贈呈
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「薬爺いますかー?」
「お、来たの。やぁあのヴィペールはとても活きがいいねぇ。」
活きがいいってそんな鮮魚みたいな……。
と思ったけど、蛇ってこんな動く?ていうぐらい、入れたカゴがガサゴソ動いてる。怖すぎる。
そしてありがたいことに、引き取ってくれると。
助かる。好きにしていいと言われても困る。
正確には引き取るというか、買い取らせてくれということなのだけれども。
「いや、急に押付けてしまってるし、引き取ってくれるなら大変ありがたいので」
「そう言うだろうとは思ったけどの、これは貴重なものだからな。対価は支払う。譲れんよ。」
何が貴重かって、毒ですよ。毒。
あの毒は使い道が沢山あって、そのうちの一つが、解毒剤。
これは今すぐ必要になる可能性があるからと、今すぐ毒を取りたいとのことで、どうぞどうぞですよ。
なんで今すぐ必要になる可能性があるかって、他にもヴィペールがいるかもしれない。
ギルドから討伐依頼が入る、当たり前だが誰かが受ける。
無事に討伐出来れば大成功!ただし、噛まれることは勿論ある。
早めに解毒剤を使うことで回復も早いし予後もいいのだとか。
そんなものいますぐどうぞ!お役に立てるならどうぞ!
「ありがとう。さて、毒を取るかね。」
「いや危なくないですか?ゴーレムに抑えさせましょう。ね?ね?」
さも当然のようにカゴを開けようとするもんだから全力で阻止ですよ。
問答無用で再び怪力ゴーレムをだして、カゴからヴィペールを取り出してもらう。
ちなみにね、腕4本だった。なんか違うのはそこでした。
2本だと剛力でしたね。うーん、惜しい。
いまはちゃんと腕4本にしたよ!!
しかし、4本あるとできることが広がりそうだな…。
頭を鷲掴みしたのを確認してから、口の紐を外すと、グワッと口を開ける。
うーん、鋭い牙だこと!!!!
あ、毒が出てくるのはテレビで見たのと同じだなぁと思いながら、毒を瓶に回収。
再び口をグルグルと紐で縛ってカゴに入れて終了。
とりあえず解毒剤を急ぐので、ヴィペールそのものをどうするかはまた日を改めてということで。
で、狩りに行こうにもまたヴィペールと遭遇もしたくないしな〜と広場までとりあえず移動。
機織りも一瞬考えたけど…とりあえずこないだ解放した街までポータルで移動して食材見てこようと思いついたので、いざ!!
「おお、なんか賑わってる市場だな?」
なんか商店街とかに近い空気を感じる。
しかも下町の。声が飛び交うこの空気感、好きです。
活気が違うんだな、うん。
やっぱり領主さまがいるというのはそれだけで違うものなんだろうね〜とウロウロしてたら、前方に見覚えのあるローブ発見。
「あー……フォールドさん!!」
「おや?お買い物?」
そういうフォールドさんは果物を購入していた。
冒険者を健康的に続けるには栄養も考えないとね、とのことで、果物はよく買うのだとか。
確かに、食事は偏るとよくないね。
野宿だなんだということも少なくないため、手軽に食べられる果物を買うことはよくあるらしい。
皮ごとかじれるなら手間も少ないからねぇとリンゴを見せてくれた。
危険の少ないセーフエリアだと柑橘系とかも食べるらしい。
ナイフを使って皮をむくタイプはあんまりかな、手間だし。と言われた。
この世界に栄養補給ゼリーが完成していたらたいへん売れていたことでしょう。
10秒チャージ!って、冒険者の味方すぎる。
は!……ぷるるんのコアでそういうゼリー包めばいけるのでは……?
「あ、そうだ。甘いもの好きですか?」
「甘いもの?そうだねぇ、疲れてると食べたくなるね。」
「ではどうぞ」
あんぱん贈呈です。
手軽に渡せるの、いいね。
5つくらい渡すと、4つを収納したのでひとつは食べるのかな?
「ありがとう、気になるから早速ひとつよばれようかな。そこに座って食べたいんだけど、いいかな?」
近くにあるベンチを指さしたのでついていく。
空腹度も気になるし私もなんか食べよう。
まだあんころ餅あったな。
「おや、これはいいね。食べやすくて甘くてとてもいい。素晴らしいよ!!」
「よかった。あと、前見せてもらった魔石、気になったんですけど……フォールドさんは冒険してるくらいだから魔力は多いんですよね?」
「うん?うーん、まぁそうだね。多い方かもしれないけど、上には上がいるからねぇ……」
多いから、魔法で戦ってもそう簡単に魔力が足りない!とはならないけど、いざと言う時の大技を使うときは心許ないんだよね、と。
そんな大技使うことありますか……とドキドキしたけど、ボスクラスがでたらそうなるだろうし、生きるか死ぬかになると出し惜しみしてられないもんね。
保険みたいなものか。
そうなると私も必要なものじゃない?これ。
やっぱり頑張ってソルセルリー行かないと。
あんぱんはあっという間に食べ終えて、興味を示したあんころ餅も幸せそうに食べてました。
美味しいは正義!




