能力アフター3話03
桜見だー
と思ったらもう、シーズンオフ
でした。
カシャ、カシャと桃色空間にシャッター音がひびく。
ここは、部活練3階、超研部(仮称)から、天文部、階段、パソコン研究部をはさんだ、写真部の特設撮影ステージだ。
自立飛行撮影ドローン、はやぶさ君、1号から10号までが、彼の操作により、あらゆる角度から、被写体を32K、3D映像に収めるべく撮影を続ける。
ピンクや白のカーテンレースに、囲まれた巨大な円形ダブルベッドがゆっくりと滑らかに回転していく。
その上で、寝そべり、扇情的ポーズをとる、キワドイ、フワフワの白い水着とネコ耳、シッポ完備の美少女。
「ナイス!ナイスですよ〜〜〜〜!リンちゃん!」
デカい、撮影機材をかついだ半裸の変態が撮影を続ける。何を思ったか、白いブリーフ一丁の山下しんである。
「はい!いいよ!いいですよ〜〜〜リンちゃん!目線ちょうだい〜〜〜!」
「にゃん、、、、」
赤く蒸気した、プラチナショートボブの美少女が女豹のポーズから、振り返る。
「おおうぅ、、、、」
イリオモテヤマネコのアルを抱いた、友人の茶髪メガネ、只野友樹が変なうめき声を上げる。
撮影場には彼らのみ。ほぼ半裸のネコミミ美少女のスレンダーの肢体は、ひどく生々しく、淫猥な空気がさらに濃厚に立ちこめる。
モデルの動きによるブラのわずかなズレが、申し訳程度に、下腹部をおおう、水着が少女の肉体の隆起を想像させる密着度で蠢いていく。
鼓動は早まり、息は苦しくなる。興奮は辺りのボルテージを際限なく上げていく。
「いいよ!いいよおお!さいっっこうだよ!!リンちゃん!
さああ!!上、取っちゃおおかあああ!!」
アゲアゲの変態が訳のわからん事を言い出す。
「にゃああ、、、、」
変なテンションの少女が、言うなりにブラトップに手をかけ、ずらそうとする。
その寸前、
ドグワァアアアアアッゴオオ!!
辺り一面吹き飛ばす、爆烈が炸裂する。
「なあああぁぁにやっっとるかああああぁぁあああーーーーーー!!!」
どこから嗅ぎつけたのか、鍵のかかった写真部のドアを蹴破り、なだれ込む、野川那智、だ。
「な、何しやがる!この爆弾魔ーーー!ゲホッゲホッ。」
まるで測ったかの如く、少年を正確に吹き飛ばす那智。
ひどいものである。セットのベッドも間仕切りのレースのカーテンも吹き飛び、写真部はほぼ、半壊している。
このご時世にまだ、完備されているフイルム用の暗室に続くドアにまで、転がりひっくり返っているパンツ一丁のしん。
なぜか、リンと、子ネコを抱いた茶髪メガネは、ほぼ無傷だ。相変わらず、ムダに正確無比
な能力コントロールである。
「黙れ!!変態!何だその格好はあ!」
正直もう、怒ってるのか、情けないのかよくわからない、少女であった。
「フハハハハハ!これは、いにしえの偉大なるポルノ監督!村西とOるにちなんだ正式な撮影スゥタイルなのっだ!」
撮影機器を担いでポーズする少年
「ナイスですね!」
「だあぁあまれぇえ〜〜!!消し炭にしてやるぅうう〜〜〜〜〜!!」
両手に炎弾が渦を巻く。
天魔波旬の鬼神、阿修羅の如く、トドメの爆烈を炸裂させる、炎姫、野川那智。
「ぎゃああああああぁあああああーーーーーーーー!!!」
悪は潰え去った。
パンパンとそこらへんに置いてある白衣を拾い、ホコリを払う那智。
セミヌードでたたずむリンにかけるつもりだったのだが、異様に重い。
「あによこれ!」
バリバリと裏の機械のたぐいを引き剥がし、捨ててしまう少女。
「ハイ、リン。」
プラチナショートボブの少女にかける那智、
「ありがとう、、、」
いつもの、彼女だ。
「リン!一体全体どうしたの?なんでこんな事?」
写真部で、風紀の少女の撮影会があるとの、ウロンなウワサを辿ってきたのだが、もう少しで大変な事になるとこだ。訳が分からない。
「なんで、あんなのの言いなりになってるの!変態だよ!どうみても!!」
指差す先で、白ブリーフ一丁の変態がひっくり返っている。
「キュ、、、キュート?」
目をそらしながら、虚言を吐く、冬木リン。彼女なりの葛藤があるのだろう。
「しっかりしてよおおお〜〜〜〜!!リン〜〜〜〜〜!!!」
ブンブンと小柄な美少女をシェイクする那智。半泣きである。
場所を移して、
部室練3階、超研部(仮)。
「あた!痛い痛いって!」
「黙りなさい!自業自得だよ!」
とは言え、キズ薬を吹き付けて、ペタペタとガーゼを貼り付けて治療をしてあげる、親切な黒髪、ポニテの地味子さん、みず希しずく。
