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『Scarlet Coal』-殴り魔は自らの欲を満たす  作者: 栗木下
10:第五坑道・ネラカーン

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600/619

600:『虚の書』で見るネラカーンキーパーたち

実質、設定開示回となります。

「うわぁ……」

 思わず変な声が出た。

 第五坑道・ネラカーンのブラックキーパーについての情報を『虚の書』に求めていたら、思っていた以上に詳細な情報が出て来てしまった。

 ちょっと情報量が多すぎる。

 余計な情報が多い。

 モチーフ元がどんななのかまでの情報は俺には多い。

 一回リセットだ。


 えーと、確かどこかの掲示板で第四坑道・ミクヒィカのブラックキーパーについてまとめていたものがあったな。

 それを見て、イメージをしながらで……よし、上手くいったな。


「ではαから」

 一体目。

 ブラックキーパー・ネラカーンα・理虹(リコウ)

 火炎属性で、対応七元徳は分別らしい。

 見た目は戦車らしきものに乗った妖精のような見た目の女性だが、サイズは人間大。


 戦場にはフロア中に砲台やロケットポッドが仕掛けられていて、それが命中するとダメージに加えて状態異常(火炎属性主体だが、種類は非常に多い)になる。

 取り巻きには防御力強化や耐性強化のバフを行って、攻撃の巻き添えにしても問題が無いようにする。

 残りシールド量が減ってくるとフロア各地に砂の塔を生み出し、その塔が放つ熱波によるDoT攻撃を仕掛けてくる他、射程無限かつターゲッティング成立で必中の砲撃も行ってくるようだ。


 対策として考えられるのは、なんとしてでも近接戦闘に持ち込むこと、状態異常対策を万全にすること、取り巻きは確実に処理して減らしていくこと、と言うあたりだろうか。



「β」

 二体目。

 ブラックキーパー・ネラカーンβ・律祇(リチギ)

 氷結属性で、対応七元徳は忠義らしい。

 見た目はバイクに乗り、ライダースーツを着用したオッドアイの女性で、メイン武装は装飾付きのライフル銃。


 ライフル銃による攻撃の度に取り巻きの魔物が強化されていく。

 強化内容については運動性能の向上がメインである模様。

 残りシールド量が減ってくると、他の魔物への強化が強まってくる他、睨んだ相手の全身の構成素材を氷に変えることで、皮や骨と言ったマテリアルと同レベルにまで性能を落としてくるらしい。


 対策として考えられるのは、取り巻きの殲滅をしてから本体へ挑むこと、アドオンなどによるマテリアル変質の無効化、この辺りが出来れば、後は律祇自身の機動力に対処できるかどうか、と言うところか。



「γ」

 三体目。

 ブラックキーパー・ネラカーンγ・怨留(オトメ)

 拒絶属性で、対応七元徳は純潔らしい。

 見た目はフード付きの長袖コートを身に着けた金髪ポニーテールの女性で、武装はハルバード。

 で、監査辺りの思念が混ざったのか、お前が光属性で純潔って開発のセンスはどうなっているんだとか、女性じゃなくて女装した男だろうがとか、なんか変な情報が入ってる。

 ……、どう見ても女性にしか見えないのに男なのか……。


 えーと、戦闘能力については、ハルバードによる攻撃のほか、地面操作による範囲攻撃や奇襲も可能。

 また、取り巻きの数に応じて戦闘能力が上がるし、取り巻きたちも怨留を積極的に支援する。

 シールドが減ってくると搦手として地面や坑道の壁を利用し始めるし、大規模な地形変化も伴ってくる。

 おまけに倒した取り巻きを土人形として復活させることも出来る。

 監査ではなさそうだが、光属性系統なのにネクロマンスじゃないかとか、また変な情報が入ってるな。


 えーと、対策としては取り巻きへの対処は撃破ではなく拘束にする事、地面や壁を操作することによる奇襲を受けないためにも何かしらの方法で空中に居る、この辺だろうか。

 でも、緋炭石が限られる第五坑道・ネラカーンで常時空中は……厳しいだろうなぁ。



「δ」

 四体目。

 ブラックキーパー・ネラカーンδ・克鬼(カツキ)

