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Different world  作者: なつこっこ。
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検証?



「はい、これでいいかな」



トンボの背守りを縫った白衣を返して、早速と言わんばかりの質問タイム。

だが……



「どうやってこのステータスアップのものを作れたんですか!?」


「え、わからないですけど」


「材料は!?」


「普通に買いました」


『あぁそうだな』


「何か秘密の材料とか!」


「なんにもないですけど」


「アレンジとか!」


「なにも」


「……」


「……」



なんでだ。

検証とは……?

でも普通に作ったんだよなぁ…。

ツインズもなんでだ?って顔になってるし、念の為だと居てくれているリアン団長に至っては面倒くさそうな顔をしている。

制服だから仕事中なのに申し訳ないなぁ。

いやしかしこの制服また似合うのよ。

軍服的な詰襟スタイルなんだけど、リアン団長たてがみもっふもふだから2つほどボタン開けちゃってんの。

もっふもふ。

ツヤのあるもっふもふよ。これトリートメントとかしてそう。

たてがみに天使の輪ができるんじゃないの?ってレベルでツヤッツヤ。

制服の色は沢山あるみたいで、今日は濃いめのグレー。

こんなデザインの服もかわいいな〜けど面倒くさそうだなー!

詰襟、襟にライン、袖にもライン、ボタンはなんかモチーフがあるっぽいな。

何用なのか腰元に警棒的なのがあるけど、使うことあるのかな?

服の素材はローブと同じ……?

魔力を帯びてるけど、なんかもう少し上等な布っぽいから、糸が違うのかも。



「あの、」



はっ!

制服のこと考えてたけど目の前に百科事典さんいたわ。

でも声をかけてきたのはしおりさん。

なんでしょう?と言うと、根本的なことをお伺いしても?と。



「根本的?」


「あの、どうやってつくってますか?」


「どうやってって、普通に切って、混ぜて、焼いてって感じですが」


「それだぁぁああああ!!!!」


「声!!」



スパーンとツッコミが入り、しおりさんにハリセンかピコピコハンマーを装備させたら似合いそうだなぁ……。

で、なにがそれだったのか?というと。



「それですよ、完全手作り」



ちょっと意味がわからない。

が、ツインズはあー……とか言っててなんかうっすら納得してる。

すごいな、姉は全くもってわかってないよ?



「説明します」



この世界、ゲームではあるので簡略化できるところは多々あるのだとか。

そのひとつが、作る工程。

いちから材料を切って、混ぜて、焼いて、なんてしなくても、実は全てをあの魔法のオーブンに入れて魔力を流せばつくれる項目がポーンと選べるような仕様になっていると。

知らんかったけど!!?

え、まじで?そんな機能……いや、あるな?

なんか師匠のところでローブ作った後に、ポチッとボタンで作れるのあったな?

あれ、ローブだけかと思ったけどそんなことなかったのか。

1回作ればできるようになるのかとも思ったけど、そんなんでもなく、材料を用意してセットしてポチッと。

ようはスキル使用みたいな感覚らしい。

うん、よくわからん。



「へぇー、知らなかった」


「えぇ……」


『盲点だったな』



他のゲームでもある機能らしいけど、どうにもお菓子作りとかになると一から作る習慣があってツインズもすっかりうっかり。

まぁそのお陰でステータスアップのものが作れたわけですけどね?

手間に見合った効果という扱いなのかな。

ぶっちゃけ焼いたり発酵したりは魔法のオーブン様々だぁ!と思ってたから手抜きしてた感覚。

これ、魔法のオーブンを使わずに、ピザ窯みたいなの作って焼いたらどうなるんだろう……?



「……」


『イロハの考えてることなんかわかるわ』


「それこそ時間足りなくなるからやんないけどね」



楽しそうだけど!冒険も!したい!!

この世界を旅行と考えたらこんな贅沢なことないよねぇ……。

あと家買いたいのよ、ほんと。

いやもう本当に有難いことに着々と貯まってるけどね!

ガツンと貯めるために姉は頑張るよ!!



「検証せねば……!いくぞしおり!!」


「お礼は渡した!?」


「はっ!これ、良ければどうぞ!!」


「あ、ありがとうございます?」


「では!」


「ちょっコラ!すみませんすみません!またお会いするかと思います!ありがとうございました!失礼します!ひゃっか!!!」


『……』


「相も変わらず台風かなんかかアイツは」



ゆらゆらしっぽを揺らしながらつぶやくリアン団長に、確かにと思わず頷く。

とりあえず受け取ったというか、押し付けられたに近いお礼の品々は素材たち。

お馴染みのアレニエの糸は、全てキラキラしてるからいいやつだし、なにやらはじめましてな素材もひとつ。



「なんだろ?これ」


「あぁこれは蓮シルクだな」


「はすしるく?」



そう言われたら、この葉っぱは水辺でよく見かけるやつだ。

上に蛙とか乗ってそうな感じのやつ。

が、シルクとは……?

と思ったら、この葉っぱからああしてこうしてごにょごにょーとしたらシルクの糸が取れるんだとか。

ああしてこうしては師匠に聞けと言われた。はい。

どのみち有限異空間収納を作るために師匠のところに行こうとは思ってたから、丁度いいしね。


他にも多分色んな素材があるだろうから、やっぱり先に……?旅をした方が良さそうだな、うん。


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― 新着の感想 ―
[一言] むやみやたらに突撃は良くないが、ある程度 理性があって良かったわ。 研究者も料理人と同じく好きでなきゃできない 仕事なので頑張っていただきたい。 流石に住民も魔法の窯を使うのですよね?。
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