チャーリーの戸惑い①
いつも私の小説を読んでくださっていた読者の皆様、初めて読んでくださる読者の方
全ての皆様、私の小説に目を止めていただきありがとうございます。
さていよいよAOKAおばさんの宝物シリーズ完結編を投稿することにしました。
碧華が中心となる桜木ファミリーその後、もしよろしければ読んでいってくださいませ。
チャーリー ・レヴァントは物心ついた幼い頃からずっと自分はどうでもいい存在なのだと思っていた。何をやってもうまくいかず、父や母からも時折存在を忘れ去られるほど影が薄かった。そんなチャーリーだったが唯一味方になってくれる人物がいた。それが七歳歳が離れている姉のヴィクトリアだった。
十代で親の反発からかけ落ちをして子どもを産んだが、相手には逃げられ多額の借金を背負ってボロボロになっていた時も探し出してくれて、ずっと援助をしてくれ、両親が亡くなってグラニエ城に住むようになると、城に招き入れてくれたのだ。
「だってあなたは私の妹でしょ」
その言葉がどれほど嬉しかったか、息子が学校を卒業すると、城の管理の仕事を息子に与えてくれた。その息子ももう四十六歳になり、今は城の近くに家を借り、働き者の奥さんと可愛い娘の父だった。息子は結婚と同時に、奥さんの家の婿養子に入っていたが、出来損ないの母を見捨てることもできず、多額の借金をお姉様に毎月返してくれているようだった。
そんなチャーリーに初めて仕事依頼がきたのは五月のある日のことだった。
〈チャーリー叔母様、お願いがあるんですけど〉
電話口から聞こえてきたのは日本語だった。
「あっ、碧華・・・じゃなかった碧ちゃん?わっ私にお願いって何かしら?」
チャーリーは何を言われるのかドキドキしながら聞き返した。
〈あのですね、期限は特にないんですけど、叔母様に仕事を依頼したいんです〉
「しっ仕事?」
〈そうなんです。実は、ディオレス・ルイの店舗に私の詩集やシャリーの写真集の本を常時置く専用のスペースの壁に、シャリーが撮った湖の写真とテマソンの絵を合成して私の詩集の挿絵の色んな動物や人物たちが湖でピクニックしている絵を額に入れて飾ることになったんです。それで上の方に私の日本語の字の詩を入れて完成にしようと思っていんだけど、叔母様が私にくださった誕生日のプレゼントってあれ、造花とか押し花とかじゃなくてレカンフラワーっていう技法で乾燥させて作っている本物の花ですよね〉
「あら碧ちゃん、よく知っているわね。実はそうなの、私、今まで押し花を作っていたのだけれど、最近本で知って夢中になっちゃって最近教えられる資格も取得したのよ。でもあげたのはあなたが初めてよ」
〈えっ資格も持っているんですか?すごいですね叔母様、あれを見ていて閃いたんです。絵と写真は完成していて、後は字を書くだけなんですけど、どうも私が字を書いちゃうと何だかせっかくのいい写真と絵が台無しになる気がして、それでおば様にお願いして、シャリーの湖の写真の上に本物の花や木の葉とかを飾ったら素敵になるんじゃないかと思ったの。叔母様すごくいいセンスをしてらっしゃるから、お願いできないかと電話したんです〉
「でっでも、シャリーさんの素敵な写真が台無しにならないかしら?」
〈あら私なら全然大丈夫ですわよ。本物の花や木の葉で写真を彩るなんて素敵ですもの〉
受話器からシャリーの声が聞こえてきた。その後ですぐ碧華の声が再び聞こえてきた。
〈シャリーもこう言っているし、叔母様の時間がある時でいいんですけど。引き受けてくださいませんか?もし引き受けてくださったら、他にも閃いたこともあるので私今夜、仕事が終わってからお邪魔したいのですけど〉
〈碧華、まだ叔母様いいって言っていないわよ〉
碧華の後ろで話を聞いていたテマソンが付け加えた。
