169:構成変更・越禍のマレディクタス
「さて、ゴーレムの調整だが、使うのはエクステンドアイビーとデイムビーウィングだな。改めてフレーバーテキストを出すか」
「ブン。分かりました」
俺はゴーレムの調整を開始する。
まずはエクステンドアイビーとデイムビーウィングの再確認だ。
作って、使い始めてから思っていたのと違う、なんてことになっても面倒だからな。
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エクステンドアイビー
種別:パーツ
部位:武装
対応:接続対象に依存
蔓の塊。
これ単体では意味を成さず、同一の素材で出来た蔓を模したパーツと接続する事で効果を発揮する。
≪作成には同一のマテリアルが10個必要です≫
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「ああなるほど。作成時点でパンプキンアームLを設定して、接続する事になるのか」
「ブン。エクステンドと名の付くパーツはいずれも同じような特殊な仕様になっているようです」
「他? ああ本当だ。エクステとかストックの設計図が売りに出されてるな」
エクステントアイビーを作成し、接続。
これでパンプキンアームLの蔓の量はほぼ倍になった。
余っている蔓は首や腰の防御や、地面との接触のために垂らしておけばいいので、邪魔になることはないだろう。
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デイムビーウィング
種別:パーツ
部位:武装
対応:電撃-化学-内部-移動
蜂人間の翅を模して造られたスラスター。
燃料を消費し、何かしらの力を噴出する事によって、翅の向きに応じた推進力を発生させると共に、重力の作用を一時無効化する。
使用中と使用直後は緋炭石を利用した燃料の補給が出来なくなるため、注意が必要。
≪作成には同一のマテリアルが10個、特定物質:緋炭石が50個必要です≫
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「パーツなのに緋炭石を使うとは珍しいな」
「ブン。ブブ。それだけ特殊なパーツと言う事です」
続けてデイムビーウィングを確認、作成、ゴーレムの背中にセットする。
燃料の消費がどの程度かは分からないが、これで俺のゴーレムは一時的にとは言え空を飛ぶ事が可能になったわけである。
そして、この仕様であれば、使い方次第だがケットシーテイルも不要になるはずだ。
また、恐らくだが高所からの落下の際に、着地の一瞬前に発動させて軟着陸すると言った行為も可能になるだろう。
「後は細かい調整をしてだ」
他の調整は……アドオンの片方をオートコレクターに変えておく。
ケットシーテイルを二本とも外しておく。
リザードスキンも外しておくし、特殊弾の補充もしておくか。
称号は……マレディクタスを付けるだけ付けておくか。
それなりに頭があるのなら、どういう意味かを調べて、陽泉坑道・プラヌライの奥地の危険性も察するはずだ。
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トビィ
称号:『越禍のマレディクタス』
燃料:100/100
アドオン:広域攻撃耐性
アドオン:オートコレクター
頭部:デイムビーヘッド(鉄):魔力-魔術-境界-防御(特殊弾『シールド発生』鉄4、特殊弾『シールド発生』金1)
胴体:デイムビーボディ(鉄):電撃-生物-外部-DoT(特殊弾『神経過敏(痛覚)』1)
右腕:デイムビーアームR(鉄):侵食-化学-外部-特効
左腕:パンプキンアームL(鉄):侵食-物理-内部-拘束(特殊弾『影縄縛り』3)
脚部:デイムビーレッグ(鉄):物理-化学-内部-強化
武装:ナックルダスター(鉄・火炎):電撃-化学-外部-強化
武装:シャープネイル(鉄・侵食):氷結-魔術-境界-強化
武装:グレネードホルダー(鉄):侵食-化学-外部-遮蔽(特殊弾『煙幕発生』10)
武装:サーディンダート(肉):魔力-魔術-外部-拘束(特殊弾『睡眠』10)
武装:ヒールバンテージ(鉄):魔力-魔術-外部-回復(特殊弾『シールド回復』3)
武装:デイムビーウィング(鉄):電撃-化学-内部-移動
武装:エクステンドアイビー-パンプキンアームL:侵食-物理-内部-拘束
武装:プラヌライの騎士武装『昴』(鉄・侵食250):(制限なし)-法則-異界-(制限なし)
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「これで完成だな」
「ブン。完成ですね」
調整完了。
見た目としては、左腕が異形になった上に胴体や顔近くにまで異形の浸食が進んでいるデイムビーと言った感じだろうか。
なお、『昴』はまだ俺の背中にあるケース内にあるので、ゴーレムの腰にはついていない。
「さて、それじゃあデイリーの坑道に向かうか」
「ブン。分かりました」
俺はゴーレムに憑依する。
そして意識が移り……移り終えると同時に勝手に腰に『昴』が現れた。
相変わらずの呪い具合である。
『それでトビィ。デイリーの坑道と言いますが、具体的にはどちらですか?』
「素材坑道・デイマイリの方だな」
俺は準備運動を開始。
体のバランスに問題ない事や、エクステンドアイビーが加わったパンプキンアームLの挙動、デイムビーウィングの操作確認などをしていく。
「ただ、回収する素材は変えていく」
『アレのためにですね』
「ああ、アレのためにだ」
それが終わるとエレベーターに乗って素材坑道・デイマイリに向かう。
選ぶ素材は金、鉄・火炎、鉄・侵食、岩・侵食、肉・火炎の五つ。
選んだ理由としては、前三つは常用している金属と言える状態だから。
そして後ろ二つは名前は出さないが、特殊弾『神降・火之迦具土神』作成に必要なマテリアルとして、数が必要だからである。
低レベルのマテリアルで作ればそれだけ効果も下がるのは事実ではあるが、希少なマテリアルで作るに値するだけの特殊弾かはまだ分からないので、今はこれでいいだろう。
「さて、それじゃあまずは岩・侵食のマテリアルタワーからだが……折角だし、幾つか思いついたことを試して見るか」
『ブブ。トビィ、何故かとても嫌な予感がするのですが……』
そうこうする内に素材坑道・デイマイリに到着。
では、新しい武装で出来そうな動きについて、試してみるとしよう。