559:フロア8リザルト
「さて、とりあえずレキノーリ液は再回収しておくか」
『ブーン。そう言えば、一度回収しても湧き続けていますね。となれば理論上はもう一度特殊弾『根絶やし』を使うことが出来ますね』
「理論上はな」
≪エンプティポットの所有を確認しました。エンプティポットにレキノーリ液を入れますか?≫
≪特定物質:レキノーリ液を回収しました≫
ハウンドたちを撃破した俺はエンプティポットにレキノーリ液を収めておく。
これで特殊弾『根絶やし』の作成に足りていないのは時空属性のマテリアルだけなので、ティガの言うとおり、もう一度特殊弾『根絶やし』を使うことは可能になると考えてもいいだろう。
「はっきり言って、カオティックポットの性能に問題が多過ぎるんだよな。結局あの黒い何かの正体は分からずじまいだったわけだし」
『ブン。それはそうですね』
回収を終えた俺は雑談をしつつ次の部屋へと向かう。
トリカブト種が根絶やしになったおかげで、ケルベロス種が召喚したトリカブト種に覆われ探索不可能になっていた部屋も探索可能になっているので、その分だけ探索もはかどるはずだ。
『ブーン、トビィ。トビィはあれの正体は分からないのですが? トビィなら幻惑状態であっても殴れるか、触れるかすれば、ある程度の情報や正体は掴めると思うのですが』
「残念ながら、俺も殴ったことがないものまでは分からない。他の良く出来ているとされるVRゲームでも接触経験がない感じだった。ただ……」
幾つかの罠を越えて次の部屋に到着する。
三本のマテリアルタワーがあるな。
えーと、緋炭石、竜命金・魔力、玉鋼・氷結と来たか。
どれも20秒、3回だし、回収しておく必要があるな。
『ただ?』
「破損が深すぎて修復出来ていない左目の傷口から考えるに、体に棘の類は生えていた。それと幻惑のせいで四本脚に見えていたが、本当はもっと多いと思う」
『ブン、なるほど』
「だがそれ以上の情報はなしだな。俺にはアレの正体は掴めない。だから後で集図坑道で名前を……」
≪幻想系マテリアル:竜命金・魔力を54個回収しました≫
と言うわけで、ティガと話しつつ、まずは竜命金・魔力を回収。
回収した竜命金・魔力は『昴』が即座に食べて、『昴』は竜命金272個製になる。
「確認させてくれるのか? なんか怪しい気がするな」
『ブーン。させてくれない気がしますね。あれほど凶悪な能力を持っているとなると、条件を満たさなければ出現しないなどもありそうです』
「そして、その条件は坑道で遭遇した際にきちんと姿や名前を確認する事ってか? 確かにありそうだな」
≪鉱石系マテリアル:玉鋼・氷結を70個回収しました≫
≪特定物質:緋炭石を110個回収しました≫
そのまま続けて玉鋼・氷結と緋炭石も回収。
それにしても玉鋼・氷結が70個か……これは黒キパアームのどちらかを作る事も目に見えてきたか?
黒キパアームは作るのにマテリアルを50個も必要とするが、その分性能については折り紙付き。
玉鋼自体は赤の魔物相当のマテリアルではあるが、黒の魔物とも十分やり合える腕になるはずだ。
「「「バウバウッ!」」」
「「「グルルルル!」」」
「おっと魔物か。じゃあ、雑談は此処までだな」
『ブブ、多いですね』
と、ここでハウンド種たちとウルフ種たちが合わせて十体以上、次々と部屋の中に入り込んでくる。
「「「グルルルル……」」」
「チチチチチ……」
「たぶんだが、トリカブト種のせいで魔物専用通路から出られなくなっていた連中が、俺の行動の音と臭いで嗅ぎつけて、一斉に集まってきたんだろうな」
『ブン。なるほど。では?』
また、通路の一つからは涎をこぼしても何も出現しなくなっているスカーレットケルベロスが姿を現しているし、何処かで見た覚えがあるブラックムカデがハウンドたちの背後に出現しているのも見える。
「当然逃げる」
『ブン。ですよねー』
どう考えても倒すことは不可能。
と言うか、マトモにやり合ったら数で押しつぶされる。
そう判断した俺は魔物が出て来なかった通路に向かって駆け、通路に進入すると同時に特殊弾『焼夷ガス発生』を発動して、通路の出入り口を潰す。
その上で通路を駆けて逃げていく。
「セッチアッ!」
「「「グルアッ!」」」
勿論、特殊弾無効のブラックムカデとDoT無効のスカーレットケルベロスは焼夷ガスに怯むことなく突っ込んできて、俺を追いかけてくる。
だがしかしだ。
「あ、お前らだけなら苦戦はしても困りはしない。ぶっちゃけ、今となっては数が居るウルフ種とハウンド種の方が怖い」
「「!?」」
こっちのメイン武装は竜命金272個製になった『昴』である。
機を見計らって『昴』を全力投擲すれば十分なダメージを与えられるし、接近して斬りつければそれ以上。