〈叔母様、無理ならそうおっしゃってくださっていいんですよ。碧華ったら自分の都合ばかり他人に押し付けるくせがあるんだから。こんな面倒な依頼本当に聞き流してくれていいんですよ。碧華ったら自分が字を書きたくないもんだから、叔母様のお花でごまかそうとしているだけなんだから〉
〈ちょっとテマソン、私はそこまで思っていないわよ。叔母様のお花のセンス素敵だったから、絶対その方が素敵な絵に仕上がるはずなんだから!〉
〈そうかもしれないけど、サイズ的にはけっこう大きいし、叔母様の都合というものもあるでしょ〉
〈ちょっと二人とも喧嘩しないの〉
しばらく電話越しに碧華とテマソンが口論しているのをなだめているシャリーの声が聞こえてきた。するとチャーリーがポツリと言った。
「私、やってみたいわ」
〈えっ?本当ですか叔母様〉
「えっええ、あっあなたたちのご希望に添えるような作品を作れるか自信はないけど・・・」
〈ありがとうございます〉
チャーリーの返答を聞いた碧華の嬉しそうな声が聞こえてきた。
〈ほっ本当にやってくださるの叔母様?〉
テマソンは信じられないというかのような驚いた声で聞いてきた。
「ええ、でももし失敗したらごめんなさいね」
〈叔母様なら大丈夫ですわよ。下地になる写真用紙は二枚予備用に用意していますから。額もこちらで買っておきましたから。ああ~叔母様が引き受けてくださって嬉しいわ。お花だけは叔母様に用意して頂かなければならないんですけど、材料費とか必要なものがあればテマソンに言ってくださいね。用意させますから。あっそれと、これ期限はありませんから。叔母様の都合のいい時に制作なさってくだいね。無理はなさらないでくださいね。もし完成したのをテマソンが気に入らなければ私がしかりつけてますから安心してくださいね〉
〈そうですわ。チャーリーおば様の作品をテマソンがいらないっていったら私が買い取らせていただきますからご安心くださいね。私、碧ちゃんにプレゼンされたおば様の作品すごく素敵だなって思ったんですもの。今度時間があったら私にも作ってくださいね〉
今度はシャリーの声が聞こえてきた。
「えっええいいわよ」
〈じゃあ叔母様、今日仕事が終わったらそちらにお邪魔してもいいかしら?〉
「ええ、なっ何時頃になるかしら?」
〈私達は仕事が六時に終わるからシャリーと七時過ぎにはつけると思いますわ〉
「じゃあ、料理長にディナーの用意をしてくれるように頼んでおくわ。一緒に食べましょうよ」
〈あら、でも悪いわ。それに車の渋滞とかあるとそれよりも遅れるかもしれないし・・・〉
「そうね・・・料理長さんも時間が遅くなると可哀そうだから、サンドイッチとスープだけでも作ってもらっておくわ。それなら時間が遅れても大丈夫でしょ。デザートもお願いしておくわ」
〈あら、料理長さんのサンドイッチやデザートは絶品なのよね。楽しみ。じゃあシャリーと私の二人分お願いします。ありがとう叔母様〉
〈ちょっと!話しが弾んでいる所水を差すようで悪いんだけど、私も行くわよ。依頼者は私なんですからね。絵だって描いたのは私だし、私を連れて行かないならあなたが持って行きたがっている絵の原画は渡さないわよ〉
電話を切ろうとしていた碧華にテマソンが怒ったように反撃してきた。
〈ええ~テマソン、叔母様に電話するまでは一緒には行かないって言っていたじゃない〉
〈あら行かないとは言ってないでしょ。叔母様はお忙しいから引き受けてくれないんじゃないかしらって言っただけよ〉
〈引き受けてくれたじゃない〉
また言い合いを初めた二人に変わってシャリーが電話口に出た。
〈おば様、この二人の事は気になさらないでくださいな。いつものことですから、じゃあ今夜は私たち三人でお邪魔することになりそうですから、ヴィクトリア様にその旨お伝えくださいませ〉
