もちだー!
「エヌさーん」
「お?なんだ?機織り機か?」
薬爺もいて丁度いい。
台所お借りしてパパっと餅を茹でます。
寒いからね、まずはおぜんざい!
縁起いいからね。善哉。よきかな。
「ほお、いい匂いだね」
「ふふ、縁起物です。よく噛んで食べてくださいね」
ではご一緒に。
『いただきます!』
「……んー!餅おいし!つきたて感あるー!」
「こりゃあいいな、温まるし何より甘くて美味い」
『最高』
「もちもち美味いのお!」
優しい甘さ〜。最高です。
そしてなにより、太らないのがいい。
空腹ゲージなくても食べたい。
さぁ、これを持ち運べるようにしていきたいと思います。
まずは、あんこは包んでしまいましょう。まるっとね。
持ち運べる餅の少なさよ…。
安倍川もちとかしたかった!
ただね、大豆はあるのでね…!いつか作るよ!
きなこもできるなぁとは思ったんだけどね。また今度。
餅専用のサコッシュ用意しようかしら?
「これはあのよくわからんモンスターからでたのか?」
確かにあれはこの世界に馴染まない存在だよねぇ。
この季節に一定の期間だけ現れていたらしい。
そりゃよくわからんわね。
「そうですよ~」
「そうか…。なら、やるしかないな」
『お?』
師匠がやる気だ。
めっちゃやる気に満ち溢れている。
なんか…あ、ツバメ飛ばした。
魔法騎士団総出でやるつもりだ…!!
「ちょっと行ってくる」
「まぁないと思うが気をつけるんじゃよ」
行っちゃったよ…。
すごいやる気をみなぎらせて行ったなぁ。
まぁ、いいか。
さて、そういえば、ポイント?とかどうなっているのかと思ったら、ギルドで確認交換ができるらしい。
ならば行きますか~と、あんころ餅を薬爺に渡して向かうことに。
空には今から向かうのか魔法騎士団の方々。
がんばれ~。
…いや、あんこ大量に仕込む必要性がでたかな、これ。
「あら、イロハさん」
「アールさん、こんにちは」
少し忙しそうなアールさんに挨拶をして、餅ポイントのところで確認。
まぁそんなにだね。
そこまで狩ってないし。なんかすごい人はただひたすらに作業のように狩っているのだとか。
餅が目的なのか、ポイント交換が目的なのか…。
交換できるのは、どうやらいろいろあるようで、期間限定の服?とか、素材。
服?と思ってみてみたら、鏡餅の着ぐるみとか、着物とか。
おー、きれいな着物。振袖とかある。
しかし戦闘にはとても不向きでは…?
あ、袴もある。けど不向きだろうなぁ。
いやかっこいいだろうけどね!?
…袴で魔法使い…?
何を目指しているのか?もはや巫女さんとかになるのでは?神職的な?
「おや!」
「あ、百科事典さん」
声に振り返ればよく会う人。
珍しいものがあるかもしれないということで、頑張ってポイントを貯めているのだとか。
調べなきゃいけないもんねぇ。
「あ、そうだ。百科事典さん、しょう油とかここありますかね?」
「それは今のところみつかっていないね!」
「そうですか~、じゃあお米とかも?」
「噂では島国に行けばあるのではないか?と言われているよ」
へぇ、島国。
日本も島国だからねぇ。そうなるとかなり進めないといけないかなぁ。
お米あればかなり食の幅が広がるんだけどなぁ。
まぁ困ったときは図書館ですよ。
「何かわかれば情報をお伝えしよう!」
「お願いしますね、あ、じゃあ情報料前払いで。はい、あんころもち」
「…いいのかい!?あぁ!うれしい!大切に食べるよ!!」
ぶんぶんと手を振って出て行った百科事典さん。
冗談のつもりが…。ツインズの顔を確認したらうん、と頷かれたのでまぁいいのか、な?
とりあえず図書館行って地図みようかな。
でも念の為……
「アールさん、地図ってあります?」
「ありますよ、ここら辺のですか?もっと広い範囲ですか?」
「可能な限り広いやつで」
どうぞと手渡されたので一応金額を聞いてみると、無料配布なのだとか。
知らなかった!!そんなものがあったの!!
がさごそと広げて現在地を教えてもらう。
「ここが、いまいる場所ですね」
「ありがとうございます、じゃあ隣の……」
「ここですね」
ふむ。
なんとなしにわかった。
世界は広いんですね!!
まだまだ遊べそうだなぁ。
「ちなみに、まだこの地図は完成してなくて、分からないところも多いんです」
「へー!」
「そのうち解明されていくかもしれませんね」
あー、まだ作られていない場所?かな?
そのうち誰かがね、開拓するでしょう。うん。
うんうんとツインズと頷いてたら何やらドタバタ。
「大変だ!!よくわかんねぇでけぇモンスターがでたぞ!!!」
『ん?』
――ワールドクエスト メタモルフォーゼしたお正月モンスターを討伐せよ――
『んん?』
「め、メタモルフォーゼ……?」