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Different world  作者: なつこっこ。
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弓の練習

ログインしたら、ツインズが弓を送ってくれていた。

耐久値も直した状態で届いていて、ありがたい。特殊な矢でない限り、減ることもないという。なんて便利。

でも特殊な矢ってなんだろう。誰かに聞いたらわかるかしら。これも作れるのなら試してみたいなぁ。


とりあえずギルドで、薬草採取とぷるるん討伐を選ぶ。

他にもいろいろあるけど、とりあえずポーションを作るのが今日の目的だ。


「すみません、このクエスト受けます」


「あら、いろはさん」


「アールさん、おはようございます」



受付にはアールさんがいて、にこにこしている。

グレくんはあれから街の人のお手伝いに行くんだ!と、走り回っているらしい。

褒められるって嬉しいもんね。特に親じゃない人からって、なぜかとっても誇らしい気持ちになるものだ。

だから住民のお願いというクエストがないのかもしれない。



「あ、アールさん、ポーションとかってどこで購入できますか?」


「それでしたら、ここのギルドでも可能ですよ。」


「そうなんですね、買取とかも?」


「はい、受けております」


「そうですか、ちなみにおいくらなんですか?」


「そうですね、購入の場合も買取の場合も値段は変わりません。普通のポーションが1個10Gでポーション2.0が20Gになります。ポーション玉が50Gというところですね。もちろん、効能によって変化しますが…。」


「そうなんですね、わかりました。ありがとうございます。」


「あら…いろはさん、今日のクエスト達成でランクがあがりますよ。」



あれ?でもまだ今日の分いれて4回じゃない?と思うと、野菜売りのおかあさんから頼まれた、おばぁちゃんのための薬草採取が勝手にカウントされているらしい。

ギルドで受けたもの以外で、住民からのお願いを聞いた場合もクエスト達成としてカウントされるという。

じゃあなおさら気合いれて頑張ってきます、と、ひらひらと手を振って、ギルドを離れた。

何度も通いなれている東門に向かう途中にゲームの世界みたいな、マジックボックスというか収納できるものってないのかなーとも思う。

そういうものはあまりないのかもしれない。もしかしたら、まだ見つかっていない可能性もあるけど…。そもそも私が知らないだけで存在してそうな気もする。

でも仮にそのようなものはない、と考えると、やっぱり大荷物で動き回れないし、ポーション玉も大きさを考える必要性がでてくる。

小さめで投げやすくて、でも効果はばっちり!みたいなものを作るにはいろいろ試行錯誤が必要だろう。



「おじょうちゃん!」


「あ、おかあさん、おはようございます」


「あんたちゃんと食ってるかい?顔色悪いよ!」


「あ、忘れてた」


「あんたっておっちょこちょいにもほどがあるよ!あたしゃ心配でたまんないね、ほらおいで!朝ごはんの残りでいいなら出してあげるよ!」



ポーション玉のことを考えながら歩いていたら、おかあさんに呼び止められてしまった。

少しふらふらしている気もしたが、そういえば空腹度の存在をすっかり忘れてしまっていた。ログイン前にツインズにも言われたところなのに。

ずるずると引きずられるようにおかあさんのお店の裏に連れて行かれる。裏側住居に繋がっているらしい。すごいね。

ほら座んな!と言われ、出てきたのはサンドイッチ。



「サンドイッチだ!」


「たんとおあがり」


「ありがとう!いただきます!」



もすっと噛み付けば、想像以上に甘いパンに驚いた。

砂糖を加えた甘さではなくて、パンの甘みというのだろうか。

中には甘いジャムが挟まれていて、とってもおいしい。



「おいしー、おかあさん」


「そりゃよかった。そのジャムはもらったイチジクさ」



仕方のない子だねぇと言わんばかりに、お茶まで出してくれた。

うん、ごめん。ポーション作ろうとはりきっちゃって…あ!