「わかったわ。そうだわ。明日もお仕事あるんでしょ?」
〈ええ〉
「じゃあ、今夜はお城に泊まって朝こっちから仕事に行けばいいわよ。お姉様には私から伝えておくわ。そうだわ、そうなるとリリーちゃんにも声をかけた方がいいかしら?」
〈あらおば様気が利きますわね。そうねリリーを誘っとかないと後からばれたらうるさいかも知れないわね。リリーには私から連絡を入れておきますわ。ではおば様今夜よろしくお願いいたします〉
「ええ、楽しみにしてるわ。碧ちゃんとテマソンによろしくね」
チャーリーはそういうと電話を切った。
シャリーも電話を切りながらまだ口論している二人の仲裁に入り、三人で行くことを伝えたと喧嘩を中断させた。
「まったく、行きたいんだったら、最初から行くって言えばいいんじゃない」
「何よ、私は忙しいのよ」
「じゃあ行かなきゃいいじゃない!」
「はいはい、二人とも、口論している暇はないわよ。今夜はグラニエ城に宿泊するんだから、準備も必要だし、定時に終われるよう仕事に集中しなきゃ。特にテマソン、あなた忙しいんでしょ」
「えっ!」
二人同士に叫んだ。そして二人が気が付くと既に電話は切れていた。
「はいはい、文句は受け付けません。決まったんですからそろそろ下に行かなきゃ。もうすぐ九時よ」
そう言って二人の肩を叩いた。
「もう、仕方ないわね。じゃあ今日は定時に終われるように気合入れるわ」
「私も頑張ろう。シャリーは今日は仕事入っているの?」
「うん、ティムと写真集の第二弾の打ち合わせよ」
「そう、じゃあお昼休憩にちょっと付き合ってくれないかしら?」
「あら何かあるの?」
「手土産にビランタンのプリン買っていこうかと思って」
「あらいい考えね、あそこは早くに行かないと売り切れてしまうものね。じゃあお昼に」
そう言ってシャリーは先に玄関へと行った。二人も慌てて準備を済ませ三人それぞれ今日の仕事場に向かった。
その日の夜八時過ぎにはグラニエ城に到着した三人は早速チャーリーと仕事の打ち合わせを始めていた。
「ねえ碧ちゃん、レカンフラワーに使うお花はなんでもいいの?」
チャーリーはテーブルの全体を覆うように広げられた大きな写真を見ながら言った。
「そうねえ・・・実際は緑の絨毯みたいだものね。叔母様におまかせしますわ。それより、私ね、閃いたんですけど、このテマソンの原画あるでしょ。最初はこの写真にこのテマソンの絵を入れ込むだけにしようかと思っていたんだけど、このテマソンの絵を何枚かコピーして切り抜いて重ね張りをしていくシャドーボックスみたいにしたらレカンフラワーとすごくマッチしていい作品になるんじゃないかしら?」
「それいいかも、でもそれって難しいんじゃないの?細かい作業でしょ、このテマソンの絵を切り抜くだけでも一仕事じゃない?」
「そうなのよね。私も作ったことないからやり方から勉強しなきゃいけないんだけど」
シャリーと碧華が考え込んでいると、シャリーがおもむろに立ち上がって隣の部屋に行くと一つの額を持ってきた。それは二十センチぐらいの大きさの額だったが、そこには絵本の動物の絵を切り制作されたまさしく碧華が提案したシャドーボックスそのものだった。
「叔母様これよこれ、これどうされたんですか?」
「私が昔作ったものよ。雑誌の切り抜きで作ったものだから誰にも見せられないものだけどこんなのでよかったら材料もあるし、私が作りましょうか?」
「ええ~すごい叔母様!」
「そうね~確かにすごいわ。でも、これだけの物を一人で仕上げるとなるとかなりの大作になりそうだわ。叔母様、時間はどれだけかかってもかまいませんからぜひお願いできないかしら。もちろん製作費を含めきちんと報酬は支払いますわ」
最初は遠慮していたテマソンもチャーリーの作品を見た瞬間、手のひらを返したように乗り気になったようだった。
