568:フロア9リザルト
「はぁ……いい加減にもう慣れた」
何処かで放たれた核南瓜の爆発によって吹き飛ばされていく中、俺は飛びこむ部屋の中と周囲の様子を見ていく。
まずエレベーターの存在を確認。
インベントリ整理の時間も欲しいので、この部屋の制圧は必須になった。
次に魔物の影が複数。
既に核南瓜使用後なのか萎れた顔をしているブラックパンプキンが1体。
スカーレットスカラー、スカーレットテントウ、レッドミスト、レッドパドロックがそれぞれ1体居る事も確認。
ブラックハウンドは俺を追いかけて来ていたものも含めて3体。
つまり、合計で8体の魔物が部屋の中と周囲に合わせて存在している。
「ヒュ……」
「とりあえずお前は怯んでろ」
「ロォ!?」
さて、この場を制圧する際に重要なのは今さっき核南瓜が使われたことによって、そのダメージを特殊弾『ダメコン・集中』によって凌いだ俺以外はシールドの残りがミリ残りとなっており、虚無属性の攻撃を用いれば即座にシールドを割る事が可能であるという点だ。
なので俺は爆発の勢いに乗って部屋の中に転がり込むと同時に、核南瓜ではない普通の南瓜爆弾を使おうとしたブラックパンプキンを左腕で殴ってシールドを割ると共に、怯ませておく。
だがトドメは刺さない。
この場で真っ先に始末するべきはブラックパンプキンではないからだ。
「最優先はお前だ」
「スカガ!?」
俺が真っ先に狙ったのはスカーレットスカラー。
『昴』を構成している竜命金をただの金に変えてしまうコイツこそが、この場では最も厄介であり、危険だからだ。
だから俺は飛び蹴りでスカーレットスカラーと一緒に壁まで飛び込むと、そこから素早く左手を叩きつけて始末。
これで『昴』を自由に使えるようになった。
「カボッ……」
「キイィ!」
「キキキキキ」
「「「バウバウッ!」」」
「テンテー」
『トビィ!』
「分かってる」
だがボーナスタイムは此処までだ。
他の魔物たちが核南瓜の爆風から立ち直って、ブラックパンプキン以外はシールドを自然回復させつつこちらへの攻撃をするべく動き始めている。
ブラックパンプキンはブレスの構え。
レッドパドロックは大きな鍵を投げ槍のように飛ばし、レッドミストは氷の礫を散弾のように放っている。
スカーレットテントウとブラックハウンドたちは後ろからの攻撃に巻き込まれるのも覚悟の上だと言わんばかりに、真っすぐに突っ込んできている。
「まずお前にブレスは撃たせない」
「チャバァッ!?」
とりあえず『昴』を投擲。
ブラックパンプキンの頭部に直撃させて撃破。
「お前は盾」
「バウッ!?」
続けて二重推進からのタックルで、飛び掛かってきたブラックハウンドの一体を掬い上げるように打ち上げ、盾代わりにして敵後衛からの弾幕によるダメージを抑えつつ突破。
なお、他のブラックハウンドたちとスカーレットテントウは俺の急加速について行けず、攻撃を空振っている。
「兼、弾丸だ」
「バウアッ!?」
「ミミキリィ……」
そして、タックルの勢いそのままに、肩からの『昴』射出でブラックハウンドごと吹っ飛ばして、レッドミストとブラックハウンドのシールドを剥がすと、追加の『昴』投擲で二体へとトドメを刺す。
「ま、ここまでくればもう恐れる要素はないな」
「パパパ……」
「「グルウル……」」
「テテテ……」
この時点で俺の残りのシールドは半分ほど。
もう半分ではなく、まだ半分もと言っていいレベルだろう。
対する魔物たちのシールドは……ブラックハウンドの一体がランダム強化でシールド回復を引いているらしく明らかに回復が早いが、それだけだな。
つまりだ。
「手早く片付けてやる」
「「「ーーーーー!?」」」
『ブーン。本当に核南瓜後の戦闘に慣れてしまいましたね。トビィ』
苦戦要素などどこにもない。
一体ずつ確実に斬り伏せ、殴り倒していくだけである。
≪生物系マテリアル:草・時空を1個回収しました≫
≪生物系マテリアル:骨・時空を1個回収しました≫
≪設計図:ミストアームRを回収しました≫
≪生物系マテリアル:肉・時空を1個回収しました≫
≪幻想系マテリアル:隕鉄・時空を1個回収しました≫
≪生物系マテリアル:肉・魔力を1個回収しました≫
≪生物系マテリアル:骨・氷結を1個回収しました≫
≪生物系マテリアル:甲殻・時空を1個回収しました≫
「さて、大量のマテリアルが回収されたわけだが……」
戦闘終了。
報酬が提示される。
≪インベントリの枠が足りません。生物系マテリアル:草・時空はその場に破棄されます≫
