て、考え込んでいる。

どうせロクデモナイ事だろう。


(アニメには『鉄壁スカート』という概念があり、スカートの中身が見えておかしくない状況で、絶対に見えないと言うものがある。しかし、このライブ状態でそれは当てはまらない。)

空から姉たちの元へ降りてくる、ミニスカートの那智を見ながら、頭をひねる少年。


(いくら、アダムがスカートの動きを物理演算しようと、それこそラプラスの悪魔でなければ、予想外のパンチラは防げないはずなのだ。)

本当にロクデモナイ事を考え続ける少年。


(とすると、この映像はライブであって、ライブでは無いのだろう。いわゆる、アダムのリアルタイム編集画像だ。

よくよく考えてみれば、後半のあの二人の高速戦闘が、し巻たちはともかく、自分に追えるはずがないのだ。)

絶望と共に理解する少年。


(バーチャルバトル映像と同じ、視聴しやすく速度調整された、アダムのシミュレーション映像と同じと言うわけだ、、、、)

いくら、目を皿のようにしようとパンチラは絶対、無いと言う事だ。


ガックリとイスに腰掛ける少年。

死んだように、生気が抜けてしまっている。


とはいえ、こんなバカをやっている場合ではなかった。


バン、

突然、メインを除く室内の照明が落ちる。

「なんだ!なんだ!停電か!?」

暗闇のなか、茶髪メガネが大騒ぎする。


「おい、、、、」

し巻が、低くささやく。

「次が、、、始まったな。」

応える白衣の少年。アルカ一帯の電気通信、情報網の乗っ取りが始まっているのだろう。


非常電源に切り替わるのを待つ、しん。

不知火あらたの好きにさせるつもりは、さらさら無かった。

戦いの第二ラウンドのゴングが鳴る。

また、来週。

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