なぜこれなのか
なぜこれなのか
ワールドクエストは終わったものの、後片付けがあったようで、ようやく広場に人が集まりだした様子。
まぁ…あの映像みたら餅をムチのようにしてたから、あちこちべたべたになってたんじゃなかろうか…?
とりあえず生産部屋から出て広場に向かうと、目立つ集団
目立つよねぇ…エヌさん
「丁度良かったか?」
『量がえぐい』
なんだ丁度いいって、とツインズとうんざり顔を隠さず披露しておく。
あ、ナイスタイミングってことか?
手伝うから!と魔法騎士団が慌てたので、みなさんに、大鍋にあんこをうつしてゆっくり温めるよう指示。
焦げるからね。適度に混ぜてね。
寒いからやっぱり温かいのがいいだろうからね。
餅は柔らかいのでそのままでもいい気がする。
焼いても美味いけどさ。
広場にドンドンドーンと大鍋。
あと配膳?配給?はお任せ。
ぶっちゃけ試食とあんぱんで満足度はばっちりよ。
住民もプレイヤーも関係なくみんなニコニコ食べてるの見ると、そりゃあもうこっちも笑顔になるけどさ…?
ぼやーと眺めてる先
あ、なんか犬っぽい人…
…いやまてまて、あれ社長でしょ
「ええと…そこの犬版シャーロック・ホームズさん」
まさか社長とも呼べず、新さんとも呼んでいいのかわからず、見た目で呼ぶ。
ん?て顔のあと、全開の笑顔。
眩しすぎぃ…
「やぁやぁ、善哉めちゃくちゃ美味しいよ!」
「それは何よりです…ええと、」
「…あ、ホームズでいいよ!あとワトソンね!」
ホームズさんの後ろにはいつの間にやらワトソンさん。
やっぱりニコイチなんだな、ここ。
ツインズも紹介すると、まるで憧れの人にようやく会えたような顔。
伝わる?あの、涙目でキラキラして、めっちゃ笑顔というか…。
ツインズもまさかそんな感じになるとは思わなかったようで、戸惑い気味。
そりゃあそうか。ツインズからしたらゲーム作った会社の偉い人なんだから…。
「ホームズ…」
「いやだってなるでしょ!?なるよね!?俺このために食材に関してはめちゃくちゃ拘ってたんだから!!!!」
戸惑い気味のツインズを察したワトソン(秘書)さんが呆れ顔で声をかけるも、返ってきた言葉は、そうなの?え?そうなの?大丈夫?というね。
たぶんホームズ(社長)さんはグルメなんだな…。
「イロハ、あのでかいヤツがドロップしたものだが、」
え?餅じゃないの?とエヌさんをみたら、袋をまた積んでくねぇ…
ひとつ開けてみたら白い…これ…
「これ…こめこうじ」
「せいかーい」
ぐるんと後ろを見たらホームズさん
米麹があるなら米もある…いやその前になんでこれをドロップにした????
「いやぁー、何にしようか悩んだんだけど」
これがあると食事が最終的にまた捗るよね!と
サムズアップまでいただきました。
そうね…?
とりあえず味噌はできるはず?
なんというか、そこ?ていうところを選んでくるなぁ…
とりあえず美味しいものができるらしいと認識した魔法騎士団の面々。
「保存しときますね、いつでも取りに来てください!」
希望者は1袋もらってる人もいるようだが、他は魔法騎士団に寄付?したらしい。
まぁね?使い所わからないとそうなるよね?
冒険したい人は米麹だー!味噌作るぞー!!とはならないもんね。
餅は焼けば食べられるってことで確保してる人もいるようだけど、それ以外はみんな戦うぞー!ポイントゲットだぜー!らしい。
ポイント交換の対象は、ポーション関連から有限異空間収納のミニバッグまで。
手のひらサイズの極小カバンに60Lぐらいの収納。
どんなもんだ?と思ったけど、大きめのリュック2つ分くらい入るとなれば、そりゃあ便利だわ。
リアルで手のひらサイズだとそれはコインケースよ。
ただかなりのポイント数が必要だけど。
ギルドでポイントまとめて購入ってのも出来るらしく、そうなると手が届く範囲になると。
「ああー、みんな楽しんでくれてるみたいでよかった!」
満足そうなホームズさんですが、あ!と顔をしたプレイヤーらしき人に囲まれ回収されていきました。
ワトソンさんを見たら、ため息の後小さく、うちの社員ですのでお気になさらず、とあとを追いかけていったので、きっと大丈夫なのでしょう…うん。




