507:蟻の巣を巡る
本日は二話更新になります。
こちらは二話目です。
「そぉい!」
「ギギィ!?」
俺のパンチでブルーアントが倒れる。
≪鉱石系マテリアル:鉄を1個回収しました≫
≪生物系マテリアル:肉を2個回収しました≫
≪生物系マテリアル:甲殻を1個回収しました≫
≪生物系マテリアル:皮を1個回収しました≫
「よし」
殲滅が済んだことでマテリアルが手に入る。
「そぅ、そぉい!」
「ザアァァイ!?」
俺のパンチでグリーンオーガが倒れる。
≪鉱石系マテリアル:青銅を2個回収しました≫
≪生物系マテリアル:肉を1個回収しました≫
≪生物系マテリアル:甲殻を3個回収しました≫
「順調順調」
『ブン。そうですね』
魔物が居なくなったことでさらにマテリアルが手に入る。
「ようやく見つけたぞマテリアルタワー!」
『ブン』
≪鉱石系マテリアル:銅を61個回収しました≫
≪特定物質:緋炭石を67個回収しました≫
ちゃんとした部屋に当たったらしく、銅と緋炭石のマテリアルタワーを発見。
どちらも3回30秒だったので、普通に回収。
「「「ギギギギギ!」」」
『トビィ! アント種の巣です!』
「みたいだな。ふんっ!」
≪生物系マテリアル:肉を12個回収しました≫
≪生物系マテリアル:甲殻を10個回収しました≫
≪設計図:アドオン『DoT軽減』を回収しました≫
アント種の巣を見つけたので、表に居るアント種を掃討した上で巣に触れる事で巣を排除する。
どれほどの数が湧いてくるかは手に入れたマテリアルの量から察していただきたい。
ちなみにアント種の巣はそう言う破壊可能なオブジェクトであって、プレイヤーや他の魔物が中に侵入することは出来ない。
「しかし、こうなってくると本当に迷路だな。通路が拡張され過ぎて、もう部屋との見分けがつかない」
『ブン。本当ですね。アント種の巣やマテリアルタワーがあれば部屋だと断言できますが、そうでなければ厳しいです』
「広がり過ぎたせいなのか、普通にエアコンやオーガが元通路の位置を歩いているもんな」
「ギギギ……」
≪鉱石系マテリアル:真鍮を1個回収しました≫
≪鉱石系マテリアル:鉄を1個回収しました≫
≪生物系マテリアル:肉を1個回収しました≫
≪生物系マテリアル:甲殻を3個回収しました≫
更に撃破。
通路を歩いていたはずなのに、グリーンバッテリー、ブルーエアコン、ブルーオーガが歩いていた。
どうやら、坑道の拡張が進み過ぎると、魔物たちの部屋の内外基準も緩むらしい。
そして、メインの通路がそれだけ拡張されているのなら、サブの通路もそれだけ網の目のように広げられることとなり、正にアリの巣のようなマップになってきている。
『トビィ。次のフロアで稼いだ方がいいのでは?』
「かもなぁ……ここまで拡張されるとマップ込みでも迷いそうだし、魔物との遭遇率も下がってくる。効率がよろしくないレベルで悪くなるよなぁ」
「クウゥゥラァァ……」
≪鉱石系マテリアル:青銅を1個回収しました≫
≪鉱石系マテリアル:鉄を1個回収しました≫
≪生物系マテリアル:甲殻を5個回収しました≫
≪設計図:フォルミックアシッドガンを回収しました≫
まだまだ撃破。
ゴーレムの燃料消費やパーツの損耗具合と言った意味では消耗はない。
が、殆どの時間がただ歩いたり、ロッククライミングをしているだけで、戦闘は極一部と言う状況では、どうしても精神的な疲労が少しずつ貯まる。
うーん、フロア2での稼ぎは潮時か。
さっき見つけたもの以外にマテリアルタワーも見つか……ああうん、あったわ。
「これはもう本格的にフロア2で稼ぐ必要はないかもな」
『ブン。ただ、皮のマテリアルタワーと岩のマテリアルタワーなので……』
「そこはまあ、数が必要な部分に回せばいい」
≪生物系マテリアル:皮を70個回収しました≫
≪鉱石系マテリアル:岩を65個回収しました≫
と言うわけで、これもさっくり回収。
数が必要になる特殊弾については、これでかなり楽を出来るようになることだろう。
『それでトビィ。次の簡易ラボは予定通りフロア4ですか?』
「ああ。何かしらの緊急事態が無ければフロア4だ。次のフロア3に降りた時点でフロア5はヴァンパイアメタで確定するが、ヴァンパイアメタメタ構成に切り替えるのは、どのマテリアルを使うかと言うことまで考えたら、出来るだけ待ちたい。簡易ラボの使用回数の都合もあるしな」
『ブン。分かりました』
では、エレベーターに向かおう。
と言うわけで、俺はこれからどうするのかを話しつつ、エレベーターがある部屋までの最短経路として坑道の壁を地道によじ登っていく。
燃料消費を考えず、魔物に襲われることを考えたらヴァンパイアマントの機能をフル活用して三角跳びでもしていくのが早いのだが、今はそういう状況ではないからな。
「とは言えだ。こんなのは捕らぬ狸の皮算用だな。例えば目の前の状況を切り抜けた後の状態次第では使わざるを得ないかもしれない」
『ブ、ブーン……かもしれませんね』
「「「バッデ、バッデ、バッデ……」」」
「ヒークー、ヒークー……」
「「「ギギギギギ……」」」
さて俺はエレベーターがある部屋まで戻ってきた。
が、俺が離れている間に魔物がリポップしたのだろう。
バッテリー種が緑1の青2、エアコン種が緑1、アント種が総数7以上で居る。
うーん、バッテリー種が特殊能力の直列繋ぎが可能だとしたら、瞬間的にグリーンエアコンが黒相当のスペック持ちになる可能性すらあるのか……。
ここの対応は間違えられないな。
『トビィ、どうしますか?』
「そうだな……」
俺はどうするかを考えつつ、ポジションを変え始めた。




