鳳凰族との出会い1
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俺は森の中に転移した。
清々しい風と光に満ちていた。
「さて、ここからどうしようか……。まずは、神器の使いこなしと、職業能力を向上させるかな」
職業は、ランクによる固有能力と、職業を極めることにより発現する汎用能力がある。人の才能によって、どこまで発現するかは分からない。
歩きつつ、自分自身の情報を整理した。
名前:ゼノ=クラウン
年齢:34歳
職業:アイテム士【マテリアルマエストロ】Lv1
能力:【使用】:アイテムの効果のみを対象に与える。
【本質】:アイテムに隠れた効果を発現させる。固有ランク特性。
【陣術】:空間戦術。プラーナの消費量により効果範囲拡大。
【英雄光臨】:魔導生物の作成。
[トネリコの枝]神器:武器スキル[枝]の【使用】が可能。
[生命の腕輪]オートフルキュア:マナにより身体及びプラーナの壁の補強。
アルティメットコア:回復量により、能力が増加する。【隠し効果】
[黄金の右腕]アーティファクトクラフト:アイテムを魔道具化する。
Ω(オメガ)フォーム:腕の形状を使用アイテム(非消費アイテム)に変質され
て、効果を100%増加させる。【隠し効果】
[白銀の足]ハイラビット:移動速度を増加させる。
移動適正:水陸空の移動に適した形状へ変化。【隠し効果】
[先導者の左腕]智将の軍配:印を作ることにより【陣術】を発現する。
滅神の軍旗:敵の抵抗値をすべて無力化する。【隠し効果】
[デウカリオンの瞳]神の子の瞳:光情報以外を見る。
ピュラの願い:【英雄光臨】魔導生物を作る。【隠し効果】
[ゼノの仮面]ペルソナ・α:能力を強化。使用中は膨大なマナを使用。
ペルソナ・β:感知した戦術・魔術の術式を再現。【隠し効果】
7つの神器が非常に強いな。
俺は、改めてアイテム士のLv上げにまい進することにした。レベルアップには、能力の使用回数やその質が問われる。質でいえば、神器を扱うのだから、その点は問題ない。あとは、その回数を稼ぐのみだ。
「先だっては、町でも探さないといけないな」
俺は、森を抜けることに努めた。
森は木々もまばらであり、意外に見通しがよかった。
所々に、魔物らしいマナの塊が見えて、とりあえず【枝】を使用して駆逐した。
攻撃力は相変わらず弱く、ただ射程がそれなりにあった。
小さな魔石を拾う。
「こんな物でも、役に立ってくれるだろうか?」
小さな魔石のそばに、ドロップアイテムだろうか[エメラルドセイバー]が落ちていた。
[エメラルドセイバー]:武器に翡翠属性を1段階付与する。効果1分。
:属性効果1段階増加【隠し効果】
緑色の掌サイズの剣をモチーフにしたそれは、消費アイテムとして重宝されている。翡翠属性は、対象からマナを奪う効果がある。
「攻撃すればするほど、マナが蓄積される永久武器でも作ってみるか」
俺は冗談交じりに笑いながら、神器を駆使すれば不可能ではないことが、わかっていた。ただ、そのお楽しみは後ほどに取っておこう。
森を抜けるまでには、数日かかっただろうか。抜け切るまでに、小型の魔石を100個ほど、手に入れた。
森から抜けたところには、広い平原が続いており、大きく塀が築かれている場所があった。その場所まで、1時間前後でつくだろう。俺は、眼を駆使し、熱源が数か所あることを感知していた。人がいるのだろう。