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能力アフター  作者: 佐藤同じ
3/55

能力アフター 1話 03

盗撮は、犯罪です。


ダメ。絶対!


数週間前、

東アルカ 住宅区域 とあるマンションの一室。

「ほら、急げー。遅刻するぞ。」

縦長のリビング、ダイニングのキッチンテーブルで朝食をかき込む妹。

「ほんほは、むほほふふはも。」

まったく、なにを言ってるか、わからない。

「食べながら喋るなー。ばか那智。」


こいつは、いくら起こしても起きない時がある。

「野菜から食べな。残すなよ。」

「ほむはむむ!」


「はあ、、、、」


海を望む12階の最上階。教職員の給料では、足が出る広さ、設備を誇るマンション。

能力者優遇物件だ。

住宅区域は学園区を囲むように配置され、他の区域より割合は少ない。さらに

都市デザイン計画と、高層住宅の児童への情操教育の影響などなどで、この辺は超高層マンションは存在しない。


オフィス地区、行政区、アルカ中心部に向かうにしたがって巨大な建設物のるつぼとなる。


最上階からの海辺の景色は、最初は感動したものの人間、意外に慣れるもので、最近は、特に感慨も無い。

夜景は綺麗なのだが。


「朝は、エレベーター混むんだから、ちゃんと、起きなよ。」

移動式のドレッサーを片付ける。今日はファンデのノリがイイ。


開けたベランダの小窓から、気持ちのいい風が微かな潮騒を運ぶ。

「智由姉こそ遅くまで仕事?モグモグ、目の下のクマ隠せてないよ。」

パンを頬張りながら、那智。

こいつはたまに、細かい。少しイラッとする。

「それに、ベランダから、ポーンと飛べばすぐだよ!」

「あんた、、、今度やったら今月小遣い無しね。」

お前は、どこぞのスーパーマンか。

以前、女子高生が12階から飛び降りて、大騒ぎになった事がある。


「え〜〜〜〜っ。ち〜〜ゆ〜〜〜ね〜〜〜」

ジタバタする那智。

ほっとくと、たまに、とんでもない事をする。

「ぶ〜〜〜〜〜」

大人しく朝食に専念する那智。


「そういえば、憶えてる?山下君、、、だっけ。

あんたが、小さい頃、仲の良かった、、、天宮第一に受かったみたいよ。」

携帯を出す。

電影スクリーンが宙空にA4サイズのニュースペーパーを開く。

便利だが、気を付けないと、個人にカスタマイズされた、かたよった、情報ばかり集めてくる。


「ぶーーーーーー!」

「ゲホッゲホッゲホッ。」

向こうで那智がむせる。

「な、何やってるの?」

「それって、、、しん?」


むせてるのか、真っ赤になっている。

どうやら、憶えていたようだ。短い期間であったが、那智には珍しい男の子の友達だった。

すぐ、引っ越して行ったのだが。


「入学のメデカルチェックで見つけたのよ。昔みたいに、ちっちゃくて可愛かったわよ。

背丈が伸びれば、モテそうなのに残念ね。」

「ち、智由姉、、、、!」

まだ、動揺している。

段々面白くなってくる。

「ああ、まだ、成長期か。いい男になるかもね〜〜」

「智由姉!!」

さすがに、怒りだす那智。

「いい加減にしてよー」

食事をコーヒーで流し込んで立ち上がる少女。

ガタ、

「、、、、!」


スリッパの小指を、テーブルにぶつけて、悶絶している。

まるで、コントだ。

さすがに、可哀想になってきた。


「ゴメンゴメン。早く用意してきな。片付けとくから。」

「う、うん。」

半泣きの那智。自室に向かう。


「でも、変なんだ。」

つい、つぶやいてしまう。

その声色に振り向く少女。


「彼、昔の記憶を失くしてるの。私達のこと、忘れていたわ。

何があったのやら、、、」


「記憶を、、、、」

立ち尽くしている、那智。


現在、天宮第一学園。放課後。


那智とテレパス少女、リンのコンビが、廊下を行く。

甲乙つけがたい美少女ふたり、目立つ事、この上ない。男子生徒達は羨望の眼差しを隠せない。


