596:ネラカーンリザルト・アドオン
「さて他のアドオンはっと」
とりあえず見るのはアドオン『虚無属性強化』とアドオン『虚無属性耐性』だ。
効果については予想が付くが、それでも一応と言うやつだな。
△△△△△
虚無属性強化
種別:アドオン
称号:虚無の
適用したゴーレムの扱う虚無属性のダメージが+3%される。
≪作成には特定物質:緋炭石が100個必要です≫
▽▽▽▽▽
△△△△△
虚無属性耐性
種別:アドオン
称号:耐虚の
適用したゴーレムへの虚無属性のダメージが-3%される。
≪作成には特定物質:緋炭石が100個必要です≫
▽▽▽▽▽
「うんまあ知ってた。本当に普通の属性アドオンだな」
「そうね。本当に普通で、コメントに困るレベルね」
「せやな。そして、売れ行きも微妙そうやなぁ。虚無属性って特殊やし」
あ、ハンネとリツが戻ってきた。
まあ、二人の言うとおり、使い道に困るアドオンではあるな。
虚無属性は現状だと第五坑道・ネラカーンでしか遭遇しないし、第五坑道・ネラカーンでは虚無属性周りのアドオンを揃える余裕があるなら、状態異常や火力増強関係のアドオンを積みたいところだからだ。
「しかし……虚光がこれなら、他のネラカーンのキーパーたちはどういうアドオンを落とすんだ?」
「さあ? でももしかしたら、時空属性以外の属性関係は第四坑道・ミクヒィカの黒キパたちと被る可能性もあるんじゃないかしら」
「ああ、アドオン『火炎属性超強化』とかやな。あるいはアドオン『火炎属性無効化』とかも来るのかもしれへん」
「まあ、ここら辺は安定的に倒せるようになって、情報が揃うまでは分からない案件ね」
「ついでに言えば、虚光が落とすアドオンもこれだけとは限らない、か」
なお、第五坑道・ネラカーンを安定的に周回できる日が来るとはこの場に居る誰も思っていない。
よほどのブレイクスルーでもなければ、そんな日が来るとは思えないからだ。
一応俺は付けられるアドオンの数が他のプレイヤーより一つ増えたので、その分だけ有利にはなるが……誤差だな。
「まあいいか。次」
俺はアドオン『レキノーリ液完全無効化』を見る。
△△△△△
レキノーリ液完全無効化
種別:アドオン
称号:澱弾きの
適用したゴーレムはレキノーリ液の影響を受けない。
この設計図はコピーできない。
≪作成には特定物質:緋炭石が255個、特定物質:レキノーリ液が1瓶必要です≫
▽▽▽▽▽
「ほーん」
「ふむふむ」
「まーた、コピー不可やんけ」
アドオン『レキノーリ液無効化』の効果はシンプルなものだ。
レキノーリ液の影響……つまりはインベントリの汚染を受けなくなると言うものである。
うん、陽泉坑道・プラヌライの奥地を探索する場合にはこちらのアドオンの方がよさそうだ。
「はあ、白紙の設計図で作ったレキノーリ液対策のアドオンより優秀なのも含めて、勿体ないわぁ」
「そうね。でもこれで一つ疑問が……どうしてレキノーリ液対策を白紙の設計図で作ろうとしたら、シンプルな無効化にならないのかが分かったわ。第五坑道のクリア報酬に対策があるんだから、そりゃあ作れないわよね」
さて、レキノーリ液対策だが、実は白紙の設計図によって作ったものが既に何パターンか存在していて、検証班によって作り方も公表されている。
それに俺がフロア10でブラックガーゴイルからの報酬で拾ったように、拾えるものもある。
そうして手に入れたものの一例としてはこんな感じだ。
△△△△△
時限式レキノーリ液無効化
種別:アドオン
称号:一時不澱の
適用したゴーレムはレキノーリ液に一度触れてから1800秒間、レキノーリ液の影響を受けない。
この設計図はコピーできない。
このアドオンは効果時間終了と共に失われる。
≪作成には特定物質:緋炭石が100個必要です≫
▽▽▽▽▽
「まあ、問題は作るためにはレキノーリ液が必要だから、作成に回せるだけの緋炭石を持った状態で第四坑道の奥地を周回する必要があるという点か」
「トビィなら余裕じゃない」
「トビィはんなら問題ないやんけ」
「実力的には問題なくても、レキノーリ液が出て来てくれるかどうかと言う点で問題が生じるんだよ」
他のレキノーリ液対策だと……確率で防ぐ、燃料消費で防ぐ、被弾しない限り防ぐとか、とにかくそんな感じに癖があったはずである。
後で確認してみたが、ブラックガーゴイルからのも、デメリット付きだった。
それに比べれば、アドオン『レキノーリ液完全無効化』は作成難易度以外の面では純粋上位互換と言えるだろう。
なお、レキノーリ液の正体については未だに不明なので、もしかしたらその辺りに関係する形で更なる上位互換もあり得るのかもしれないが……まあ、分からないことを気にしても仕方がないな。
「いっそ集図坑道・ログボナスでブラックガーゴイルを呼び出し、そこで相手の吐き出すレキノーリ液を奪うか?」
「そこでレキノーリ液を回収する方法はまだ確認されていないのよね。後、回収できても、簡易ラボが使えないんじゃないかしら」
「バーグラー種周りで何かあるとは言われとるな。特殊弾『武装奪取』を強化して、マテリアルや特殊な何かを盗めるようになる何かがあるんじゃないかって。まあ、根も葉もない噂やけど」
「うーん、そう上手くはいかないか」
なお、俺がこれから一か月の間に作成できるかは極めて怪しい。
主に運の面でもって。
まあ、第五坑道は攻略したし、新しい坑道も出なかったし、『第三次防衛戦』までは第四坑道・ミクヒィカを周回して、作成を目指せばいいだろう。
マテリアルや緋炭石の実入り的にはあちらの方が明らかに良いしな。
「さて、次は十拳剣を見るぞ」
「今回の目玉ね」
「コピー可能やと助かるんやけどなぁ」
では次に移るとしよう。




