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Different world  作者: なつこっこ。
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鬼の正体

46



「ほう?後ろをつけられた?」


「そうなんですよね」



人型に戻って、向かい合って経緯を説明。

確証はなかったけど、走ったら追いかけてきたし、複数人いたし…。

あれは追われたと判断しても間違いじゃないだろう。うん。

あれ?わたしお尋ね者?


プレイヤーだったかどうかもちょっと自信が無いし覚えてないなぁ。

バタバタ走っていったし…。


なんでか分かるまで大人しくしとくってのも不満だから、今度は追いかける側になるのもありか。

ツインズに連絡して待ち合わせ場所に逃げ走って合流したら逆に追いかける側に…。

いやでも合流してそのまま騎士団の詰所にってのもありかな。その前にどっか行っちゃうかな。



「…あ、これさっき借りた脱穀機のお礼です。こんな感じに変身しました。」


「ほお?香ばしく甘い匂いがするの」


「ヨーグルトにかけて食べても美味しいですよ」


「ではさっそく」



ヨーグルトを器に盛り付けて持ってきたので、グラノーラをザラザラと。

まぜて食べて、ニコニコしている。



「うんうん、うまい」


「今度、それの元になったオートミールって言うの持ってきますね」



紙袋ひとつをそのまま渡して、ちょっと休憩。

ツインズにこんなことがあったよ〜と報告だけしておこうかな。

んーと、メッセージ機能は……



「おい、追いかけられたって?」


「あ、エヌさん。なんで知ってるんです?」


「薬爺から連絡が来た」



いつの間に。

ちゃんとねこになりましたよ!なれましたし!

と、ドヤっておこう。

ねこの視線と世界は楽しいですね〜と言えば、追われた危機感を持てと言われた。

だって必死だったしね。

エヌさんにもグラノーラを渡しておこう。



「エヌ、あぁ丁度いい」



ぬっと現れたのはリオン団長。

わたしをみて丁度いいって言ったよね、いま。

あれ?わたし知らぬ間にお尋ね者疑惑???



「追いかけられていたらしいな?」



すごいスピードでわたしが追われてた情報が回ってませんか??

まぁリオン団長が知っていたのは、住人から報告があがったんだとか。



「ローブの姉ちゃんがおいかけっこしてたぞ、だぁってさ!」



ひょこっと現れた、オパールさん。

なるほど目立ったわけですね、そりゃあね。

ねこになる前に結構街中走り回ったからな……人気の多いところの方が安全かと思って…



「で、だ。追いかけていたヤツらが謝罪したいと」


「……え?いるんです?」


「外に」


「本当にすまないが、許さなくてもいいから聞くだけ聞いてやってくれ」



エヌさんにそう言われたら断ることも出来ず。

けどちょっと恐いのでエヌさんの後ろに隠れつつ外に出たら、同じようなローブの集団。

目立ってるよ!?



『ほんっとうに申し訳ございませんでしたぁ!』



事の顛末は、この追いかけてきた人達、なんと魔法騎士団。

なんだってー!?である。まじで。

魔法騎士団相手によくねこになって逃げきれたもんだよ。


なんで追いかけてきたって、魔法使ってる子がいるぞー!?知らない子だぞー!?スカウトするっきゃねぇ!!ってなったらしい。

いや、知らない子も何もあの時エヌさんと会話してたけど、と思ったら、爆発音の後であんまりはっきり聞き取れなかった人が大半だったのだとか。

スカウトする必要あるの?て思ったけど、素質とかセンスとか、みんながみんな魔法使いになれる訳でもないんだって。

へぇ!わたしラッキーだったんだなー。


で、見つけたー!急に声かけたら驚くから、ちょっと様子見ようって後をつけてたら、走り出しちゃったから追いかけっこになってしまった。


そして逃げ切られ、しょんぼりと庁舎に戻ったら、激おこモードのリオン団長とエヌさんがいて、雷が降ってきたらしい。

物理で。がちの雷をエヌさんが落としたと。


実際ちょっと焦げてる人もいるし、ダバダバ泣いてる人もいる。

……めっちゃ怖かったんやな、うん。


そして追いかけたのはエヌさんの弟子とわかり、あばばばば……で、今に至る。



「ぁー……まぁもうわかったので、いいですよ。ただ他の人に同じようなことしないようにしてくださいね」



悪質な感じじゃないならよかった、と胸を撫で下ろす。

いやほんとお尋ね者になったかと思ったからね。

そんな追いかけられる経験ってなくない?

こどものころの追いかけっこならまだしも、大人になってガチで追われると恐怖しかないからね。

ゲームだから追いかけ返すかと考えてたけど、現実世界だと即通報案件だわ。


魔法騎士団の方々はそれぞれ庁舎に戻って行ったけど、どうやらスペシャルメニューによる特訓が待ち受けているのだとか。



「……エヌさんは?魔法騎士団所属ですか?」


「いや、おれは退団している。歳だからな」



――歳だからな、とは――


見た目30代……な、イケメンに見えますが…?

年齢の概念が狂いまくりですが……?

この世界に限ると美魔女という概念は存在しなくなる……?

いやでも普通に年相応の見た目になる人もいるから、あるのか?


……そういうもんだ!と、受け入れるしかない。



エヌさんのこれまでの人生を聞いてるととてつもなく長ぁーくなりそうなので、今日はとりあえずやめておこう。


そしてツインズから貰った糸が沢山あるので、機織り機を貸してもらう。

魔力増加するのにいい訓練でもあるのでね。


ちなみに、ツインズはローブだと動きにくいのでどうしようかなぁと考えていたら、小さめのカバンにでもすればいいとエヌさんからアドバイスを頂いた。

小さくても収納に関しては数十倍、下手をしたら数百倍は広くなるしな、と。

本当にその技術を現実世界で広めて頂きたい。心から。


しかし、なるほどぉ?と思いついた。

そもそも布に不思議な収納が発生するのなら、カバンである必要なんて全くない。

じゃあ風呂敷程度のサイズの布を腕なりなんなり巻き付けておけばいいのでは?という。

原理的には問題ないと言われたので、じゃあ糸の色も変えずにそのまま機織り開始。


魔力を一定の量で流しながらただひたすらに機織り。

ちなみにセットの仕方はスキルのおかげなのかなんなのか、理解出来た。

1度作ればモウマンタイ!てやつかしら。


一定に魔力を流すということが安定してきたら、別のことを考える。

え、ただの布だと面白くないから、刺繍でもしようかな〜っていう。

そんな綺麗なものは出来なくてもワンポイントくらいなら!!ね!?

糸はたくさんあるから、あとで1玉ずつ色を染めさせてもらおう。そうしよう。


ワンポイント、なににしようかな。

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