 物理属性で、対応七元徳は節制らしい。

 見た目は帆船に乗った狼男で、武装はメイスがメインのようだが、剣、銃、槍、弓、斧、だいたい何でも使えるようだ。


 戦闘については、船にこちらが乗り込むか、船が破壊されるまでは、周囲の取り巻きに同ランクのものよりも多少強力な銃や大砲、その他武装を与えて強化。

 また、取り巻きの数が減ってくると、船を介して取り巻きを召喚して補充するらしい。

 船に乗り込むか、船が壊されて克鬼自身が戦う状態になると、自身の武装を使って戦闘開始。

 ……。

 なんか、実体を持っている武装や攻撃だとだいたいパリィされるか、避けられるか、食われるかして、逆利用されるって書いてあるんだが……。

 しかも、シールドが減ってくると、銃や大砲を周囲に召喚して、自分を巻き込むよう発砲。

 セルフ認識加速による超高速戦闘まで仕掛けてくる、と。

 え、勝てるのか? これ。


 対策は……非実体の範囲攻撃かなぁ、俺にはそれくらいしか思いつかない。

 とりあえず高性能の武装や、扱う技量でのごり押しは止めた方がよさそうではある。



「ε」

 五体目。

 ブラックキーパー・ネラカーンε・覆洋(オウヨウ)

 浸食属性で、対応七元徳は寛容らしい。

 見た目は半分地中に埋まった潜水艦らしきものに乗った、全身が黒い靄に包まれた男で、壁や床などを無視して移動してくる。


 戦闘方法は潜水艦からの機雷や魚雷のほか、霧や雨と言った天候変化、地面の沼地化やその逆と言った地形変化を起こすことも可能。

 取り巻きには天候と地形が変化する事への耐性を持たせるし、こちらの位置を伝えることもあるようだ。

 で、シールドがなくなってくると、フロア全域にシールドと燃料へのDoT領域を展開し、ブラックミストのようにこちらのシールドと燃料を吸収してくるらしい。

 後、不意を突かないと物理属性による攻撃は効かないようだ。


 対策は覆洋が取り巻きにやっていることをこちらもセルフでやる事に、物理属性以外の攻撃手段をきちんと用意しておくこと、と言うところだろう。



「ζ」

 六体目。

 ブラックキーパー・ネラカーンζ・荊愛(ケイアイ)

 魔力属性で、対応七元徳は慈愛らしい。

 見た目は奇妙なキメラに跨った美女で、服装にはバラが多くあしらわれている。


 戦闘方法は取り巻きの魔物たちにスーパーアーマーを付与し、怯まないようにした上で、突撃させてくるのが基本。

 自身が戦うならキメラに乗ったまま剣や槍を扱うが、並の攻撃では取り巻きが庇うので、なかなか届かない。

 シールドが減ってくると耐性を無視した封印の状態異常を付与してくる他、巨大化……巨大化? うん、俺の見間違いじゃないな、巨大化と書いてある。

 とにかく巨大化して、シールドを剥がしてもなおトドメをそう簡単にはさせないようにしてくるようだ。


 対策は取り巻きについては相手がスーパーアーマー持ちであることを前提に立ち回る事。

 本体は……毒とか火とか、相手が大きくなっても通用しそうな攻撃手段を準備しておく必要はあるだろうな。

 そして、出来るだけ特殊弾にも頼らない、と。



「η」

 七体目。

 ブラックキーパー・ネラカーンη・翔稔(ショウジン)

