プロローグ
その日・・・
大陸の僻地に、宇宙船の船団が降り立った。
その中核艦は、「巨人」の姿だった。
訝しげに思った、「人狼」の国「アルティリア」は、次々と軍隊を送り込んだが、たった一人のローブを着た人猫の少年に、撃退されていた。
「つ・・・
強い・・・
これだけで・・・
まったく魔法も使わず・・・」
累々と倒れている、人狼の兵たち・・・
騎士らしき男が、うめいた。
「まったく・・・
相手が、一人なのに話をしようとしないのか⁉︎」
少年は、ためいきをついた。
「は・・・
話だと⁉︎」
「そうだ。
僕は、この奥の「ファルティリア」の開拓団の長ファルティリア・キティルハルムだ。
あなたたちの王に、話がある。」
アルティリアの王は、びくびくしていた。
なにせ、相手は「正当防衛」しかも、最初から交渉を求めていたという。
しかし、自分のほうはどうだ?
何度も兵を送り込んでは、「返り討ち」しかも死者はいない。
ファルテリアは、数人の従者を引き連れて、会談の場所・・・
アルティリアの王宮の広間に入った。
「最初に、奏上します。
我が一族は、「国家交渉」を求めるとき、「最高権力者」やそれに次ぐ者を使者に出します。
他星から、突然入植した我らは、小手先の使者では不足と考え、「大公待遇王子」である私・・・
ファルティア・キティルハルムが、いくども交渉を持ちかけようと試みました。」
アルティリア王・ベルギリウス二世は、驚愕していた。
「・・・
では・・・
降伏・併合の証として・・・
王太子資格の次期女王・・・
エルナを貴君に・・・」
すると、ファルティアの閣僚たちが騒ぎ始めた。
「困ったにゃ・・・
殿下には、もう補佐官・・・
つまり、「正妃」が内定しているにゃ・・・」
「うむ・・・」
「そうだな・・・」
ファルティアは、少し考える・・・
「では、こういうのはどうでしょう?」