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あ、ワールドアナウンスっていうトピックが。
new!てついてる。
親切設計って大切だよね。
なになに?
各都市を繋ぐ道路に魔物が発生していたが、それが原因により流通が滞り出した。
魔物の討伐、並びに流通回復のため住人に協力をせよ。
なお、これはワールドクエストとする。
今後にも影響があるものとして考えよう。
うん。
…うん?
魔物…?なんかすごいのがいるのかな?でかいやつとか?
流通はとってもやばいと思うんだよね!
「エヌさん、流通って」
「あぁなんだ、知ってたのか。だからポーション作りを頼みたくてな」
魔物討伐部隊を集って行くが、なんせポーション足りないんです、ということで騎士団から薬爺のところに要請がきたらしい。
いまは住人で動ける人はみんな薬草採取にあちこちでているのだとか。
薬関係の流通もしかり、食品などあらゆるものが滞るのは良くない。
「なら早めに行ってきますねー」
「あ、切り傷程度なら魔法で治せる。さっきと同じ要領でヒールだ。覚えとけ。」
しっかりローブ着用ついでにフードもね!
さーて、このローブの収納力を信じて手ぶらで行きます。
いやローブに弓と矢と果物とポーションは持ってるけどね。いつものカゴはお留守番ですよ。
薬草採取はするけど、討伐するってことは飲むよりぶつける方が早かったりするんじゃないかなー?
ぷるるんも倒しておくか。
心無しか街全体がそわそわしてる。
プレイヤーは初ワールドクエストだな!と息巻いてたりするから、やっぱり参加する人が多いのかな?
そもそも魔物討伐って、大人数で挑戦するとかなのかな?何人規模なんだろう。
あ、ツインズだ。
「レイちゃん、ライちゃん」
『…いろはか?』
あ、そうだった。フード被ってたんだった。
フードをとって見せると、納得したようで何より。
『どこ行くんだ?』
「薬草採取しに行くんだよ、ワールドクエスト関係で頼まれたの、これも立派なクエスト貢献になるはずだからね!」
じゃあ一緒に行こうか、と言うので3人で草原に。
2人はぷるるんを見つけたら素手でぺちんと叩いてた。
素手。いやまぁ例えぷるるんでも武器耐久値削られるもんね。
「わたし投石できるようになったんだよ」
投石でぷるるんを倒して見せると、ツインズも練習し始めた。
あとでコアいらないなら買取させてもらおうかな。
わさわさと採取してはローブにぽい。
うーん……ゲームだからいいけど、現実にこの姿勢で作業してたら肩凝り待ったナシ。
「結構集まったかな」
『……いろはかごは?』
「あ!このローブ収納機能付きなんだよ〜」
これはドヤァしてもいいやつでは?
わたしがつくりました!と。
あ!しかももう一つ大事なことドヤァしてない!!
「あと!みて!!」
『なにを?杖?』
「ファイア!」
とりあえず近くにいたぷるるん目掛けてファイア!
おぉ、当たった!
あー、もうちょい長く燃えるかと思ったけど、マジックの火みたいにしゅぼって感じで消えてったな。
肝心のぷるるんは…、倒せてるね!よし!
あ、でもコアないぞ!?コアまで燃えたのかな……。
『……』
「魔法使いになれましたー!すごくない!?」
……おや?なんかツインズの顔よ。
あれだ宇宙猫じゃん。
「姉がまさかの魔法使い1号とか思わないだろ」
「いやでもいろはだし」
褒められてる……?
どうやら前回掲示板に情報を乗せたものの、まだ誰も魔法使いにはなっていなかったようで、晴れて第一号では?と。
ステータス欄になんかでてない?と言われて見てみたけれど、ただ単に職業が魔法使いとなってるだけだった。
祝第一号!とかはないのでどうだろう?という。
ついでにポーション作るからぷるるんのコアを売って欲しいと頼めば、逆に材料提供するからポーション売って欲しいと言われてしまった。
「ええと、いま依頼でポーションつくってるから、材料もらった分は作るようにするね」
もう少し材料集めするわ、というツインズと別れて薬爺のお店まで戻ってきた。
あ!この機織りの時の映像みてもらうの忘れてたな。
勿体ないから自分のスマホに転送しとこ。
現実でみてもらお。
ちなみに果物休憩はしてるよ!
このゲームは空腹度との戦いだよ……だって熱中すると忘れない?
現実なら後回しとか1回抜いたりするけど、ここだとそうはいかないからね…。
容赦なく襲いかかる空腹感……!
「こんにちは」
「あぁ、いらっしゃい。すまないね、急にポーション作り手伝ってくれだなんて」
「いいえ、大事なことですし。あとこれ、果物取れたやつお裾分けです。」
「あぁありがとう、後でいただくことにしよう。早速で悪いけど、そのスペース使っていいから頼むよ。」
指さされた先にはふかふかクッション。
ありがたくそこに座って、さて、やりますか!