「おかあさん、薬爺さんにも会えたよ、ありがとう」


「そうかい、それで今日も薬草取りに行くのかい?」


「うん、あとぷるるん狩って、自分でポーション玉作りたいなぁって」



そうかい、とにこにこと話を聞いてくれるからついついいろいろ話してしまう。

おかあさんのところで売っている野菜はどうやら現実でも見かけるものが大半のようで、使い方も基本的には変わらないということが会話の中でわかる。

ちゃんと旬があって、ここ以外の街にも名産もあるらしい。



「ありがとうおかあさん、おなか膨れました」


「まったく、気をつけなさいな」


「気をつけます。じゃあ、いってきまーす。あ、またなんか果物みつけたら持ってくるね!お礼に!」



そういって手を振ると、楽しみにしているよ!と笑ってくれた。

うーん、空腹度も考えてサンドイッチとか作ってみるのもありかもしれないなぁと考える。

先にぷるるんを狩るために、東門から左手に進む。

さすがに殆どの人がいなくなっていて、次の街に進むためにもっと奥の方のモンスターを倒しているのかもしれない。



「みっけ」



草原にぷるぷるした物体がふよふよと動いているのはなんともシュールだ。

弓当たるかしら…とぎゅーっと引っ張って狙いを定める。


ぷるるんをじーっとみていたら、中心部にきらきらしているのが見えた。

あれ狙えってことかな?と手を離すと、ヒュッと飛んでぷるるんをかすった。



「あー、むずかしい」



ぷるるんは何すんだ?とばかりにこちらにふよふよと寄ってくる。

距離を取りながらもう一度射つと、キラキラ光ったところになんとか命中して散っていった。

その場には薬爺さんのところでみたコアが残っていたので、すかさず回収する。


うーん、これは攻撃しないと動き出さないぷるるんだからなんとかなるけど、それ以外は練習しないとかなり厳しそうだ。


結局それからしばらくぷるるんで練習を続ける。

30匹倒したところで、問題なく一撃で仕留めることができるようになったし、どうやらきらきらしているのは弱点的なものらしい。

ただこれ動きが素早い敵には厳しい…。


ふと耐久値は?と思うと、初期装備なので半分ほど削られてしまっている。

このままでは壊れてしまうので、狩りは一先ず終了して薬草採取に向かう。


いつものように向かったが、また微妙に場所がずれている。

毎回同じ場所というわけではなく、微妙にずれているがそういう仕様なのだろう。

今日は大きな布をかばんのようにしてその中にどんどん詰めていく。

収納場所を2箇所にしているので、片方にはコアが詰まっている。



「あー、今日は…あ、レモンってでた」



ふと果物あるかな?ときょろっと見回すと、鮮やかな黄色が目に付いた。

これは完全に酸っぱいー!てなりそう。

でも蜂蜜があれば美味しい蜂蜜レモンになりそうだ。あるかな、蜂蜜。


これも数個手の届く範囲でとって、おかあさんのところに向かう。

にこにことレモンを受け取ってくれたので、ご飯のお礼をもう一度伝えてギルドに向かう。

アールさんはいなくて、裏にでも引っ込んだのかしら?と別の受付の人にクエスト達成を伝えた。

薬草は20株だけ渡して、残りは自分で消費だ。ぷるるんは1匹5Gなので210G。コアも売れるらしいけど、大事な素材なので売らない。



「おめでとうございます。ランクがFになりました」


「ありがとうございます。あーと、お聞きしたいのですが」


「はい」


「生産とかできる場所ってありますか?」


「それでしたら、このギルドにもございます。1時間30Gですが個室になりますし、使い勝手はよろしいかと思いますが」


「あ、じゃあ2時間借りたいです」


「はい、ではハンターカードお借りします。…はい、どうぞ、2階になります」



なんだ、このギルドってすごく便利な気がしてきた。

とりあえず、お金も貯めないといけないので頑張ってポーションの作成から始めることにした。

なんとか残金をはじめの1000Gを超えるように頑張ろう。今、780Gだからね…。


修正しました。

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