「なーにが記憶喪失よ。ドラマじゃあるまいし。信じらんないっしょ。」

「、、、、」

「でしょ!でもマジ、忘れてんの。あいつ!」


少年の事をグチる那智。相手は無口なリン。一方的にまくし立てる。

「なんか、アタマくる、、、、」

姉の言葉が蘇る。


『精密検査をしないと何とも言えないけど。かなり高度な精神操作の可能性があるの。で、、、国内でそんな芸当ができる能力者はかなり限られて、ここのアルカには1人だけ、、、、』


(瀬里奈副会長、、、、、)


なぜそんな事を。そもそも、あのバカと、あんな綺麗な女性との接点が想像つかない。 

わけのわからない少女だった。


「那智、、、こっち。」

ボソリとリンがつぶやく、


そうそう、今日の風紀委員は隣の会議室、集合なのだ。


考えてても仕方がない。アイツの事はいったん保留。

会議室のドアを勢いよく開ける那智。


「失礼しまーーーーす!」


照明を落とし、暗幕を張った教室に、信じられない光景が展開している


「な、、、、、、」


半裸の女性達が、プールサイドで、戯れている。


いや、ここは会議室のはず。

あっけに取られる那智。

どの女性もバツグンのプロポーションだ。


「、、、、立体映像。」

ポツリとリンがつぶやく。

「え、、、、ええ、、、、っああああーーーーー!!」

恐ろしく高解像度のホログラムだ。

リアルと区別が難しい。若干、環境音がショボイが、それは、ここのシステムの問題だ。


ここに至り、やっとそれが、最近、生徒会で催された女性限定の歓迎パーティーだと気付く那智。

リゾートエリアの高級ホテル。最上階の温水プールだ。バックに輝くように太平洋が広がる。

水着の女性達。瀬里奈に凪。リンに姉の智由。なぜかシャカリキに泳ぐ自分の姿もある。

くつろぐ風紀委員長のし巻八重にシーンが移った時、唐突に映像が落ちる。



ゆっくりと、ブラインドが開き始め、教室に光が戻る。

「これが、最近学生間に流通している、盗撮映像のひとつよ。」

正面の教員卓に風紀委員長2年。ツインテールのし巻八重。前面に3Dプロジェクターを置く。

「女性の敵にゃ。」

横に副委員長のフワフワロングヘアの、和久井リラ。他、会議テーブルに数名の風紀女子委員達が座る。

男子委員は追い出されているようだ。


公開される、能力バトルシミュレーションのおかげで、高位能力者の女子はプレミア付きで人気が出たりする。写真、映像の需要はかなり高い。


盗撮は、必然的に生徒会や、役職付きの生徒が狙われる。

メンタルの弱い子は、不登校に陥ったりもする。座視すべき問題ではない。


「かなり大がかりのルートがある様よ。今の映像も複数の小型ドローンによる、本格的な3D撮影ね。他のコンテンツもバカみたいにクオリティが高いわ。」

普段、冷たい、し巻先輩の声が、さらに冷ややかに侮蔑と、軽蔑が混ざったものに変わっていく。


「締め上げた男子生徒によると、写真部、映像研が絡んでるにゃ。さっそく、ぶっ潰しに行くにゃ。」

にこやかに物騒な事を言うリラ先輩。


「証拠を掴むまで、自重しな、リラ。」

一応、いさめる、し巻。

「男子風紀委員には、ホームページから、追跡させてる。」

アングリする那智。

犯人は堂々とネット販売まで手掛けているようだ。

「那智達は、リラと写真部。

後の者は私と映像研究部だ。行くぞ。」


一斉に席を立つ一同。

天宮学園において、風紀委員は、治安維持。綱紀粛正の泣く子も黙る実動部隊だ。

その権限は学園外部、アルカ全域に及び。警察、民間特殊警備会社、制定部隊とも、密接な繋がりを持ち、あらゆる事態に対応できる実力者で固められる。

また、身内に被害のあった場合の取り締まりは、し烈を極め、徹底的に容赦なく完膚なきまでに加害者、グループを叩き潰す。


今回の犯人は、よほどの命知らずの、愚か者らしい。


翌日、部活練3階、化学室のとなり、使われていない準備室

超研部(仮)


