表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
『Scarlet Coal』-殴り魔は自らの欲を満たす  作者: 栗木下
10:第五坑道・ネラカーン

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

535/619

535:積乱雲の目

本日は六話更新になります。

こちらは六話目です。

「まずは雷。ここは回避に専念すればいいな」

『ブン。そうですね』

 円盤が降下を始めると共に、周囲の積乱雲と円盤の間に紫電が結ばれて、雷が横方向に落ちていく。

 速さも頻度もこれまでと変わりはない。

 変わったのは雷が落ちてくる方向の予測が難しくなったぐらいだろう。


『ブブ。しかし、トビィ。だいぶ避けるのに慣れてきましたね……』

「これだけ見せられれば流石にな」

 だがそれも常に両手両足と頭を動かして周囲への警戒を密にしていれば対処できる範疇だ。

 俺は二度三度と雷が落ちてくる場所から離れ、落雷を凌いでいく。


「さて何が……」

 と、ここで積乱雲から雲の塊が放たれて、円盤の上へと向かってくる。

 これまでと同様に魔物が出てくる雲の塊……にしては大きいし、速い気がするな。

 俺は嫌な予感がしたので、雲の塊の動きから予測した進路上から離れる。

 直後、雲の塊が円盤の縁に到達し、縁から放たれた電撃で雲を剥がされて中身を露わにし……。


「っう!?」

『ブブッ!?』

 露わになった金・電撃のマテリアルタワーは俺が予測していた通りの進路を風切り音を残しつつ飛んでいき、轟音を響かせながら円盤に着弾した。

 一応言っておくが、着弾は言い間違いではない。

 着地ではない、着陸でもない、着弾としか言いようがない衝撃を周囲にバラ撒いていたので、着弾で合っている。

 たぶん、直撃していたら、普通に死んで……いや、シールドを剥がされていただろう。

 そういう一撃だった。


「はあっ……。マテリアルタワーとレコードボックスをギミックで武器にするんじゃねえよ……」

『ブブ。まったくですね』

「原理としてはとてつもない台風とかで巻き上げられたのが偶々射出されました。ってところなんだろうけどな」

『ブブ……』

 回収にはいかない。

 金・電撃のマテリアルタワーの円盤への刺さり方がいい感じに斜めになっているためなのか、大量の雷を集めていて、当たり前のように同時多発の落雷に見舞われているからだ。

 金自体、そこまで優れたマテリアルではないし、囮になってもらう方が高都合だろう。


「おっと」

 と、ここで次のマテリアルタワーが着弾。

 俺を狙ってきていたのか、数瞬前まで俺が居る場所に突き刺さっている。

 黒い宝石のマテリアルタワー……なるほど、侵食属性を強化できるオニキス・電撃のマテリアルタワーか。

 と言うわけで回収。

 素早く三連打で砕けるだけ砕く。


「次は……またマテリアルタワーか」

『ブン。そのようですね』

 オニキス・電撃のマテリアルタワーを回収したところで、次の雲の塊を発見。

 やはり俺の方へと向かってきている。

 円盤はだいぶ下降を進めていて、恐らくだが、この雲の塊が円盤の上に乗った十数秒後には次のフロアへの移動が始まるだろう。

 だからこそと言うべきか、ここで俺は一つ思いついた。


「すぅ……」

 俺は向かってくる雲の塊の軌道上にグレネードを投げておく。


『ひず……トビィ!?』

 雲の塊が円盤の縁に到達し、円盤から放たれた電撃で雲が剥がされ、緋色の柱状の物体である中身を露わにする。

 恐らくは緋炭石のマテリアルタワーだ。

 高速回転をしながらこっちに向かってきている。


「いち……」

 その緋炭石のマテリアルタワーが進路上のグレネードを破壊し、爆発。

 だが一部が砕けた程度で緋炭石のマテリアルタワーは勢いそのままに飛んでくる。


「にの……」

 そんな緋炭石のマテリアルタワーを回転方向に対して垂直に捉えるように殴打。

 シールドが半分持っていかれるが、クリーンヒットの感触はあった。


「さんっ!」

 そして、間髪入れずに拳の先から『昴』を射出。

 彼我の速度を生かした一撃によって、緋炭石のマテリアルタワーを完全粉砕した。


「よし、上手く行った」

『ブブ。上手く行ったではないと思いますよ、トビィ。今のは、緋炭石のマテリアルタワーの接触制限が三回でなければ、砕かれていたのはトビィの腕だと思います』

「あー、うん。それは確かにそうだな。流石にリスキーだったか」

 さて、周囲を見渡してみたが、もう雲の塊は来ないようだった。

 で、二度三度と雷を避けている間に、紫電が迸る頻度も落ちていく。

 どうやら終わりが来たようだ。


≪フロア7に到着しました。これよりリザルトに移行します≫

