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目の前には、薬草わっさわさ。
せっせと薬草を採取しつつ、ぷるるん目掛けてそこら辺の小石を投げる!ていっ!
なんてことをしていたら、投石というスキルがでてきました。
まんまやないか。
でもこれがなかなかよい。
なんとなくこのくらいっていうのがわかる。距離感?
ぷるるんに当たれば一発だし、当てる角度を調整してアレニエに当てたらぐるるるるって回転して目を回したアレニエがいつもより多めに糸を落としましたとさ。
毎回じゃないけど3回に一回は多い気がする。
糸集めが捗るね!!
ローブ用は集め終わったけど他にもなにか出来るかもだし、集めておこう。
単純に機織りちょっと楽しい。模様とかできるのか知りたい。
もしかしたら服作りたい人がいるかもしれないから、布で売ったりできるんじゃないかなぁ…?
あと魔力回復用の薬草どこかなー?と思ったら、近くにありました。意識してないとわからないものなんだな、やっぱり。
紅葉っぽい色で、そこだけ秋っぽく感じる。
じーっとみてたら、魔力草とでたので正解。
これもわっさわっさ。
はー、よっこいしょ。カゴに沢山ですよ。
これを持ってそのままギルドの生産部屋を借りる。
で、クエスト分の納品する薬草を避けて…念の為濡らした布で包んどこ。なんかしおっしおになっても嫌だしね。
あとはどんどんポーションに変えてくよー!
ふふふ、これでローブ作りも捗るってもんですよ。
せっせと作って、作って、作って…。
普通のポーションの半分は買取してもらって、魔力回復のやつはローブ作りに使用。
ギルドでクエスト完了してもらった。
なんか達成金が高め?
また!是非!来てくださいね!?!?と、念押しされたのは何故なのか?アールさんいなくて、違う人だったから聞かずにスルーしてきちゃった……聞けばよかったなぁ。
まぁいいや、しかたない。
まずは、達成したお金で串焼きお買い上げ。
うん、おいしい。
そういえばこの串焼きの元になるコション?は、どこにいるんだろう?
そのうち見かけるようになるのかな?
もぐもぐしながら歩いて、今日こそエヌさんところでローブ完成させるぞー!
「こんにちはー」
「あぁ、すまんが俺は薬爺のところで仕事してるからローブ作りなら好きにしろ」
ほら、と杖を渡されそそくさと出ていってしまった。
忙しいのかな??
仕事って、何かあったんだろうか。
……むしろ薬爺は薬とか販売だとして、エヌさんの仕事ってなんだろう?
職業魔法使いでいいのかな?
好きにしろと言われたし、ありがたく杖にせっせと魔力を流して欠乏したらポーション飲んでを繰り返す。
うーん、なんともお腹がちょっとちゃぽちゃぽしちゃうね。
魔力が無くなったタイミングで今回みつけたブドウを摘む。
いやほら集中しちゃうと空腹度忘れちゃうんだよ…。
そしてこのブドウとてもおいしい。
――そして数時間後――
「はぁぉああああ…全部の糸使い切った…」
紺色で、紫がかった色。
キラキラした糸がまるで夜空のよう。
最高の出来じゃない?これ。
ただお腹がちゃぽんちゃぽん音がするようだよ……。
さて、気を取り直して布を……いやどうやって布取り外すのかわかんないや。
下手に触ると壊れそう…。
エヌさん呼びに行こうかな?とおもったらタイミングよく帰ってきた。
「できたか?なら」
指先をちょいちょいと動かしたと思ったら、機織り機からできたばかりの布が外されて、ぐるぐると小さくまとまったと思った瞬間、ポンッと可愛い音と一緒にローブになっていた。
ええ?
「わぁ、魔法だ」
「魔法使いになるんだろうが」
あ、そうでした。
ちなみに今のはわたしにも出来るんだって。
どんな布でもできるが、まぁこれはサービスだと言われた。
ありがたいことだなぁと思ったら、魔法使いの師匠から弟子にローブ送るのは普通のことらしい。
スキルを見たら裁縫っていうのが出来てたので、それを選んだら、何を作るか?という項目。
いまはローブだけ。
ふむ…。
これはローブの作り方を目の前で見たから?
作り方が分かれば項目増えるかな?
布さえあればこれですぐにローブができるのか。
ただまぁ裁縫のスキルがあるならきっと針と糸があれば色々できるんだろうな?ということで、今度実験だね!
売る前にわたしが使用することになりそう。
それもまぁありあり。
だってゲームだからね!なんでも試していきましょう。
「…ひまか?」
え?なに特命係に任命されるの?
なんてことはなく、報酬は渡すからポーション作りの協力を頼まれた。
そのくらいなら〜と引き受けると、申し訳ないが薬草採取からなのだとか。
丁度いいからローブを羽織って、杖を収納…できた…!!
すごい!あのサイズどこに行ったんだろう!?
ついでにこのローブの収納力はこの部屋のものが全て収まる程度だと言われた。
え?この部屋?
12畳リビングくらいありそうなのに?
すごい便利なものを作ってしまったのでは…?
ついでに簡単な魔法を教えてもらう。
とりあえず火魔法だけな、と。
ほかの魔法は自力で学べと言われたので図書館コースです。
そもそも魔法とは?ですよ。
今回教えて貰ったのは基礎中の基礎。
火の玉を飛ばして攻撃するもの。
立派な魔法使いへの第一歩だなぁ…。
というわけで、試し打ちしていけと、裏庭?的なところで、どこからともなく現れた的。
これ、よくみるよ。あれあれ、ほら、銃とか練習するところにあるやつね。
狙うは頭か心臓。
杖に魔力を通して魔法名を言う。
そのうち詠唱なしでも出来るようになるらしいけど、感覚を覚えるまでは言った方がいいらしい。
「いきます!ファイア!」
ビュンと飛んだ火の玉は首の辺りにヒット。
ありゃ?予定箇所からずれたな。
もういっちょ!と、思ったら……
――ワールドアナウンス――
――各都市への流通が滞り出しました――
――詳細はヘルプをご覧下さい――
「…お?ワールドアナウンスとは?」