「ウハハハハハハ!今月も売り上げ絶好調ゲスよ〜〜!」

パソコンを前に大笑いする、しん。

「お前なあ、、、それ、マジ、犯罪だぞ。」

さすがの友樹もイヤそうだ。


「う〜〜るさいザマス〜〜部費0円の我が部の重要な活動資金だぞ!

中学の頃から築いた、1〜4高に渡る一大ネットワーク!変態と言う名の紳士達の集いし場所。生JKの青春の記録!1番人気は瀬里奈副会長の3Dデータだな!」


モニターには女生徒達のプロフィールが並ぶ。まるで、どこかのアイドルグループのホームページだ。


誰それ、何がし、語るまでもない。盗撮犯人は、山下しん。かの少年であった。


さて、

この物語はフィクションです。

実在の人物、団体などとは関係ありません。

盗撮は

迷惑防止条例違反

軽犯罪法違反

住居侵入罪、建造物侵入罪

児童ポルノ等禁止法違反に該当し、逮捕されます。


確認の上、物語をお楽しみ下さい。♡


「映像研も写真部も風紀に潰されてるぞ。お前にたどり着くのも時間の問題じゃね。」

ネトゲをやりながら、友樹。

「ほむ〜〜」

偉そうにソックリ返る少年。

「彼らには協力してもらったが、そこから足が出るような、付き合いはしてないよ。

来れるもんなら来てみなさいって事。

ウハハハハハ。」

自信たっぷりに請け負う、しん。


バン、

唐突に準備室のドアが開く。


エスケープボタンをタップ。ホームページは落ち、全ての履歴は削除される。

入ってきた人物を見て苦笑いするしん。

エロゲーの最中に家族のガサ入れをくらうのは、こんな感じだろうか。

心臓がバクバクする。


「あなた達!部活の申請はしたの?もうすぐ、締め切りだけど。」

真面目な地味子さん、みず希しずくだ。


ポニテがピョンピョン跳ねる。癒されるわ〜

などと言っている場合ではない。

「あ、、、、そういや、、、、」

なんかそんなもんが、あったような、ないような、、、、

ゴソゴソと机を見る。

今時、紙の申請書なんて時代錯誤もはなはだしい。

「あ、これだ。」

バッチリ幽霊部員だらけだが、5名揃ってる。


「これだ、じゃないって!もーーー!まさかと思ってきてみれば!」

バシ、

と机を叩き、腰に手をやる。

最近、アクティブな地味子さんだ。

成長を見守る、おとうさんの気分になる。


「生徒会、行くよ!ほら!ついてってあげる。」

「げ、やだよ!あんな所行くと、闇属性だから、灰になる。」

「わけのわからない事を〜」


ドタバタとしずくに腕を取られ、行ってしまう、しん。


「う〜〜む。」

机に突っ伏す。

「いいな〜〜あれ。」

まるで、よくできた世話女房だ。ひとり残される友樹だった。


天宮第一学園、セカンド生徒会室。通称、生徒会会議室。


「それで、盗撮の主犯は見つかっていない、と。」

ホワイトボードの前、窓際で、つぶやく、あらた生徒会長。

別に責めている口調でもないのだが、風紀委員の面々が、重く顔をふせる。


空気が重い。

なんで、自分まで、報告に同席しなければならないのか、わからない那智だった。

長い会議用のテーブルには、左に風紀員長のし巻、そしてリラ、

次に那智とリン。

右側に、瀬里奈副会長、葵さんの席。次に風祭副会長、凪さんと並ぶ。


隣に会議室があるのは、下(3階)の風紀委員室と同じだが、やや、小ぶりのここは、透明度が変化するガラスのパーティションに区切られ、第一生徒会室の延長として、使う事ができる。

