今頃基礎を聞く
25
「あー…。つかれた」
ゲームで頭をつかっているところに、さらにゲーム内で調べもので頭を使ったことにより、とてもだるい。
ぐぐーっと体をのばしてそのまましばらくストレッチで体をゆっくり動かす。
「お昼ご飯はー、何にしようかな」
ふと体を動かしながら、はじめに説明してくれたレイクさんが、訓練をしてスキルが発現したら、レベルが上がるって話をしていたのを思い出す。
その流れで行くと、体力づくりをすると、何かスキルが発現する可能性がある。
「…ボディビルダーとか?」
『なにが?』
リビングには先にツインズが降りていて、お昼ご飯の用意をしている。
どうやらパスタになったらしい。
「トマトのいいにおいー」
『アラビアータです』
トマト缶に唐辛子にウインナーだけ。
シンプルだけど、辛さと酸味とがとてもおいしい。
それにサラダで完璧だ。
「いただきます!」
手早く調理されたパスタはピリッとした辛さが食欲をそそる。
唇がひりひりとしてくるのも、なんだか楽しいとさえ感じる。
「そういえばさ、定番のHPとかMPとかってみれるの?」
『…まだみてなかったの?』
どうやら基礎の基礎を聞いたらしい。
視界の隅に常に表示できるようにしたほうがいいと言われ、ログイン後の操作方法を聞いておく。
ついでに空腹度もそうしておくように言われた。
ログイン後にすることリストの最優先事項扱いをされた。
その後にMPの鍛え方を調べよう。
レベルアップ的なものであがるのかもしれないが、その点もよくわからない。
そもそもレベルという概念があるのかさえもしらない。
うん、もっと調べろよって言われそう。
洗い物まで終わったら、少し休憩。
明日から仕事だ。
元気があれば夜にだけログインとなりそうだし、そうなればあちらの世界も夜のみの活動となるから行動に制限がかかりそうだなぁと考える。
そういうのもたぶん改善されるだろうとツインズも話していたので、なんとかなるんだろう。
とりあえず今は、気になっていることを調べて検証していくことにした。
ログインしてすぐに言われた操作を行うと、視界の下のほうにHPとMPのバーが出現した。
これはわかりやすい!
何かで攻撃を受けたりしたらすぐにわかるようになるから、回復のタイミングもわかりやすい。
その後すぐに図書館でMPの鍛え方や、レベルの概念があるのかを調べたがこれがわからない。
ということはないのか?それとも自分が調べきっていないだけか?
分からないことだらけだ。
とりあえず弓の耐久値を直してから打倒アレニエ。
目指せローブ。
そんなことをしているからなのか、弓の腕は上達した模様。
現実世界で弓なんて触ったことさえないよね。
せっせと倒して耐久値確認して直して、とりあえず50個は集まった。遠い…。
疲れたから街に戻って串焼き食べて、ギルドで話を聞くと夜はモンスター強くなるということが判明。
でっすよねぇー。
なら今日することは、あと大量の薬草採取ですね。
さーいくぞー!と向かったらグレくんに遭遇。
「あー!いろはねーちゃん!!」
周りにいた子供たちもきゃーっと言いながら突撃してきた。
わー、元気ぃ。
「こんにちは」
『こんにちはー!!』
なにしてるの?どこかいくの?ごはんたべたの?あそぼう?と畳み掛けられ、保育士さんまじリスペクト。
薬草取りに行くんだよーと答えたら、そっかーじゃあまた今度あそぼーって一斉に散っていった。
うん、すごい。
門番さんに薬草取りにいってきまーすと声をかけて、せっせと採取。
ぷるるん討伐してる人は減ってきたなー。
みんな次々進んでるのかなーすごいなー。と片っ端から採取していく。
ついでにぷるるんも!
コアが必要だからね〜。
さて、とりあえず再び駆け足で街まで戻って、ログアウト!