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グラニエ城祭準備①

「碧ちゃん、今年の夏はいつ頃からこっちにこれそう?」


ある春の昼下がり、リリーから突然電話がかかってきた。


「去年同様一か月の予定かな、テマソンが去年私のバッグの新作発表しなかったから今年はしろってうるさ

くいうから、今年の夏は詩集の新作は秋にずらしたのよ」


「えっ?ちょっと待って、それっていつって言ってた?」

「え~と確か八月の第二土曜日と日曜日だって言っていた気がするんだけど」


「第二~!あの子ったらもしかして忘れているんじゃないかしら、大変だわ、碧ちゃん、ごめんまた電話するわ」


そういうとすぐ電話が切れてしまった。碧華は家具調コタツの前でデザインを描きながら切れてしまった携帯電話を置いてから、碧華の目の前で座椅子のもたれながらスマホをいじっている優に向かってたずねた。


「リリーお姉様ったら何の用事でかけてきたのかなあ、ねえ優、ライフから今年の夏のこと何か聞いてない?」


「ああ~そう言えば今年、グラニエ城で十年ごとに行われる盛大なグラニエ城祭があるから今から準備が大変らしいって話してたよ」


「グラニエ城祭?テマソンったらそんな話しちっともしてこなかったのに」

「お祭りってどんなことをするのかしらね」


「ほらお金持ちの集まりでえ~となんていったかな・・・そうだ社交界のパーティーみたいなものだって言ってたよ。カウントダウンパーティーよりも盛大に行われるみたいだよ」


「何それ~、行きたくないなあ~そんなパーティー」

「ママったら」


「だってそうじゃない、噂好きのお金持の相手なんか神経すり減らすだけじゃない。それでなくても英語ばっかりの所だと疲れるのに」


「でもママ、ヴィクトリアおばあ様からのお願い断れるの?」

「はあ~自信ないな~なんて断ろうかな~ねえ優は何か予定ないの?」

「ない」

「そうよね、ママもないのよね・・・」


碧華はため息をついた。



その頃リリーはテマソンに電話をかけていた。


「ちょっとテマソン、今年の八月はグラニエ城祭があるのよ。ちゃんと予定空けときなさいよ」


〈何よ突然電話をよこしてきたと思ったら、私は行かないわよ。八月は新作発表会があるのは毎年の恒例行事なのよ〉


「何よ、九月でもいいでしょ。以前は九月にしていたじゃない。こっちの方が重要なんだから新作発表会はずらしなさいよね」


〈無理いわないでよ。もう告知しちゃってるから無理よ〉


「あなたグラニエ城祭のこと忘れていたわけじゃないでしょうね」


〈あらあなたじゃあるまいし、覚えていたわよもちろん。でも、私には関係ないでしょ。グラニエ城の次期当主は私じゃないんだもの。もちろん今回も私は欠席させてもらうわよ。ディオレス・ルイ社の新作発表会と重なってるしね〉


「何言ってるのよ、そんなこと許されるわけないでしょ」

〈あら前回は私でなかったわよ〉


「あの時はまだお父様が健在だったからでしょ。あなたまだ絶縁されていたじゃない」

〈そうだったかしら、とにかく今回も私は出席しないわよ〉


テマソンの意思が固いことが分かったリリーはしばらく無言になり言った。


「あらそう、仕方ないわね。嫌だというなら無理にとはいわないわ。でもね、碧ちゃんにはグラニエ城祭に出席してもらいますからね。新しい娘をお披露目するんだってママンが張り切っていたから碧ちゃんはあてにしないでよね」


その言葉にテマソンが食いついた。


〈なっ何言ってるのよ。碧華はダメよ、今年は碧華特集をする予定なんだから。それに碧華だってそんな見世物になんか嫌だっていうに決まってるわよ〉


「あ~らわからないじゃない。そっちこそ何言ってるのかしら、あなたが出席しないのはあなたの勝手でしょうけれど、碧ちゃんもレヴァント家の一員なんですからね。グラニエ城祭には家族で出席してもらいますからね。あなたは一人でディオレス・ルイ社の新作発表会でもなんでもすればいいわ。じゃあね」


