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Different world  作者: なつこっこ。
57/110

魔法騎士団の訓練所

54


「お?ここじゃない?いろは」


「あぶな、通り過ぎるとこだったな」



言われた先はただの建物。

看板とかもなくて、表札が小さくかかっているだけ。

ギルドのような大きな看板が目印があるかと思ってたから拍子抜けしてしまった。


庁舎だから、こんなものなのかな?



「失礼しまーす、ごめんくださー……い」



音に反応したのか、扉の覗き窓だろうところが伸びて来てこっちを見ている。

めだま……の、ろくろ首のような……。



『うおっ』



後ろのツインズもさすがに引いてるよ。

ギョロっとしためだまが!!

しかも瞳孔の形がヤギとかヒツジなんだもの!

見慣れないからドキドキしてしまう……。



「はぁい、どなたぁ?」



わぁ、……ひつじさん?

扉から現れたのは羊のような目とふわっふわの白い髪の毛。

かっわい…。こんなマスコットいるよね?て言いたくなるし、かっわい…撫でたいわ。

若干眠たそうなぽやぽやした感じもいいね。

ただ不思議なことに、扉の中側が全く見えない。

なんていうか、闇が渦巻いてる感じ。

え?どこか繋がったらダメなとこに繋がってない?



「ええと、この街に来る途中賊を」


「あらぁ…ラークが言ってた子達ねぇ、どうぞぉ」



招かれた瞬間、その闇がなくなった。

わぁそうなるの?

招かれないと入れないとかファンタジー。

結界とかの類かな?

そうなると見えたのはギルドに近い室内。

ただし不思議な置物がたくさん。

置物なのかなんなのか……って感じもあるけども。

というか玄関の覗き窓も元通りだ。



「ラークー?……らーあーくー?」



ふぅ、というため息と共に、ふわっふわの白い髪の毛に手をやったと思ったら、抜けた髪にふーっと息をふきかけ、手のひらサイズのひつじさん、が、たくさん。

しかもリアルひつじと、二足歩行タイプとがいる。

なんていう不思議な光景。

そして増やし方よ……あの有名なサルの話のようだね?乗れる雲とか伸びる棒とかでてくるかな。

髪の毛で分身作るとかね、もう。



「ラークを連れてきてちょうだいねぇ」



そのセリフを聞いた瞬間、ひつじ達がシュッと散った。

え、見えなかったし分からなかったと思ったら、遠くから何かぎゃあぎゃあ声が。

そして先程一瞬で散っていったひつじ達と共に戻ってきた。



「らぁーく、お客様よぉ」


「姐さんちゃんと呼んでくれたら聞こえるって」


「あらぁ、返事がなかったってことは、聞こえてなかったじゃないのぉ。じゃあお茶を用意するから案内してねぇ」



気がついたらミニひつじ達はいなくなってて、目の前には道中お世話になったラークさん。

先程のひつじさんをねえさんって呼んでたけど、なんとなく姉さんでなくて姐さんだよね、うん。



「もう姐さんは……ごめんね、こっちにどうぞ。わざわざ来てもらってごめんね。」


「いえいえ、ギルドで親切に説明いただいたので大丈夫ですよ」



いかにも応接室です!というところに案内され、ソファに腰掛ける。

この感じ、いいソファです。


で、とりあえず手続きというか、賊捕まえてくれてありがとーっていうことで、報酬が貰えると。

お金らしいので、仲良く3等分してわけさせていただきます。



「はい、どうぞぉ」


「あ、ありがとうございます」


「こちら、ここの副団長のルビさん」


「よろしくねぇ」



あぁ、やっぱり強いんだ。

姐さんって呼ばれるの納得よ。

あの捕まった賊達はとりあえず現在収監中。

魔法も追加された複雑な檻の中なので、簡単に出てこれるような仕掛けはなし。

なので脱獄するなんてことは確実に無理らしい。

おとなしく、言うことをしっかり聞いている人もいるらしく、環境も大きな原因の一つだからそれも踏まえて対処を考えるのだとか。



「環境、ですか?」


「そうなんだ、恥ずかしながら、完全に整ってると言いきれないからね。根っからの悪とは別に、生きるため必要に迫られてっていうのもあるんだよ…」



あぁー…。

ホームレスとか孤児とか、社会問題になるからね。

日本のホームレスは自分の意思でなってる人もいるかもしれないけど…。

この世界もあるのかな。



「死ぬかと思ったところで、ヒールで回復してもらったから、これからは真面目に生きようと思うって言う人もいるんだけど、ヒールしたのかな?」


「あぁ、しましたね」


『してたなぁ』


「いやぁー…そもそも一人の賊に襲われた商人達の後ろにゴブリンがいて、これはどう…?ていう感じにみえたので……」



情報量多くてね、うん。

強制クエスト的に考えたら、ゴブリンに襲われて全滅したら失敗とかかな…。

判定きびしめだったら、1人でも亡くなったらアウトとか?

まぁ目の前にいる時点で見過ごすことは出来ないだろうし、罪を裁くのは別の人だろうから生きて回収をモットーにしたいところ。



「そっか。だんまりしてるのは双子の賊だけだからね。なんにせよ、しばらくは収監しておくよ。」


「そうですか」


「うん、それだけのために来てもらってごめんね。決まりでサインを貰わないといけなくてね。」


「これに書いてねぇ」



報酬受け取りのサインを3人で書いて、終わり。

一応ここで強制クエスト終了かな?

では、ここからは、観光と行こうじゃないですか。



「そういえばぁ、あなたエヌ団長のお弟子さんなんですってねぇ」


「あ、そうです」


「ふふふ、いつか一緒にお仕事する日を楽しみにしてるわぁ」


「ははは、できたら大きな魔物との戦闘とかじゃないことを祈りますね」



魔法騎士団の人たちの戦い方を間近で観察したい気持ちはとてもあるけど、危険も多そうなんだよね。

離れたところから観察してたい。



「気が向いたら魔法訓練所にも顔出してみて、役に立つかもだから」


「それは気になるので是非伺いますね」



なんて素敵なお誘い!

ツインズも気になるようなので、美味しいもの探しながら向かうとしましょう。

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