第3話 ティカ補佐官とスケコマース宰相補佐官
領主館の、謁見の間・・・
そこで、一行を迎えたのは、ローブを着た活発そうな黒猫系の少女と、メガネをかけた長髪でアメリカンショートヘア系の男性だった。
「ちょっと!
あなたですか!?
勝手に「押し掛け女房」で入ってきた、私の「亭主」をかすめ取ろうという「泥棒犬」は!?」
少女は、エルナ姫に噛みつかんばかりだった。
「わ・・・
私は、「狼」です!」
猛然と、言い返すエルナ姫。
「ファルティア大公補佐官・ティカです。」
「おお!
麗しき姫君ですな・・・!」
長髪メガネの口許によだれが・・・
バキッ!
「油断も隙もない!
宰相補佐官スケコマース・エラル!
あなたは、奥さんが三人もいるのにまだ足りないのですか!?」
「だ・・・
だからって、「股間」に鉄拳を打ち込むのは・・・
うぐぐ・・・」
すちゃっと、ティカは右拳を見せる。
「オリハルコンのフィストガード・・・!」
その一連のなりゆきを見ていた、ベルギリウス二世の従者たちは震えだす。
「・・・
彼らの本心が、「融和」でよかった・・・」
「まったくだ・・・」
「女性でさえ、あんなに強いのか・・・」
それを見ていたファルティアは、パンパンと手を叩く。
「びびらせてどうする。
直ちに「評議会」を招集!
スケコマース・・・
復活したら、すぐに頼むよ!」
「うぐぐ・・・
大公殿下、容赦がない・・・」
実は、スケコマースは、初代エラルの生き写しと呼ばれる男です。