〈まあ~何その言い方!碧華は絶対に行かせないわよ〉


「何言ってるのかしら、話にならないわ。私にはりあって勝てると思っているの?百年早いわよ!」

リリーは切るとスマホをソファーにたたきつけた。


「全く誰に似たのかしら、頑固ったらないわ」


「あら、しょうがないわよ。ジャービスの息子よ。ジャービスもそうだったわ。頑固でいったんいいだしたら絶対聞かなかったわ」


「ママン」

「でもね、私はジャービスの弱みを知っていたわ」

「あらお父様に弱みなんかあったかしら」

「あらあったわよ、リリーあなたよ」

「私?」

「そうよ、あなたよ。そして、私はテマソンの弱みも知っているわ」

「あら、それなら私も知っているわよ」


二人は顔を見合わてニヤリとした。



その数時間後、テレビ電話の前で困った顔をしてる碧華の姿があった。


「ねえお願い碧ちゃん、テマソンの会社なんか他の人間に任せればいいじゃない。グラニエ城祭は十年に一度の盛大な舞踏会なのよ、あなたに手伝ってもらいたいのよ」


〈でも…私そういうの苦手だし、正式にママンの娘ってわけでもない私がママンの娘を公言しちゃいけないんじゃないかっていつも思っているのよ。それ以外のことで私にできることがあるなら、準備のお手伝いとか裏方のお手伝いなら喜んでさせてもらうけど、舞踏会への出席は遠慮したいわ。周りも私や私の家族が出席したらいい気はしないと思うし〉


「あら、そんなことないわよ。碧ちゃんのファンは多いのよ、舞踏会の招待状を出したら、碧ちゃんも出席するのかって問い合わせがすごくあるのよ。ヨーロッパ中から集まるから。あなたがくるなら楽しみだっていう方多いのよ。そりゃあ一部の人はあなたをよく思っていない人もいるみたいだけど、あなたはもうレヴァント家の一員なのよ。血のつながりなんか関係ないわ」


「そうよ碧ちゃん、誰がなんと言おうとアトラスではあなたは私の娘よ。他人にどうこう言わせないわ。私はあなたを娘として紹介したいのよ」


〈でも~私人前に出るのは苦手だし…英語も早口でしゃべられるとまだ全然聞き取れないし〉


「そんなこと心配いらないわ。なんとかなるわよ。ねっお願い、あなたが私達のほうについてくれないと、テマソンを説得できないのよ」


〈えっ?テマソンも渋っているんですか?〉

「そうなのよ、さっきも口論になってそれっきりよ、絶対出席しないって」


〈あら、でもテマソンは出ないと駄目よね。でもどうしてかしら?カウントダウンパーティーには毎年出席するようになったのに〉


「あら、カウントダウンパーティーはどちらかといえばこの地方の地元の人間が多いでしょ。でも今回の舞踏会はヨーロッパ中の上流社会の人たちが大勢出席するのよ。テマソンそういう舞踏会って嫌いなのよ」


〈どうしてですか?〉


「あら独身貴族のテマソンに色々言い寄ってくる人間が多くいるからよ。男の四十代は結婚相手としてはまだねらい目よ。あの子ああ見えてもお金持ちだし、イケメンだしね」


〈ああ~なるほど〉


「でも今回は私どうしてもあの子にも出席してもらいたいのよ、だって次の十年後は私も元気に出席できるかわからないんだもの。ヨーロッパ中の人たちに私の子供達を自慢したいのよ。ねえお願い碧ちゃん。碧ちゃんしかいないのよ、あの子を説得できるの」


