表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/26

試練4

――


「起きたか。それではまた始めるぞ。私の攻撃を一回でもかわしたら。褒美とこの部屋から出ていいぞ」


 そう言って、俺に手刃を浴びせる。胴体の半分が切り裂かれた。まさに刀である。


「ぶごふぇあぁ!」


 俺は、再び地面に這いつくばった。


 マナのすべてを使い俺は、死地から、また這い上がるのだ。


「うむ。さらに強くなった。どういう仕組みかわからないが、闘い甲斐(がい)がありそうだな。一ついう、お主、目がないから、当てられないと思うな」


 そして、膝蹴りで、再び腹から背中にかけて炸裂させた。


 この状況が、この後10回以上続いた。


「すでに眼がないお主だ。見るな、感じよ。プラーナとマナを感じるのだ」


 再び、回し蹴りが飛んできた。今度は、俺も殺気のようなものを感じて、横によけた。


 しかし、蹴りはかすり、その風圧だけで、プラーナの壁は崩壊し、肉が半分持っていかれた。


「うむ。良いぞ、それだ」


 俺は、痛む体に鞭をうち、殺気の漂うほうを、蹴上げた。


「ほう、手が出せるではないか」


(てのひら)が、俺の脇腹に触れると、内蔵を一式ぶちまけた。


「か……は……」


 俺は、再び倒れた。


 それから、同じようなやり取りを、何百回と繰り返した。以前として、プラーナの壁は一撃で破られる。しかし、数度の攻防を繰り返すことができるまでになった。


「ゼノ、脇が甘いぞ!」


「はい!師匠!」


 俺は、師匠との闘いの中で、『間』の大切さを学んだ。


 いくら強力な攻撃でも、当たらなければ、どうということは無い。


 すでに、プラーナとマナの気配を感じることはできるようになった。


 プラーナは、人の形をしている。マナは、ぼやけた霧のようだが、魔術などを繰り出すと、収束する。


 プラーナで人の動きをとらえ、マナの動きで攻撃のタイミングなどを計る。


 師匠についても、こちらの動きが見えているので、なかなか攻撃は当たらない。


[トネリコの枝]を駆使して、投擲槍(木の槍)を、発射しつつ、隙を作るように努めてはいるが、難しい。


 圧倒的にセンスが違う。


 痛みや恐怖はあるが、俺は師匠との闘いの時間を、楽しいと思えるようになった。それは、師匠も同じ思いだと感じた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