第1話 辺境都ファルティア1
「こちらへどうぞ。」
ファルティアは、ベルギリウス二世一行を、会談の会場の付近に停車した大型の車両に案内した。
「こ・・・
これは・・・!?」
ベルギリウス二世は、驚愕していた。
「馬車・・・!?
しかし、馬がいませんわ!」
着飾ったエルナ姫が、目を白黒させる。
「要人用バスです。」
黒塗りである。
「黒いバスにゃ。」
ファルティアの家臣・ミハイル・ミケランジェロが言った。
「ミハイル卿・・・?」
「ミサイルって呼ばれるにゃ。」
バスに乗員が乗り込むと、ファルティアが運転席に腰を降ろす。
「って・・・
「王」が、御者のようなことをするのですか!?」
エルナが、驚いている。
「はあッ!」
ファルティアの身体から、炎のような光がほとばしった。
「これは!?」
ベルギリウス二世は、またも驚く。
「神波動にゃ。
戦う力や、機械を動かす力になるにゃ。
これで、バスが走るにゃ。」
ミハイルは、エルナを見る。
「う~ん・・・
とにかく、「辺境都ファルティア」に連絡を入れるにゃ。」
懐から、板のようなものを出す。
「あ。
もしもし。
ティカ閣下?
大至急、今日の会談で決まったことがあるにゃ。
え?
領主館までの大通りのアスファルト舗装は、終わってる?
仕事が、早いにゃ!」
ファルティアの運転で、バスは一本道を進んでいく。
「なんと・・・
風のように・・・!」
「こ・・・
怖いですわ・・・」
「こんなので驚いちゃだめにゃ。」
やがて城門が、見えてくる。
そこには、巨大な塔のような・・・
城のような物体が、そそり立っていた。
「僕の船・「強襲揚陸艦ミリアリア級四番艦ファルティアです。」
「あれが、「船」・・・!?」
「なんという連中と戦っていたのだ、我々は!」
王の護衛連中が、騒ぎだす。
重度のカルチャーショックです。