「あら、お金なんかいいわ。材料費は全部お姉様がだしてくれるっていうから。それにこんな楽しそうなことさせてもらえるんだから」
チャーリーは姉以外見せたことのない自分の作品が褒められててれくさそうにしながら言った。
「あら、そうはいかないわ」
「そうよ叔母様、私だって仕事をしたらしっかりテマソンから報酬を受けとっているわよ。親しき中にもビジネスありよ」
「でも・・・きちんとできる自信ないし」
「じゃあ叔母様、出来上がってからテマソンに改めて報酬を決めてもらうっていうのはどうかしら。テマソンがそれを気に入って店に飾りたいって言えばそれなりの報酬を支払ってもらうようにするっていうのはどうですか」
「それならいいわ」
チャーリーは碧華の提案に嬉しそうに頷いた。するとテマソンが碧華に向かって言った。
「それはそうと、あなたの字はどこに書き入れるの碧華」
「えっ?」
「えっじゃないわよ。これはこれですごくいいんだけど、私は最初からあなたの字で詩を書き込んでって言っているでしょ」
「えええ~まだそんなこと言ってるの。忘れなさいよ。私の字なんか書き入れない方が絶対いい作品になるに決まってるんだから」
「もしかして・・・自分が描きたくないから叔母様に依頼しようって提案したの?」
テマソンは碧華をじっと見ながら聞き返した。
「なっ何言っているのよ。そんなわけないでしょ。私はいい作品になるかなって思って提案しているだけよ。とっとにかくこの作品には私は字は書かないわよ、その方が絵の全体の雰囲気を損なわない最高の作品になるんだから」
「いいえ、碧華の詩が入らないと意味ないのよ。どこかに小さくでいいから書きなさいよ」
二人がまたにらみ合いを始めたのでチャーリーはどうしたらいいのかオロオロしだした。
「じゃあ、私の閃いた提案を聞いてみる気はないかしら?また私を待たないでおもしろそうな内緒話をしている皆さん」
突然、扉が開いて立っていたのは腕を前に組んでいるリリーとその後ろにはヴィクトリアもいた。
「あらリリー、あなたも来たの?あなたには関係ない事でしょ」
テマソンが言うと、リリーはキッとテマソンを睨みつけながら言った。
「あらそんなこと言っていいの?素敵な考えを教えてあげようと思ったんだけど。ママン、私達は邪魔ですって、ケーキは向こうで食べましょう」
「あら残念だわ。私も仲間に入りたかったのに」
ヴィクトリアはリリーの肩から顔を出して残念そうに言った。その言葉を聞いた碧華が食いついた。
「ケーキ?私食べたい。私はお姉様の提案をぜひ聞きたいわ、ケーキを食べながら教えてください」
そう言って碧華は立ち上がると、リリーとヴィクトリアにかけ寄り、テマソンに向かって舌をだして二人を招き入れた。
「ちょっと碧華、あなたまた勝手にそんなこと」
テマソンが抗議しようとしたが既に誰も聞き入れようとはしなかった。リリーとヴィクトリアは嬉しそうにチャーリーの部屋に入ると、テマソンを押しのけて、空いている椅子に腰かけた。
「でっリリーちゃん、あなたはどんな風にしたらいいと思う?」
チャーリーは椅子を隣の部屋からもう一つ運んでくると、テマソンにも差し出しながらたずねた。
「そうね、私ならその絵のタイトルを四季ってタイトルにして、湖の一年間の様子を何パターン化に分けて作ればいいじゃないかと思うわ。大きさをもう少し小さいサイズにして、花も季節に合わせて厳選して、テマソンの出てくる絵も全員じゃなくてそれぞれの季節に合わせて別のキャラクターを分散させて作ればいいのよ。そしたら、季節ごとに絵が変わってお店に来るお客様も飽きないでしょ。毎月一作品を作るとなると叔母様が大変でしょうけれど、その絵をイメージしたミニ絵本を別に作成して最終的に一年後四季ってタイトルのボックスの絵本としてセットで売り出せばまた売れるんじゃないかしら。毎回、物語が違えばその絵にどんな物語が隠れているのかしらって見に来るお客が増えるかもしれないじゃない」