現在はすりガラス状になり、となりの部屋とは、隔たれている。

全体的に明るく、おしゃれで、うらやましい。


「どうぞ。」

音も立てずに、高級そうなティーカップが置かれる。

「ど、どうも。」

立ち居振る舞いが、なんてキレイな人だろうと思う。


椎名 葵。

瀬里奈副会長の家付のリアル執事だそうだ。

なにかのプレイではない。

濡れるような黒髪、神秘的な切れ長の瞳。

ファンクラブ発足の噂も無理からぬものだ。


「映像研、写真部とも少々やりすぎとの話が、ありますわ。」

対面のし巻を見ながら、瀬里奈。

「甘い事やってられないんだよ。現場はね。」

冷ややかに応じるし巻。


「なんで、あんな仲、悪いんだろ。あのふたり、、、」

思わずつぶやく那智。事あるたびにもめている。

「お二人の家の問題ですよ。」

そっと、耳打ちする葵。ゾクリとする、イケボだが、さして気にもしない那智。

「へ〜〜」

苦笑しながら葵、

「お嬢様の家の会社が、し巻様の会社を買収、合併してしまって。色々と、、」

「あー!お家そうどーてやつ!」

訳知り顔で、なっとくする那智。


短くせき払いする、あらた。ゆっくりと会議テーブルに片手をつく。


「あ、やべ、、、」

声が大きすぎたようだ。口を押さえる少女。

何事もなかったように下がる葵。


「生徒会が風紀に口出しする事ではないよ。瀬里奈くん。」

どんよりとした瞳が見つめる。

「すみません、ですわ。会長。」

身を引く瀬里奈。


「しかし、我が学園の風紀委員の調査力も半端な物では無いはずだね。し巻君。」

「は、、、はい。」

ひるむ、し巻先輩というのも、あまり見たことがない。


空気がますます張り詰めていく。


「内々で片付けてあげないと、犯人君のためにもね。」

警察や制定部隊の介入の事だろう。一高のメンツもある。


「生徒会も全面協力に入ろう。報告は密に。手段は問はない、徹底的にいぶり出し、、、、、」


緊張が頂点に達しようとした時。


ドタバタとドアが開け放たれる。

「ウハハハハハーーーーーーーー!」

ブワッサアと白衣が舞う。

「ち〜〜〜〜〜〜す!生徒会はここっすか〜!部活申請す〜〜〜!