≪インベントリの枠が足りません。生物系マテリアル:骨・時空はその場に破棄されます≫
≪インベントリの枠が足りません。生物系マテリアル:肉・時空はその場に破棄されます≫
≪インベントリの枠が足りません。生物系マテリアル:骨・氷結はその場に破棄されます≫
そして、インベントリに入らないものが足元に転がった。
『トビィ、どの程度捨てていきますか? ブーン。恐らくですが、ブラックハウンドは次のフロアでも引き続き襲ってくると思いますが』
「そうだなぁ……。3個以下でブラックハウンドから回収できるマテリアルは片っ端から捨てていくか」
次のフロアには、こうして足元に転がったマテリアルを活用してしまえるフライ種が出てくる。
要らないマテリアルを捨てておくなら今の内だろう。
だが、特殊弾『根絶やし』の為に残しておきたいものもある。
俺はそんな事を考えつつ多数のマテリアルを捨てると、エレベーターに乗ってフロア10へと向かった。
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トビィ
称号:『マレディクタス』
燃料:94/100
コア:ニンジャ
アドオン:オートコレクター
アドオン:混乱無効
アドオン:睡眠無効
アドオン:軽装行軍時燃料消費軽減
頭部:エクソシストヘッド(呪鉄・虚無):物理-魔術-外部-ブレス(特殊弾『ドレイクブレス』0):呪・被ダメージ増加:左目破損
胴体:エクソシストボディ(呪鉄・虚無):拒絶-魔術-外部-回復(特殊弾『損傷回復』0):呪・属性耐性反転
右腕:ヴァンパイアアームR(玉鋼・電撃):侵食-化学-内部-付与(特殊弾『腐食性粒子』2)
左腕:エクソシストアームL(呪鉄・虚無):魔力-魔術-境界-防御(特殊弾『シールド発生』金3、特殊弾『黄金障壁』0):呪・属性攻撃力低下
脚部:エクソシストレッグ(呪鉄・虚無):物理-物理-外部-即死(特殊弾『首刈り一閃』4):呪・攻撃力低下
武装:サーディンダート(オニキス・電撃):魔力-魔術-外部-拘束(特殊弾『睡眠』8)
武装:フググレネード(鉄・火炎):火炎-化学-外部-遮蔽(特殊弾『焼夷ガス発生』5)
武装:グレネードホルダー(鉄・火炎):侵食-化学-外部-遮蔽(特殊弾『煙幕発生』5)
武装:ヒールバンテージ(鉄):魔力-魔術-外部-回復(特殊弾『シールド回復』3)
武装:ヴァンパイアマント(鉄):侵食-魔術-境界-移動(特殊弾『影渡り』3)
武装:エンプティポット(銅):時空-物理-境界-防御(特殊弾『内外時間乖離』0):中身・レキノーリ液
武装:ピクトステッカー(オニキス・電撃):物理-物理-境界-防御(特殊弾『ダメコン・集中』2):残り5枚
武装:ポリプーロの契約武装『昴』(竜命金272):(火炎/侵食)-法則-異界-付与-『神降・火之迦具土神』
武装:簡易ラボ(岩):残数3:特殊弾未対応
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インベントリ 32/48
頭部:ヴァンパイアヘッド(フォッシル・火炎)
胴体:ヴァンパイアボディ(フォッシル・火炎)
左腕:ヴァンパイアアームL(フォッシル・火炎)
脚部:ヴァンパイアレッグ(フォッシル・火炎)
右腕:エクソシストアームR(呪鉄・虚無) 呪・燃料消費増加
武装:簡易ラボ(岩):残数3
特殊弾『腐食性粒子』 2
特殊弾『シールド発生』金 3
特殊弾『首刈り一閃』 4
特殊弾『睡眠』 8
特殊弾『焼夷ガス発生』 5
特殊弾『煙幕発生』 5
特殊弾『影渡り』 3
特殊弾『ダメコン・集中』 2
特殊弾『シールド回復』 3
鉱石系マテリアル:銅 6
鉱石系マテリアル:岩 52
生物系マテリアル:皮 53
鉱石系マテリアル:呪鉄・虚無 18
幻想系マテリアル:クオリア・氷結 37
幻想系マテリアル:エーテル・拒絶 8
幻想系マテリアル:隕鉄・拒絶 40
鉱石系マテリアル:鉄・拒絶 27
生物系マテリアル:骨・電撃 7
鉱石系マテリアル:玉鋼・電撃 2
生物系マテリアル:フォッシル・火炎 1
鉱石系マテリアル:金・浸食 137
生物系マテリアル:肉・魔力 2
鉱石系マテリアル:玉鋼・氷結 70
生物系マテリアル:甲殻・時空 2
幻想系マテリアル:隕鉄・時空 69
生物系マテリアル:琥珀・時空 120
(枠外)特定物質:緋炭石 488
(枠外)白紙の設計図 1
(枠外)『第三次計画の計画書』 1
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