初販売
64
あのあとモモのコンフィチュールみてたら同じように追加文がモヤモヤでてきて、一定時間防御力が向上すると。
で、それがどんなもんやねんって話で。
検証してから売るか?とも一瞬なったけど、ぶっちゃけ全部をそんなんしてたら面倒くさーって話で。
しかもほら、満腹度もあるからひたすらに食べられるわけでもなく。
なければ検証するんだけどね。
満腹度がある以上検証して運動しての繰り返しで販売するのはいつ!?てなるからね、却下!!
「食べた人で気付いた人から報告が掲示板にあがるだろう」
ということで、売ってまえー!ってことになりました。はい。
楽観的かもしれないけど、やってみなきゃわからないことが沢山あるよねー。
そしてわたしは思った。
要望でカード対応して欲しいと。
いやぁほら、お金じゃらじゃら邪魔でめんどくさい。
デビットカードみたいな即銀行から落とされる仕組みで精算出来たら、すんごく楽じゃない?
あとで要望書をメールで送っておこうかなぁ。
『いこうか、いろは』
「はーい」
で、販売エリア。
いつもある程度は賑わっているみたいで、無人になることはほぼないらしい。
販売許可とかは必要なく、自由に場所を選んで販売できるとのこと。
金額設定はポーションは通常値段そのままね。
ほかの自作品の値段ですが
グラノーラ 200G
グラノーラバー 100G
バタール 150G
カンパーニュ 200G
カンパーニュ(フルーツ) 250G
ドライフルーツ各種 150G
コンフィチュール 150G
オーツ麦クッキー 100G
ぶっちゃけ高いんか安いんかわかりません!!
売れるかどうかでお値段調整していこうかと思います。
パーティ組んだ状態で、レイちゃんが何やら操作中。
見本商品を店頭にひとつずつセット。
売買の仕方は、店頭の商品見て気に入ったら在庫とお金を引き換え。
基本的にお金を貰ったら商品を渡す。
念のため買い占めはできないよう商品購入は2つを上限に。
パーティメンバーは売る権利がある、という感じ。
周りを見たら大きな荷物で在庫をガサゴソしているので、わたしはローブから言われた商品を出して袋に詰めたりする係に決定。
現役自営業の2人に商売は任せよう。
「おじょうちゃん?」
「ん?あ、オパールさん」
準備をしてたらオパールさん。
隊服を着ていないからお休みのよう。
何か面白いものないかな〜って散歩をしていたらしい。
普通に見回りにもなってそうだけど……。
周りの住民は騎士団の人と分かっててスルー。
プレイヤーの一部はゆらゆらしてるしっぽに釘付けだけど大丈夫かな…。
うん、まぁ……魅惑的よねぇ……。
「お嬢ちゃんもなにか売るの?」
「そうなんです、弟たちと。よければお客様第一号なりませんか?」
「わあ!光栄だね!是非!」
ささっとライちゃんが商品を並べて、ドヤァって顔してる。
後ろでレイちゃんもドヤァって顔してる。
おんなじ顔。
もういい歳した弟だが可愛い…。
写真撮りたいわ〜。
「えー!すごい!たくさんあるね!?」
「そうなんですよ〜」
その声になんだ?とチラ見してくるプレイヤー達。
あ、なんかそわそわして並び出した。
これは…。
ちらっとツインズを見たら、任せろと頷いて営業モードになってた。
うぅーん、と悩んでグラノーラバーとドライフルーツ入のカンパーニュをお買い上げ。
「毎度あり〜」
「すごくいい匂いだね〜……また買いに来るね!?あと騎士団のヤツらに言ってもいいやつ!?」
「あ、どうぞどうぞ」
「ありがとう!じゃ!!」
「わぁはやい」
風を感じるレベルで走り去っていったけど、足速いな〜。
さすがヒョウ。
なんか急に慌てだしたけどなんだったんだろ?
仕事思い出したとかかな?
まぁいっか。
さて、オパールさん効果でちょろっと並んでるので品出し袋詰めに集中しようかと思います。
クレームが来ても慣れてるツインズが相手にするしね。
そもそもわたしからしたら可愛い弟達だけど、もういい歳した背の高い野郎どもだからね。
お菓子作りで鍛えた筋肉が輝かしいね。
プレイヤーメイドの品々は珍しさもあってなのか順調に売れてる模様。
私は言われたものをせっせとローブから出して袋に詰めてるだけですけどね。
やっぱりポーション関連はあんまり売れないな〜。
珍しい食べ物系の売れ行きがすごい。
結構な量作ったけど、どんどん減ってくから売り切れも有り得るのか…?とおもったら、グラノーラバーが売り切れた。わあ。
「グラノーラバーなくなったよ」
『おけ』
ライちゃんがグラノーラバーの見本の前にsold outの紙をペーンと貼る。
そしたら次はクッキー、バタール、カンパーニュとどんどんなくなっていく…。
「売り切れ早くない?結構作った気がしてるんだけど」
「……そこら辺は後で話し合おう」
「いまは客をさばく」
たまーに、ツインズ目当てかきゃあきゃあして商品決めない人がいるけど、なんだかんだうまくかわしてる模様。
さすが手馴れていらっしゃる。
食べ物関連が少なくなってきたタイミングでポーションも売れだし、在庫が掃けること。
爽快感。
これでまた思う存分に生産できるっていうもんですよ。
いやちがう、先に家を買いたい。
けど足りないよね、当たり前だけど。
『売り切れましたー!』
買えなかった人達にまた売りに来ますか!?と聞かれ、その予定ですと言えば絶対ですよ!?と念押しされたが、買ってくれる人がいるなら家の資金は何とかなりそうだわ。