ヴィクトリアとリリーが画面越しにじっと碧華を見ている視線に碧華は大きなため息をついてしばらく家の天井を仰ぎ見た。


〈はあ…う~ん困ったわね。テマソンは出席した方がもちろんいいと思うけど、ディオレス・ルイ社の新作発表会の開催日はもう既に告知しちゃってるし〉


〈ねえママ、グラニエ城祭のイベントの一つとして新作発表会もグラニエ城ですればいいんじゃない。ディオレス・ルイ社の新作発表会に行くお客様ってお金持ちの方たちばかりでしょ。出席者って大して変わらないんじゃないかしら。ディオレス・ルイ社の新作発表会は二日間あるんだから一日目はグラニエ城でして、二日目はディオレス・ルイ社ですればいいんじゃない?準備が大変だろうけど〉


突然画面に顔を出したのは優だった。


「あら優ちゃんじゃない、元気?」


〈こんばんはヴィクトリアおばあ様、リリーおば様、私は元気ですわ〉


〈でもねえ、優、そんなことになったらそれこそ準備がパニックになるわよ。会場の設営方法も違うし、舞踏会も夜にあるんだから無理よ〉


「あらおもしろそうじゃない。そうねえ、いいアイデアだわ。そうよ、城ですればいいんじゃない。素敵素敵、私まだ新作発表会は行ったことないのよね。お祭りらしくてワクワクしちゃうわ。そうよ、庭園にステージを組み立てたらどうかしら、千人ぐらいならはいるんじゃないかしら。お客様も一日楽しんでいただけるし一石二鳥よね」


〈でもママン、そんな事をお城なんかでしちゃ駄目なんじゃないかしら〉


「あらどうして、楽しそうじゃない、当日は城の周辺でもいろんな屋台や市場がにぎやかに開催されるのよ。グラニエ城祭の余興としてするのりでいいんじゃないかしら。お祭りなんだもの。お昼間なら大丈夫よ。ねえリリー、その方がお客様も喜ぶんじゃないかしら」


「そうねえ~準備や会場の設営問題とかスタッフの確保とか問題は山積だけど、企画としては面白いわね。お祭りの余興も考えなきゃって思っていたし、前回は乗馬観戦やクリケットの試合観戦をお城の前の空き地でしたわよね」


「そうだったわね。そうだわ、ディオレス・ルイ社の新作発表会ここでするなら、あそこに展示してあるチャーリーと碧ちゃんのコラボ作品、四季だったかしら?あれ最後の月に取り掛かっているんでしょ。八月までに完成させて十二作品を一堂にこの城に展示するっていうのはどうかしら、そうだわ。碧ちゃんの絵本を大きなスクリーンに映し出して、読み聞かせ上映会なんてしたらどうかしら。私あの四季の絵本大好きなのよね。いよいよ完結でしょ。最後が楽しみで仕方ないのよね。ねえリリーいいアイデアでしょ」


「あらママン素敵、そうしましょうよ。楽しくなってきたわ。碧ちゃんお願いね」

〈ええ~それ更に大変そう~ああ~余計頭が痛くなってきたわ~駄目~私絶対無理!〉

〈もうママ、大丈夫だよ。ママならできるよ〉

〈無理~いや~〉


碧華は優にしがみつき頭を振った。


「でもママ、おばあ様もおば様ももう聞いていないみたいだよ」


そう言って既に切れているテレビ電話を指さして言った。


「もう!二人ともわがままなんだから、はあ~また嫌味言われるのかなあ~」


「ママいつも言ってるじゃん、いろんな人間がいるんだから気にしちゃ損だって。ママにだって嫌いな人たくさんいるでしょ。全員に好かれる必要ないじゃん」


「そうね・・・仕方ない諦めるか」


碧華は優をギュッともう一度抱きしめると、スマホを取り出すとリリーにメールを送信した。


〈リリーお姉様、グラニエ城祭の出席お引き受けいたします。ただ、栄治さんと栞の予定がまだ未定なので二人が帰ってきたら報告します。

テマソンの交渉は私にお任せください。それに伴って、早急にグラニエ城祭の招待予定の方々の名前のリストを送ってくださるとありがたいのだけれど、お返事お待ちしております〉


