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Different world  作者: なつこっこ。
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杖を選ぶ時

ログインしてすぐに、近くの屋台で売ってた謎肉の串焼きを買う。

なんだろうこれ。おいしいけど。豚っぽいから、コションってやつかしら。

あとはリンゴをみつけたので、丸かじり…しようと思ったけど、さすがに真っ二つに割っておいた。

これは力の入れ方で比較的誰でも素手でぱきっと割れる。だからそこのプレイヤー達、私を怪力…!みたいな目で見るな。

でもログアウトしている間は空腹度は進まないのかもしれない。そこまで空腹度が強くはない。


エヌさんのお店をノックしたら、入れと言われた。

中にはたくさんの杖。すごい量。せっせと準備したのだとしたら、そりゃ夜のほうがいいというぐらいの量。

なんか不思議な光のホワホワしたのが漂っていて、部屋は明るい。なんだろう、これも魔法かな。

人型になってたエヌさんはじーっと人の顔を見て、ちゃんと食ったな。と満足そうだ。

はい、さすがに食べました。



「さて、この中から選べ」



なんでも直感というか、これだ、と言うものが見つかるらしい。

ただ見つからないこともある。それは杖の拒否が理由だという。そんなこともあるのか…。


ぐるーっと見渡すと、目を惹かれる杖がある。


設定した髪色と同じような黒。でもすごく深い青のようにもみえる。

私の肩ぐらいまでの大きさで、子供の頃欲しかった魔法の杖のような形。

じーっと見ていたら、杖が動いた。…動いた?



「エヌさん、杖って動くんですか?」


「…ふむ、そいつか」



後ろで見ていたらしいエヌさんは、そんな気はしたがとひとりごちてその杖以外を片付けてしまった。

他のも綺麗だなぁと思ったけど、なぜかこの杖から目が反らせないので仕方ないけど。



「手に取れたら、それはお前のだ」



おっと、急に勇者の剣みたいになったな…。

抜けた人こそ勇者様!みたいな。

でもそれってバチって弾かれたらやだなぁ。痛いのはちょっと…。

恐る恐る手を伸ばせば、案外すんなり手に持てた。ら、その瞬間ものすごく光り出して目が開けられない。



「エヌさん!?」


「大丈夫だ!」


「なにが!?」



カッと最後に大きく光って、目を開けた時には初めになかった水晶のようなものがはめ込まれてる。

いつの間に?はまったの?…埋まってたのが出てきたの?



「水晶か。それがお前の杖だ」


「あ、りがとうございます?」



あまり状況が飲み込めないけど、どうやら無事に私の杖になったらしい。

まじまじとみながら、片手や両手で持っても問題ないし、重すぎることもない。木だと思うけど想像以上にしっかりしている。硬い。

これは特殊な木から作られているらしくて、めったなことで壊れることはないという。じゃあ最悪これで敵を殴ればいいかもしれない…!

で、杖を手に入れたので次にやることは魔法の習得になるという。

練習はもちろんだが、図書館でまずは魔法とはなんぞやということを学んで来いと言われた。

図書館に行く用事はあったし、ちょうど良い。

明日のログインは図書館に行くことにしよう。あと果物採取。


休憩するなりなんなりしろ、と言われたので、ありがたくお茶をいただきながら休憩することにした。

ツインズのいう掲示板を思い出したのもあるけど。

比較的みんな新情報で楽しそうなログが続いていて、それぞれ明日からいろんな人に挨拶とか会話を試みるそうだ。

ただ中には具体的に誰に話しかけるか教えろという書き込みも見られる。努力しようよ、そこ。

ここは攻略掲示板ではないという書き込みも続き、その人はいたたまれなくなったようだけど。

それに、プレイヤー突撃した人を見つけた場合、GMに突き出すことに決めたそうだ。GMってなんだろうか…。またツインズに聞かないと不明な単語がたくさんある。

なぜここまで協力的になったのかは、ログをさかのぼったら判明した。現状唯一情報を知っている人に突撃、攻撃してその人が嫌になって辞めちゃったらどうしてくれる!ということをいう人がいたため、それは困る!!と他の人も賛同したらしい。

ただまぁそれでも用心するにこしたことはないだろう。



「あ、エヌさん」


「なんだ」



目の前でイケメンが優雅にお茶飲んでますが色気すごすぎる。

私よりはるかに色気はだだ漏れです。



「何個か質問していいですか?」


「かまわん」


「この杖って、常に持ち歩きですか?この間エヌさんなんもないところからひょって取り出しませんでした?」



そう、これ。

今持っている武器は和弓で大きさもあるので肩から斜めにかけてるのだけど、杖は片手がふさがってしまう。

でも確かにエヌさんは何もない空間から気がつけば手に持っていた。

あれマジシャン?



「あぁ、空間に収納可能だからな」


「ん?」


「なんだ、知らんのか…。」



どうやら、エヌさんの言葉不足のようだけど、エヌさんの着ているローブにそのような機能があるらしい。

なるほど、素敵。欲しい。

収納力はそこそこあるというので、なおさら欲しい。



「エヌさん、それいくらしますか?」


「いくら?さぁな。俺が作ったから」



なんと、手作り。みなさん、エヌさんはイケメン裁縫男子です。



「つくりたい!です!」


「…構わんが」


「あと、魔法使いは他にもいますか?」


「いるが…?」


「わかりました!でも私はエヌさんに習いますね。よろしくおねがいします。」



ビッと挙手すれば、ローブも習うも好きにしろと言われた。ローブにはアレニエの糸がたくさんいるという。

機織りからするのか!楽しそう!

ただひたすらにアレニエを狩って、ドロップされる糸を100ぐらい持って来いと言われた。

果てしない。けどやるしかない。

これで持ち物が楽になるなら私はやり遂げるよ!

でもアレニエ狩りするのに明日は杖を預かってもらうことにした。盗られてもいやだし。


じゃあ明日は朝から忙しいので、今日はこれでログアウトすることにしよう。

明日また来ます!とエヌさんに告げお店を出てからログアウトする。


ものすごくワクワクしている自分がいて、こんなにゲーム楽しいのいつぶりだろうか。

そのワクワクのままスポーツウェアに着替えてジムでランニングとエアロバイクでもしよう。

あと筋トレ。なんか肩凝ってるから、肩動かすやつ。

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