ムカデ種の突撃と脚の速さは通路と言う狭い場所では確かに脅威だが、避けられないほど通路は狭くないし、対処不可能なほど速いわけでもない。
ケルベロス種に至っては接近戦しか出来ないのだから、脅威になどなるはずもない。
ぶっちゃけ、全方位から絶え間なく、あるいは自身や味方の犠牲など気にもせず突っ込んでくるウルフ種とハウンド種の群れの方が怖いくらいである。
「……」
「よし、終わり」
≪生物系マテリアル:甲殻・氷結を1個回収しました≫
≪生物系マテリアル:骨・火炎を1個回収しました≫
と言うわけで本当に呆気なく戦闘終了。
俺はそのまま通路を駆けて次の部屋に到達すると、エレベーターを見つけたので、そのままフロア9へと向かった。
「「「グルルル……」」」
「……」
エレベーターが降下していく中、こちらを睨みつけるように様子を窺うブラックハウンドたちの姿がどうしてか印象に残った。
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トビィ
称号:『マレディクタス』
燃料:92/100
コア:ニンジャ
アドオン:オートコレクター
アドオン:混乱無効
アドオン:睡眠無効
アドオン:軽装行軍時燃料消費軽減
頭部:エクソシストヘッド(呪鉄・虚無):物理-魔術-外部-ブレス(特殊弾『ドレイクブレス』0):呪・被ダメージ増加:左目破損
胴体:エクソシストボディ(呪鉄・虚無):拒絶-魔術-外部-回復(特殊弾『損傷回復』0):呪・属性耐性反転
右腕:ヴァンパイアアームR(玉鋼・電撃):侵食-化学-内部-付与(特殊弾『腐食性粒子』2)
左腕:エクソシストアームL(呪鉄・虚無):魔力-魔術-境界-防御(特殊弾『シールド発生』金3、特殊弾『黄金障壁』0):呪・属性攻撃力低下
脚部:エクソシストレッグ(呪鉄・虚無):物理-物理-外部-即死(特殊弾『首刈り一閃』4):呪・攻撃力低下
武装:サーディンダート(オニキス・電撃):魔力-魔術-外部-拘束(特殊弾『睡眠』8)
武装:フググレネード(鉄・火炎):火炎-化学-外部-遮蔽(特殊弾『焼夷ガス発生』5)
武装:グレネードホルダー(鉄・火炎):侵食-化学-外部-遮蔽(特殊弾『煙幕発生』5)
武装:ヒールバンテージ(鉄):魔力-魔術-外部-回復(特殊弾『シールド回復』4)
武装:ヴァンパイアマント(鉄):侵食-魔術-境界-移動(特殊弾『影渡り』4)
武装:エンプティポット(銅):時空-物理-境界-防御(特殊弾『内外時間乖離』0):中身・レキノーリ液
武装:ピクトステッカー(オニキス・電撃):物理-物理-境界-防御(特殊弾『ダメコン・集中』5):残り8枚
武装:ポリプーロの契約武装『昴』(竜命金272):(火炎/侵食)-法則-異界-付与-『神降・火之迦具土神』
武装:簡易ラボ(岩):残数3:特殊弾未対応
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インベントリ 39/48
頭部:ヴァンパイアヘッド(フォッシル・火炎)
胴体:ヴァンパイアボディ(フォッシル・火炎)
左腕:ヴァンパイアアームL(フォッシル・火炎)
脚部:ヴァンパイアレッグ(フォッシル・火炎)
右腕:エクソシストアームR(呪鉄・虚無) 呪・燃料消費増加
武装:簡易ラボ(岩):残数3
特殊弾『腐食性粒子』 2
特殊弾『シールド発生』金 3
特殊弾『首刈り一閃』 4
特殊弾『睡眠』 8
特殊弾『焼夷ガス発生』 5
特殊弾『煙幕発生』 5
特殊弾『影渡り』 4
特殊弾『ダメコン・集中』 5
特殊弾『シールド回復』 4
鉱石系マテリアル:銅 6
鉱石系マテリアル:岩 52
生物系マテリアル:皮 52
鉱石系マテリアル:呪鉄・虚無 18
幻想系マテリアル:クオリア・氷結 37
幻想系マテリアル:エーテル・拒絶 8
幻想系マテリアル:隕鉄・拒絶 40
鉱石系マテリアル:鉄・拒絶 27
生物系マテリアル:骨・電撃 5
鉱石系マテリアル:玉鋼・電撃 2
生物系マテリアル:フォッシル・火炎 1
鉱石系マテリアル:金・浸食 137
生物系マテリアル:肉・浸食 1
生物系マテリアル:骨・拒絶 1
生物系マテリアル:肉・拒絶 1
生物系マテリアル:皮・電撃 1
生物系マテリアル:骨 1
生物系マテリアル:草・電撃 1
生物系マテリアル:肉・魔力 1
生物系マテリアル:骨・浸食 1
生物系マテリアル:肉 1
生物系マテリアル:皮・魔力 1
生物系マテリアル:皮・氷結 1
鉱石系マテリアル:玉鋼・氷結 70
(枠外)特定物質:緋炭石 340
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