碧華が送信するとすぐにリリーから返信がきた。


〈了解よろしくね。これからチャーリー叔母様の説得に行ってくるわ〉


リリーから返事がきた一時間後、碧華のパソコンにグラニエ城祭の招待リストが送信されてきた。そしてもう一通、ディオレス・ルイ社からも新作発表会の招待客名簿が同じように送信されてきた。碧華はそれらを印刷すると、二つを照らし合わせる作業を優と共に開始した。


「なんだ、もっとたくさんいると思っていたけど半分もないんだ」


碧華はマーカーで線を引いた数を数えてため息をついた


「これだけしかないのなら強引に言っても説得力なさそうねえ」


碧華はため息をついて考えこんだ。


「どうしようかなあ…はあ~安請け合いしちゃったかなあ」


その時電話がなった。

「はい」

〈碧華、バッグの新作は進んでいるの?〉

「あらテマソンじゃない奇遇ね。私もあなたに電話しなきゃって思っていたのよ」

〈あら何かしら?もう新作のデザインできたの?〉


「まさか、まったくしてないわよ、私あなたに言わなかったかしら?考えてみるって、やるとは言ってないわよ」


〈はあ?何を言ってるのかしらこの子は、あなたの作品を楽しみにして下さっている人達が大勢いるのよ〉


「テマソン、あなた私に言っていないことがあるでしょ」

〈あらそんなのないわよ〉

「本当に?今年の八月の事よ」

〈ああ~もしかしてリリーが何か言ってきたの?〉


「ええ、ママンと一緒にね。あなた知っててどうして同じ日に開催するなんて早々に宣伝したの?わざとでしょ」


〈あなたも嫌でしょ舞踏会なんて。大丈夫よ私達が参加しなくても無事終わるわ〉


「何言ってるの、困るのはママンやリリーお姉様でしょ。あなた仮にもレヴァント家の長男でしょ。相続権は放棄しているとはいえね」


〈関係ないでしょ。大体私はああいう集まりは大嫌いなのよ〉


「何よ新作発表会だって似たようなものじゃない」


〈違うわよ、とにかくリリーにどんなお願いをされたのか知らないけど、それなら聞かないわよ〉


「まったく頑固ね、せっかくどっちも大成功する素敵な提案があるっていうのに、残念だわ。テマソン、私はあなたがグラニエ城祭に参加しないのならディオレス・ルイ社の新作発表会には私は作品を提供しないわ。じゃあね、強情っぱりさん」


〈ちょっと待ちなさいよ〉


碧華はすぐに電話を切った。こんな時は考える時間をあげるのが最善なのだ。


「さ~て、楽しくなってきたわね。どうせ断れないなら最高のお祭りにしなきゃ。どんなデザインがいいかしらね、たまにはリュック以外のバッグもいいかも、そうだ。テーマは家族にしようかな、色んな年代の家族がお揃いのバッグでお出かけっていいかも」