 そしてアナウンスが流れたことで、フロア6の終了が確定。

 肝心のリザルトは……。


≪生物系マテリアル:肉・電撃を7個回収しました≫

≪生物系マテリアル:骨・電撃を6個回収しました≫

≪特定物質:緋炭石を207個回収しました≫

≪鉱石系マテリアル:玉鋼・電撃を22個回収しました≫

≪宝石系マテリアル:オニキス・電撃を17個回収しました≫

≪設計図:特殊弾『ピジョンソング』を回収しました≫

≪設計図:アルバトロスボディを回収しました≫

「あ、落雷で落とされても回収できるんだな」

『ブン。そのようですね』

 中々の成果と言えそうだ。

 相応の消耗もあったが、これなら勘定としては得の側に傾いているだろう。

 なお、燃料消費については、雷避けのせいで、30以上の緋炭石を使っている。

 何と言うか、魔物よりもギミックの方が殺意の高いフロアだった。



△△△△△

トビィ

称号:『マレディクタス』

燃料:96/100

コア:ドラゴネット


アドオン:オートコレクター

アドオン:混乱無効

アドオン:睡眠無効

アドオン:軽装行軍時燃料消費軽減


頭部:エクソシストヘッド(呪鉄・虚無):物理-魔術-外部-ブレス(特殊弾『ドレイクブレス』0):呪・被ダメージ増加

胴体:エクソシストボディ(呪鉄・虚無):拒絶-魔術-外部-回復(特殊弾『損傷回復』0):呪・属性耐性反転

右腕:エクソシストアームR(呪鉄・虚無):侵食-化学-内部-付与(特殊弾『腐食性粒子』2):呪・燃料消費増加

左腕:エクソシストアームL(呪鉄・虚無):魔力-魔術-境界-防御(特殊弾『シールド発生』鉄1):呪・属性攻撃力低下

脚部:エクソシストレッグ(呪鉄・虚無):物理-物理-外部-即死(特殊弾『首刈り一閃』1):呪・攻撃力低下


武装:サーディンダート(鉄・火炎):魔力-魔術-外部-拘束(特殊弾『睡眠』3)

武装:フググレネード(鉄・火炎):火炎-化学-外部-遮蔽(特殊弾『焼夷ガス発生』3)

武装:グレネードホルダー(鉄・火炎):侵食-化学-外部-遮蔽(特殊弾『煙幕発生』4)

武装:ヒールバンテージ(鉄):魔力-魔術-外部-回復(特殊弾『シールド回復』1)

武装:ヴァンパイアマント(鉄):侵食-魔術-境界-移動(特殊弾『影渡り』2)


武装:エンプティポット(皮):時空-物理-境界-防御(特殊弾『内外時間乖離』0):中身・無し

武装:ピクトステッカー(皮):物理-物理-境界-防御(特殊弾『ダメコン・集中』1):残り10枚


武装:ポリプーロの契約武装『昴』(ダマスカス鋼83):(火炎/侵食)-法則-異界-付与-『神降・火之迦具土神』

武装:簡易ラボ(岩):残数6:特殊弾未対応

▽▽▽▽▽


△△△△△

インベントリ 28/48


頭部:ヴァンパイアヘッド(フォッシル・火炎)

胴体:ヴァンパイアボディ(フォッシル・火炎)

右腕:ヴァンパイアアームR(フォッシル・火炎)

左腕:ヴァンパイアアームL(フォッシル・火炎)

脚部:ヴァンパイアレッグ(フォッシル・火炎)


武装:簡易ラボ(岩):残数6

特殊弾『腐食性粒子』 2

特殊弾『シールド発生』鉄 1

特殊弾『睡眠』 3

特殊弾『煙幕発生』 4


特殊弾『焼夷ガス発生』 3

特殊弾『首刈り一閃』 1

特殊弾『影渡り』 2

特殊弾『ダメコン・集中』 1

特殊弾『シールド回復』 1


鉱石系マテリアル:銅 42

鉱石系マテリアル:岩 65

生物系マテリアル:皮 60

鉱石系マテリアル:呪鉄・虚無 28

宝石系マテリアル:ストレジェット・虚無 1


幻想系マテリアル:クオリア・氷結 38

幻想系マテリアル:エーテル・拒絶 22

幻想系マテリアル:隕鉄・拒絶 40

鉱石系マテリアル:鉄・拒絶 33

生物系マテリアル:肉・電撃 7


生物系マテリアル:骨・電撃 6

鉱石系マテリアル:玉鋼・電撃 22

宝石系マテリアル:オニキス・電撃 17


(枠外)特定物質:緋炭石 235

▽▽▽▽▽

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] 連続更新お疲れさまでした [一言] これは黒よりのグレー 終わりが見えてたら多少の無茶もできますからね 鳩の歌が気になって仕方ない件
[良い点] 怒涛の連続更新お疲れ様でした 別に読む側はあとからゆっくり読んでもいいのについつい急いで読まないとと思ってしまうのはさすがは強制進行エリアでした [気になる点] 金・電撃のマテリアルタワー…
[良い点] 乗り切れてよかったー [一言] うーんこのクソ開… loading lording… (検閲済み)
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