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Different world  作者: なつこっこ。
81/110

空の旅



スピードに反して、ふわっと優しく着地したけど……。



「ぁ、ぁ、エヌ団長」


「おーまーえーはー!」



急に始まった説教。

あ、やっぱりこんな時は正座なんだなぁ……。

しかし団長呼びされてるけど、退団しててもって考えたらすごいよね。


さて、説教の内容を聞こえる範囲で理解すると……。

どうやら昔からの知り合い?らしい。

そして名前はアークさん。

アーク!と叫ばれて返事してたので、もしかしたらあだ名?的なものかもしれないけど。

いやー、がっつりシスターですよって言うスタイルで正座して師匠に説教されてるの、なんかコントかな?てぐらい目立つわ。



「わかったか!?」


「はぃいいいっ!!」



お、終わったかな?

そもそもなんで連れてこられたのかしら?くらいのノリなんだけど。

ちょっと気まづいんだけど。



「はー……イロハ」


「ぅぇっはい、」


「月イチでいいから、ミードをこの教会に売ってくれるか」


「へ?あ、はい。何本ほど?」


「1本でいいが、できるなら2本だと安心だな」


「了解です、月初めにお渡しでいいですかね?」



何かと思ったら。

ミードは水妖さんへのお供えとして最適だが、手に入らない時は魔力を補給出来ればとりあえず大丈夫、ということで、シスターが魔力を提供する手筈だったらしい。

が、うっかりしたシスターはそのどちらも忘れてたと。

そうなると水妖さんは魔力がなくなり井戸は枯れ果て……

やばいと思って慌ててギルドに依頼を出して、そもそも水妖さんまだいる?他になにか住み着いてない?と確認してもらおうと思ったのだとか。


……このシスター大丈夫かな?



「ぅ、ぅ、すみません……最近シスターになったばかりで……」


「コイツ……アークは数年前まで魔法騎士団に所属していたんだ」



あぁー、どうりで。

昔からのお知り合いならあぁなりますよねぇ。

それが、怪我が原因で魔法騎士団を続けるのはちょっとしんどいかな、という事になり、でも人のために働きたいという気持ちからシスターになったと。

元より神に仕えていた先輩シスターはご高齢もあってお亡くなりになり、業務のほとんどを引き継いだものの、うっかりな性格でたまにやらかしていると。



「昔からやらかしてたからな」



昔は魔法騎士団全体でフォローしていて、今は教会に附属している孤児院にいるしっかり者がフォローしてくれているらしい。

井戸水は定期的に確認作業をしていたらしいが、日常的に使う水は水道もあり、うっかりが発動。

しっかり者達が確認に行った時には荒れ果て枯れ果て……。

ホラーのような場所になってたと。



「たしかに……水妖さん元気だからか、すごく過ごしやすい空気というか……昼間の怨霊でも出るんちゃう?ていう空気とは全然違いますね」



思わず深呼吸したくなるぐらい空気が気持ちいい。

森林浴とかに近い。

パワースポットってこういう事か!と思えるような空気。

体の隅々まできれいな空気が行き渡るような感覚。

うん、なんか浄化された水の意味が改めてよくわかる。



「おー、井戸元に戻ってんじゃん」



現れたのは中学生……高校生くらいの男の子。

これは今話に出てたしっかり者だな?

大人でない華奢な感じ……ツインズにもこんな頃があったなぁ……。

それこそ美少年だ天使だなんだといちばん大変だったかもしれないあの頃…。

中身は絶賛反抗期の尖りまくったナイフか?ていう感じだったけど、黙ってたらそりゃあもう。

姉であるわたしでさえ、黙ってたらなんか憂い帯びてんな?って思ってたもん。

ただただイライラしてただけらしいけど。

そりゃあ思春期真っ只中のときに、顔がいいってだけできゃあきゃあぎゃあぎゃあされたらストレスも溜まるでしょうよ。

狂気的な人も……いたなぁ……。


しかしこのしっかり者、どうやらイールと言うらしいけど、師匠とも顔見知り?のよう。

あんまり物怖じしない子なのかな。

他の孤児院の子たちは後ろの方で様子を伺ってるけど……かわいい……。

警戒心バリバリな感じ、いい子だねー。

正しい反応よー。



「イロハ、こいつはイール。ここのこども代表みたいなもんだ」


「ははは!確かにそうかも。よろしくイロハさん、イールと呼んで!雑用なりなんなり依頼してくれたら助かるよ」



ほう?助かるとは?と思ったら、まぁまぁ想定してた答えだけど、教会で過ごす子どものために食事が豪華になって、勉強する機会を増やせると。

なのでこのイールくんは、積極的に騎士団と魔法騎士団に雑用を請負に出かけているのだとか。

ただ騎士団としては、戦闘などに連れていく訳にも行かず……。

本人は連れてってくれ!と頼んでるらしいけどね。

何かあってはいけないから、もっぱら家事ばかりしか依頼が出来ず。

それでも細々と稼ぐには問題ないらしいけどね。


そんなこと聞いたら、仕事なんてなんぼでも用意しますが??ていうねー。

用意出来るものがあると言えばあるんだなー。


よーし、ツインズを召喚だ!!



『呼んだ?』


「呼んだ!」



さ、姉と弟ふたりでちょっくら会議開始しますよ。

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