碧華はそうブツブツ呟くと、思いつくまま紙にバッグのデザインを始めた。どれだけ時間が過ぎただろうか車が玄関に止まる音がして気が付くともう辺りは真っ暗になっていた。


「ただいま」


玄関の鍵を開けて帰ってきたのは栄治だった。


「お帰りなさい、やばい夕食何も用意してなかったんだ」


碧華は慌てて用意しようと台所にいこうすると栄治が袋を見せた。


「弁当を買ってきたよ」

「えっ?どうして私が何も用意していないってわかったの?」


「優が電話してきたんだよ、ママが仕事に集中しているからおかずを買ってきてってね。ご飯の支度はできているみたいだよ」


「あら本当だわ、あの子ったら、優、栞、パパ帰ってきたから夕食食べよ~」


碧華が二階に向かって言うと二人の声では~いという返事が返ってきた。その後四人はお弁当を食べくつろいでいる所に家の電話がなった。


「あらテマソンだわ、どうして家の電話なんかにかけてくるのかしら?は~いテマソンどうしたの?」


〈どうしたもこうしたもないわよ、あなたの携帯は何のためにあるのよ、私が何回メールしてると思っているのよ〉


「えっごめんマナーモードにしてるから全然気づかなかったわ」


〈まったくもう、リリーから聞いたわよ。面白そうじゃない。それであなたはグラニエ城でなら新作発表会に参加してくれるのよね〉


「ええ、もちろんよ。そうだ新しいデザイン完成したわよ」

〈なんですって!もうできたの?〉

「まだ下書きの段階だから、あなたが手直ししてね。テーマは家族よ」

〈あら~見るの楽しみね〉


テマソンの態度が急に変わっていくのがわかった。


〈でも…グラニエ城祭で新作発表会だなんて、夜の舞踏会の準備もあるからパーティーホールを使うのは無理よ、何か秘策でもあるの?〉


「ない」


〈何もないノ―プランで言ったっていうの、ママンは庭園にステージを作れって言ってたけど、雨が降ることもあるんだから、雨だと庭園は無理でしょ。新たに会場を設営するとなると新作発表会に一体どれだけの予算がかかると思っているの?〉


「そんなの知らないわよ。私はただ、その方が楽しそうだって思ったんだもの。前回がどんなお祭りだったかは知らないけど、何グループかの音楽フェスみたいなのをやっても楽しそうだし、城の周りでもあれだけの敷地があるんだもの。かなりの駐車スペースもできそうじゃない。それに、駅からでも歩いて三十分ぐらいでしょ。当日すごい人でかもしれないけど、色んな露店とか呼んでフリーマーケットとかもあったら楽しそうじゃない。昼間は一般の人達が楽しんでもらって、夜はお金持ちの人たちの舞踏会をすればいいじゃない。準備や費用にどれだけの時間や人材がかかるかは知らないわよ。ただ、それができたらすごいみんな楽しめるのになって思うのよね。みんなお祭りって大好きでしょ。そうだ花火なんかもあるといいなあ」


〈莫大な費用がいるわよ〉


「そうでしょうね。夢を語っただけよ。お金なら今回限定の一般の人達でも買えるバッグを販売してもいいじゃない。そうだどうせならボンス編集長のビンズ・ボンズ商会とコラボっていうのもいいんじゃないかしら?新しい洋服とバッグのコラボよ。それをネットで購入できるようにすれば売り上げもアップじゃない。そうだわ。どうせなら、あの四季の絵本もセットで販売したらどうかしら?まだ販売はしてないでしょ。展示のみで、あれ問い合わせかなりきてるって聞いたわよ。絵本だけじゃなく、ディオレス・ルイ社の本の即売会もすればかなり売れるんじゃないかしら。いつもの毎年の展示即売会も翌日ディオレス・ルイ本社ですれば、お得意様がグラニエ城にこられない方でも買っていただけるじゃない。私はお金のことはわからないわ。できるかできないかの判断は任せるわ。できるようなら私ができる限りの手伝いをさせてもらうつもりよ。お祭りは大好きだもん」


テマソンは大きくため息をついてしばらく無言が続いた。


〈碧華には負けたわ、明日ママンとリリーに会って話しをつめてみるわ〉

「そう言ってくれると思ったわ。大好きよテマソン!じゃあよろしくね」


電話を切ったテマソンは自分がほほ笑んでいるのが分かった。碧華と出逢ってからずっとこうだ、次から次へと心の底からワクワクが押し寄せてくる感覚、テマソンは久々にきた感覚に胸が躍るようだった。


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