予約ないとだめすか〜〜〜!帰りますん〜〜〜〜!」

賑やかに乱入する少年。

「バカ〜〜〜!やめなさい〜〜〜!」

小声で必死に止める、しずく。


「会議中と言ってるだろうが!!」

後からわらわらと生徒会委員が取り押さえに来る。


「な、、、、」

硬直する那智。

そういえば、なんでコイツは白衣なんだ、と、今更ながら、思う。


「し、、、ん?」

立ち上がる瀬里奈。


姿が消える葵。

直後、巨大な体躯の風祭に制されている。

表情が真っ白だ。


「おー!オッサンがいるぞ!しずく!」

ヒソヒソとしん。風祭の事らしい。

「やめなさい〜〜!」

泣きそうな、しずく。


無骨そのものの、風祭の眉間に青筋がはいる。

となりの凪が顔をそらして、ふるえている。可笑しいのだろうか。


騒動が収拾がつかなくなると思われた矢先。


「いいよ。下がりなさい。」

にこやかに、委員達を制すあらた。


「君は、1年のみず希しずく君だね。」

真っ直ぐに少女を見つめる、どんよりとした目。

少年はまるで眼中にない。


「え、、、あ、、、は、はい。」

射すくめられ、硬直するしずく。オドオドした少女に戻っている。



「みず希、、、ああ。」

言われて初めて彼女の存在を認識する瀬里奈。

そして風祭達。


「へえ、、、この子が、、、」

どうやら、し巻先輩も何か知っているらしい。

さっぱり、わからない那智。


彼女に、なにかあるのだろうか。言っちゃなんだが、かなりヤボったい子だ。

失礼な事を思う那智が固まる。


しずくとあらたの間、ついでに生徒会の面々からもだが、遮るように立ち入る、しん。

若干、彼女の方が背が高いのだが、親鳥に守られる雛のような安堵が浮かぶ。


少年は、ヒョロ長ノッポのあらたとは、あたまふたつ以上、身長が低い。

白衣のポケットに両手を突っ込んで、その生徒会長をのぞき込む。


「あんた、何してるの。こんなとこで。」


それは、彼女の記憶にまったく無い、冷たい冷えびえとした口調だった。

驚きは、瀬里奈副会長も同じだったようだ。

わずかに、硬直する。


そして、庇われる少女、しずくにいたっては、おびえ、ふるえてしまっている。


「それは、どう言う事かな。」

初めて少年を認識したように、彼にフォーカスしていく、あらた。

平坦な物言いは普段と変わらない。


「いや、、、気のせいやん!」

ニンマリ笑う少年。

いつもの軽佻浮薄さが戻っている。

「あっちの兄さん達にシンセイショっての、渡しとくさかい、あんじょうよろしく、たのんまっせ!だんな。ほな、さいなら〜〜!」

ウサンくさい関西弁で去っていく。

ついでに、しずくの向きをクルリと回し両肩を押して、持っていく。


あらた以外あっけに取られる一同。


「ハッ、ま、待て!キサマ!!」

追おうする、葵だが、再び、風祭に押さえられ動けない。

加速に特化した彼を、簡単に制御するのだから、凄いものだ。

葵の暴走の制止を頼んでおいてよかったと思う、瀬里奈。


「誰かな、あれは。」

感情の乏しい瞳が向けられる。


「以前、波力発電施設に無断侵入した、山下しん。ですわ。」

「ほう、」

あらたの表情を観察する瀬里奈だが、そこから何も読み取れなかった。


(あんた、何してるの。こんなとこで。)


しんの言葉。自分の感じる違和感に共通するものがある様な気がする。

生徒会長に感じる不安が大きくなる瀬里奈だったが、なんとか揉み消そうとする。

不知火 あらた3年。天宮、4校のトップ。第一学園、生徒会を二期に渡って統治し、不足なく、運営する力量。人間に間違いは無いはずだ。

そう思うのだが、、、、


バタバタと少女を押していくしん。

「も、、、もういいから!しん!」

真っ赤になるしずく。

「そうなん。う〜〜〜〜ん。」

彼女を解放する、しん。なんか、楽しくなってたようだ。


さすがに、この時間。学内に生徒達はまばらだ。部室に戻るには、階段をひとつ降りて、部活練の接続まで歩かなければならない。

広い学園も考えものだ。


先を行く少年におずおずと聞いてみる、しずく。

「さっき、、、どうしたの?君のあんなこわい声、初めて聞いた、、、」


「いやー、あれだよ。ほら、」

なぜか、照れ臭そうに頭の後ろで手を組みながら、先を行く。


「ああいった人間は、昔見たことがある。おおよそ、ありえねーんだ。

あんな、お仲間の中に、ポンとまぎれ込んでんの。」


ああいった、とは?なんだろう。


「大丈夫なんかね、この学園。」

どうでも良さそうに、しん。


「そう、、、なの?」

彼女には、何の事か理解できない。

「ま、気にすんなって。オレらにゃ関係ねーよ。」

「う、うん。」

かすかな、不安が残るしずく。

「ところで、しずく。」

グリンと上体をひねり、振り向くしん。

「お前なんで、生徒会で有名なの?」

もうすぐ、部室練近くだ。


「あ、、、そう言えば。」

彼女自信、失念していた。

「わかんない。なぜでしょう、、、?」

「ふ〜〜ん。」


(なんで、こんな地味子さんが、、、)

と、那智と同レベルの事を考えてそうな、少年だが、もう少し真剣に考えてみるべきだった。


しずくとしん。ふたり共、知る余地もないのだが

一週間以内に、投稿するよ!

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