130:イベント用ゴーレム構成チェック
本日は二話更新になります。
こちらは一話目です。
『ブン。さてトビィ。イベントの仕様に合わせたゴーレムにすると言っていましたが、具体的にはどうするのですか?』
「そうだなぁ……」
ラボに戻ってきた俺は早速ゴーレムの構成を弄るための画面を出す。
で、その中に一度倒されてから再び出撃出来るようになるまでの時間を示した項目があったのでチェックする。
今の俺だと……6時間と少々か。
このままだと流石に長すぎるな。
「とりあえず情報収集だな。再出撃までの時間がどうなるかの法則を確かめたい」
『ブン。分かりました』
俺は再出撃までにかかる時間について、掲示板や検証班のまとめで確認していく。
で、それをまとめるならばだ。
・事前情報通り、貴重なマテリアル、強力なマテリアルを多く使っているゴーレムほど時間は伸びる。
・貴重なマテリアルとして挙げられるのは主に金、銀、プラチナ。
・強力なマテリアルとして挙げられるのは主に鋼、チタン、ミスリル。
・逆に肉、木、骨と言った生物系マテリアルで構成すると、時間は短くなる。
と言うところか。
なお、細かい部分は武装やパーツのサイズなどによって変わってくるのだが、それでも具体的な例を挙げるのであればだ。
全身鉄製ゴーレム:6時間前後
全身鋼製ゴーレム:12時間前後
全身ミスリル製ゴーレム:24時間以上
全身金製ゴーレム:15時間前後
全身銀製ゴーレム:12時間前後
全身銅製ゴーレム:2時間前後
全身岩製ゴーレム:1時間前後
全身肉製ゴーレム:20分前後
と言う具合になってくるらしい。
つまり、全身鉄製ならイベント中は多くても3回ぐらいまでしか落ちれないし、鋼製なら1回、ミスリル製なら1度落ちたら終了という事。
金や銀は使うなら要所要所で使わないと、時間に対するペナルティが重い。
そして、死ぬ前提であれば、武器以外は肉で作って戦線復帰を容易にするというやり方は考慮するべきだろう。
「さて、こうなってくると……とりあえずイグジッターとドローン周りは外してだ」
『ブン』
「今回の俺が最初にするのは、単独での強硬偵察だからな。死に戻り前提で構築しないといけないし……こうか」
と言う訳で、まずイグジッター、ドローンネスト-ホーネット、ドローンホーネットは外す。
体については左腕以外は肉製に変更。
武装についても、グレネードホルダーとサーディンダートは肉製に変更。
ヒールバンテージは……位置を首にしておいて、防具兼用にしておくか。
「む……柔らかすぎるな」
『ブン。骨がない、ただの肉ですからね。仕方がないと思います』
構成変更完了。
俺はその場で軽く跳ねてみる。
が、肉だけで構成された体は柔らか過ぎるし、重量バランスも悪い。
バランスは俺自身が気を付ければいいが、柔らか過ぎるのは地面や壁を蹴る時に問題になるな。
「となると、外骨格が必要か。リザードスキンをコピーして合計四枚に増やしてだ。ここで金を使ったら……意味が無いよな?」
『ブン。ないどころか、岩よりも時間的に重くなってしまいますね』
「じゃあ、鱗で行くか」
と言う訳で、左腕以外に鱗製のリザードスキンを張って、外骨格の代わりにしてみた。
結果は……いい感じだな。
ちゃんと地面を蹴れるし、これまで通りに走れる。
「特殊弾は再出撃の時間に関わらないんだよな?」
『ブン。関わりません』
「じゃあ、少し増やしておくか」
特殊弾については、特殊弾『煙幕発生』と『睡眠』の数は少し増やしておく。
グレネードホルダーとサーディンダートを肉製にしたのに伴って、火力面では期待できなくなっているからだ。
他の特殊弾は……イベント開始までに適応しているのがないか、改めて探してみるか。
『ブーン。これで完成ですか?』
「いや、その前にアドオンも増やしておく。意味があるかは微妙だが、『広域攻撃耐性』をコピーして二枚に増やしておこう」
『ブン。分かりました』
最後にアドオン『広域攻撃耐性』も二枠に増やしておく。
検証班によれば、効果は重複するそうなので、これで最大20%までダメージを軽減できるようになるはずだ。
「これで完成。再出撃までにかかる時間は……1時間と少しか。強硬偵察用ならいいところだな」
『ブン。ティガもそう思います』
と言う訳で完成。
△△△△△
トビィ
称号:『越禍のキャンディデート』
燃料:100/100
アドオン:広域攻撃耐性
アドオン:広域攻撃耐性
頭部:デイムビーヘッド(肉):魔力-魔術-境界-防御(特殊弾『シールド発生』鉄4、特殊弾『シールド発生』金1)
胴体:デイムビーボディ(肉):電撃-生物-外部-DoT
右腕:デイムビーアームR(肉):侵食-化学-外部-特効
左腕:パンプキンアームL(鉄):侵食-物理-内部-拘束
脚部:デイムビーレッグ(肉):物理-化学-内部-強化
武装:ナックルダスター(鉄・火炎):電撃-化学-外部-強化
武装:シャープネイル(鉄・侵食):氷結-魔術-境界-強化
武装:グレネードホルダー(肉):侵食-化学-外部-遮蔽(特殊弾『煙幕発生』10)
武装:ケットシーテイル(粘土):氷結-生物-内部-強化
武装:ケットシーテイル(骨):氷結-生物-内部-強化
武装:サーディンダート(肉):魔力-魔術-外部-拘束(特殊弾『睡眠』10)
武装:ヒールバンテージ(鉄):魔力-魔術-外部-回復
武装:リザードスキン-頭部(鱗):火炎-生物-内部-弱体
武装:リザードスキン-胴体(鱗):火炎-生物-内部-弱体
武装:リザードスキン-右腕(鱗):火炎-生物-内部-弱体
武装:リザードスキン-脚部(鱗):火炎-生物-内部-弱体
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「しかし軽いな。体を完全に地面から離して、重力異常を受けても、そこまで急落下しない」
『ブーン。ほぼ生物系マテリアルだけで構成されている影響かもしれませんね』
「なるほどな」
パーツの素材を変えただけなので、見た目はそこまで変わっていない。
よく見れば左腕以外に鱗模様が見えているぐらいだろうか。
『ところでトビィ。強硬偵察と言っていましたが、仮に穴に入れなかった場合はどうするのですか?』
「その場合は前線が後逸させた魔物を探して狩る事になると思うぞ。俺だったらたぶん地中の相手も分かるしな」
『ブン。なるほど』
これでひとまずは準備完了。
後は一度ログアウトしてリアル側の準備を整えて、その後に適応している上に使えそうな特殊弾が手持ちにないかをチェックしておこう。