少し様子が変なのだが、少年は気が付かない。
それでも、いつも通りテキパキと棚に救急箱を片付ける彼女を、見ながら、なんでそんな物があるのか、首を傾げる、しん。
しかし、あらためて疑問に思う。
前回の自分のケガ(リンによる切傷)はかなりの重傷だったはずだ。それがほぼ、傷口も残らず完治している。
いくら、医療カプセル、ナノデバイスがあろうと、回復が早すぎるのだ。
原因があるとしたら、保健医の野川智由だろう。
いずれ調べてみなければならない。
色んな意味で、ミステリアスなお姉さま、だ。
右手前、その彼女の妹、長テーブルに両手で頬杖しているふわりとしたセミロングの美少女、野川那智がいる。
「お詫び?」
となりで、子ネコを抱く夏服のブラウスの制服の着替えた、リンを見つめる。
関係ないが、子ネコは前足で交互に自分を抱くリンの腕を、フミフミしている。
とても可愛い。
「色々、迷惑をかけた、、、、ここの備品も壊したし、、、、」
無表情で答えるリン。頭を撫でられる子ネコは、気持ちよさそうにゴロゴロとノドを鳴らしている。
「それにしたって、、、、」
我慢できずに、子ネコのノドをこちょこちょする、那智。
「そう!!」
ドタンと椅子に立ち、机に片足を乗せる、しん。
「リンの、ネコミミ、コスプレデータは、まさに神コンテンツ!!補って余りある利益を、我が部にもたらすであろう!!」
高笑いする少年。
こいつはまだ懲りてないらしい。
「黙れ!人の弱みにつけ込んで!リンもこんな変態の言う事聞いちゃダメだから!!」
騒ぐ少年に驚いた、子ネコをなだめる、リン。
「いい、、、、しんが喜ぶなら、、、、」
まさに、ダメ男に寄生され、夜泣きする赤子を抱く、ヒモに貢ぐシングルマザーの程である。
「も〜〜〜〜〜〜シッカリしてよお〜〜〜〜〜!」
途方に暮れる那智。
「ん〜〜〜〜〜可愛いよね。アル。」
ガタガタと座り直す、しん。
「アルフレッド イズルO?」
リンの抱く、普通の子ネコに調整されたイリオモテヤマネコの名前の由来を聞いてみる。
色んな意味で、凄い金のかかった飼い猫だ。
「、、、、、アルフレッド ペニーワークO、、、、」
ポツリと答えるリン。
「成る程。そっちか。」
バットマンに登場する執事の名前だ。
リンが執事萌えならば、仕方がない。ウソだと言ってよバーOーの方がいいと思うのだが。
そんなどうでもいい事を考えている少年の、ポケットの中の携帯が振動する。
嬉々として会話する少年。
彼以外の、この場にいる全員が、会話の相手はどうせ、ろくでもない人間だろうと確信していたのだが、その予想の、斜め上をいく人物が登場する。
「ハイ!ハイ!!すぐに、うかがいます!師匠!!」
テンション、マックスの少年が叫ぶ。
「師匠、、、、、?」
那智としずくと友樹が嫌そうに顔をしかめる。
リンは我、関せず。と子ネコをあやしている。
「行くぞ!みんな!!我が部の、名誉幽霊顧問さまが、日頃の研究成果を見せてくれるそうだ!!」
なんだ、その幽霊顧問って。
三人が頭をかかえ、ひとりは子ネコと戯れる中、アゲアゲの少年を筆頭に、部活練一階の昇降口に向かう。
降り立つ彼らを待ち受ける、なにか見た事が無い、長い長い高級車。
瀬里奈Sフィールズの黒塗りリムジンが可愛く見える、超巨大、超長大、超黄金のメルセデス、マイバッハ、最上級グレードのS600のスペシャルフルカスタム、プルマンだ。
数台のこれもまた、高級そうな車が周囲を囲み、数十人の黒背広のSP達が身辺警護に勤めている。何事かと、帰宅途中の一高生徒達が、遠巻きに見物している。
その黄金のマイバッハのドアが開き、地に立つ長身、輝くような金髪の長髪、透き通る碧眼、細身のナイスミドル。白いオーダーメイドのジャケット、白いスラックス、そしてこれもまた長い白いマントをひらめかせる、全身白ずくめの男
「フハハハハハーーーーーーーーー!よく来たな、しん!共に覇道を進む同志よ!!」
「ありがたき幸せ!!はるかなる理想郷!そのシャングリラに導きを!!我が偉大なる師匠!!」
大喜びの白衣の少年。
アングリと口を開けている、那智、しずく、友樹ら三人。
彼らだって、テレビやニュースでよく見知った顔だ。
この、天宮、四校および、天宮中央大学院、全ての統括理事。更にはこの東アルカ創設から関わる、世界的重鎮。東アルカ総括審議会、議会長。および東アルカ産業複合体の総CEO。
彼こそが東アルカ、全ての権力の中枢、
ハドリア S フィールズ、その人である。
また来週。