リリーの提案を聞いて目を輝かせながら碧華は目の前の写真を見ながら叫んだ。
「さすがお姉様。素敵!絵本かあいいなあ。私作ってみたい。テマソン一ページじゃなくて毎月一冊ずつ作りましょうよ。短い絵本ならそんなに時間はかからないでしょ。私絵は描けないけど、話しなら考えるから、一つの絵にこんな物語があるのかって見ながら絵をのぞき込むって素敵じゃない。ねえシャリー」
「ええ素敵!私も頑張って毎月湖の写真撮るわ。忙しくなりそうね」
「そうね、たっ大変だわ。一年がかりの大作だわ。一人でできるかしら」
「あら、私も手伝うわよ、切るぐらいなら私もできるから、それに城のみんなも手伝ってくれるわよ。あなたが指揮官よチャーリー」
「わっ私にできるかしら」
戸惑っているチャーリーに後ろで大人しく聞いていたテマソンがチャーリーに近づきチャリーの手を握ると跪いて言った。
「叔母様ならできますわ。きっと完成すればすごい話題になること間違いなしだわ。お願いします。我がディオレス・ルイ社の為に四季十二作品制作して頂けないでしょうか?」
「テマソン、そういうあなたはできるの?絵本ということは絵がメインなのよ。あなた自分の仕事をしながらなのよ。それに詩集の発売日もあるし」
「あら大丈夫よ、今までだって詩集の絵は私が描いていたんだもの。碧華が早く物語の構成を考えてくれれば全然問題ないわ」
「そうね・・・でもいつから始めるかが問題よね。八月中はバッグの新作発表会と詩集の新作発売予定が重なっているでしょ。それも全くできていないし」
「うーん毎月はきついかも・・・」
「そうね確かに毎月は無理ね。目標は毎月としても期日を決めてしまっては叔母様が大変になるから、完成次第でいいんじゃないかしら?季節の移り変わりを描いてもいいんじゃないかしら、シャリーの写真の変化を感じられた写真が撮れ次第次の作品に取りかかるってことでどうかしら?碧華が絵本や詩集に専念したいんだったらしばらくはバッグの方は休んでもいいわよ」
「えっ?」
「だってあなたのバッグを楽しみにしている顧客よりもあなたの詩集を待っているファンの方が百倍多いんだもの」
「そうね・・・新作私も楽しみにしているのよ」
「仕方ない!今年はAOKA・SKYは詩人と絵本作家デビューで頑張るか!テマソン、忙しくなるけど本当に大丈夫?」
「問題ないわ。最近はデザインはほぼ任せるようにしているから社長業に専念できるなら時間は十分とれるわ」
「そうよね、最近デザイン科のみんな腕を上げてきたわよね」
「あら、テマソン、デザイナー廃業なの?」
「何を言っているのかしら?私が本気になったらすごいバッグが目白押しよ、だけど、色んなデザインがあってもいいでしょ。根本的なコンセプトが変わらなければね。でもね、最近、本の売り上げもすごいのよ。碧華の本はもちろん、その他の本もね、さすがボンズが編集長だけのことはあるわね」
「確かに、ボンズさんってすごい才能ですよね。迷った時は的確にアドバイスしてくれるもの」
「そうそう最近ティムさんも大活躍よ。編集の才能もあるけど、写真の技術もすごいのよ、パソコンにもすごい詳しいの写真の加工も頼めばすぐやってくれるし、ディオレス・ルイ社は優秀な人材の宝庫ですよね」
シャリーが言うと碧華も頷いていた。
「あら当たり前じゃない、天才の私が代表なのよ、優秀な人材が集まって当然じゃない」
テマソンも新しいプロジェクトに意欲満々のようだった。
「じゃあ、そうしましょうか?叔母様それなら大丈夫かしら?」
「そうねえ、それならいいわ。早くできれば毎月だって作れるってことだものね。何だか今から楽しみだわ」