 電撃属性で、対応七元徳は勤勉らしい。 

 見た目は飛行機に乗ったカボチャ頭のパイロット。


 戦闘方法は主に空爆で、時々ミサイルや機銃、接近されると放電や落雷も行う。

 問題は空爆の後、爆発地点から魔物がポップしてくること。

 このポップに限らず、黒キパ自身の召喚能力はポケットアリーナでは阻害できないらしいので、実に嫌らしい。

 そして当然ながら空を飛び続けているので、そちらへの対策も必須となる。

 ただ、取り巻きを出現させ続ける仕様上、バフの類は行わないようだ。

 で、シールドがなくなってくると爆発の規模が増し、合わせてリポップも増える、と。


 対策は……空中戦闘を出来るのが、怨留とは別の理由でもって必須。

 後はどれだけ取り巻きを無視するか、簡単に殲滅できるようにするか、と言うところだろうか。



「θ」

 八体目。

 ブラックキーパー・ネラカーンθ・憂威(ウレイ)

 時空属性で、対応しているのは七元徳ではなく、旧七大罪である憂鬱らしい。 

 見た目はシャーマンのような衣装を身に着けた幼女。


 シールドがある状態でも攻撃を受けると血をバラまき、その血に触れると大ダメージを受けることになるようだ。

 そして、攻撃を受ける度に当人は血をバラまきつつロケットで遠くへと移動する。

 取り巻きには特殊能力使用のクールタイム短縮のバフを行っていて、取り巻きたちは普段よりも積極的に能力を使用する。

 で、一番の問題として、憂威との戦闘には表示されない制限時間が存在しており、その時間を超過してしまうと、プレイヤー側の状態はそのままに憂威自身と取り巻きの魔物たちは完全復活してしまう。

 勿論、倒された魔物たちも含めての、全員全回復だ。


 よって対策と言うか倒し方は憂威の速攻撃破一択。

 ダメージを与える度に逃げることも合わせれば、一撃の威力と高い追跡能力の双方を求められることになるだろう。



「ωは……別にいい気がするなぁ。一応見ておくけど」

 九体目。

 ブラックキーパー・ネラカーンω・虚光(キョコウ)

 虚無属性で、対応しているのは七元徳ではなく、旧七大罪である虚飾らしい。

 見た目は全身鎧で、背中に五つの輪。


 戦闘方法は5カウント後に確定シールド全損かつDoT領域展開の効果を持つフロア全域攻撃。

 そして、取り巻きへのバフとして、剥がれたシールドを補充するシールド展開能力。

 後、取り巻きの視線の利用や、デコイの召喚、強制ゲームオーバー攻撃なども持ち合わせているらしい。


 対策はシールドで凌ぐ以外の手段を持つこと、取り巻きはきっちり始末する事、倒しきるのに必要な火力の確保など。

 まあ、俺の場合はハプニングの都合で色々と動きが変わってしまったが。


「これで全部か。さて、俺が書き込んだとバレないように上手く書き込んでみるか。えーと、ヤスコからもらったこういう時専用の端末はっと……」

 こうして得た情報を俺は掲示板へと書き込んだ。

 さて、これで少しは攻略が進むと良いのだが……どうなるだろうか?

あ、一番ヤバいのはδです。

最終的にはかなりの広範囲攻撃、相手の技量以上の近接攻撃、何かしらのハメ技ぐらいしか当たらないのですが、広範囲攻撃はだいたい火力が低め、技量はアレ、ハメ技はよほど上手くやらないとなので……お察しください。


07/10誤字訂正

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― 新着の感想 ―
[一言] やっぱりヤタくんはどこに出しても恥ずかしくない人外じゃないですかヤダー!
[気になる点] 主人公モチーフって聞くとオトメが突っ込みどころあるけど、よく考えるとゾッタの直接の知り合いは女性体だったやんけ。 それとは別にオトコのほうに会ったことあるのかな?
[一言] 600話おめでとうございます。 こうして見ると、ダウングレードしているとはいえ歴代主人公の異常さがよく分かりますね…… δとか本当に人間?w
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