記憶力がんばれ
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というわけで。
平日は短時間ログイン。
狩ります。
アレニエさんこんばんは!さようなら!!
魔法の練習も兼ねてあれこれ。
雪の女王のように吹雪で凍らせてるときに、ふと思った。
ゴーレム戦わしてみようと。
水曜日なんですけど、ちょっと飽きてきた。
ひたすらにアレニエ狩るの。
作業ゲーになるのは仕方ない部分もあるけどね?
そんな毎日がイベント並に何かあるものでもないでしょう、そうでしょう。
そうなると、どんなゴーレムにしようか考えるわけで。
「とりあえず、ベタなやつ?」
あの有名なRPGのゴーレム?あのレンガ出できてますよーみたいな。
うーん、あ!ポケットからのモンスターの怪力のやつにしてみよっかな!?
えーと、たしか……こんな?腕……2本だっけ……?
まぁいいか。
「あー、ぽい!こんな感じだったはず!なんか違う気がするけどまぁよいでしょう!よし、ではゴーレム、アレニエを狩ります。木の周りをウロウロしたら上から降りてくるから倒してね!」
こくりと頷いた怪力ゴーレム。色は土色です。
あ、武器……と思ったけど、さっそく降りてきたアレニエに右ストレートが決まった。
「おー……あ!糸は回収してね!これ腕に一旦巻いておこうね」
腕に有限収納つきの布を巻き付けておけば、自動的に倒して糸回収までこなしてくれる素晴らしい怪力ゴーレムですよ!
あれボクサーなのかな…?
ボクサーぽいやつは別のタイプだった気がするけど……?
ぶっちゃけずっと狩りは飽きるので、たまに薬草だ果物だを収穫しながらアレニエは氷漬け。
お!?嫌な予感!退避!!
「うぅーわ、でっかい蛇!!!!」
さっきまでいたところの近くの茂みから飛び出してきたのはサイズどうした?な、蛇。
長さ私より長くない!?というか倍近くない!?こんなのどこかの動物園とかじゃなきゃみないよ!!
とりあえず……凍らせてみよう!
ひえっあんまり効果がないようだ!?
まぁこの寒い季節に動いてる時点でそれはそう。
あ、怪力ゴーレム……ええ、そんな器用に生け捕りを……
そろりと近寄って頭をぎゅむっとしっかり掴んだね。
すごいな……。巻き付かれても痛くもなんともないわけだし。
「そもそもゴーレムだから毒蛇だったとしても、何も効かないのか」
ひとまず、カバンに入れっぱなしだった毛糸で口を開けられないようにぐるぐるに巻き付けてもらって……
どうしたもんか。
なんか適当な大きな布をカバンぽく端っこ結んで……?
中でウゴウゴと動くこれを私が持つの?え、いやだな。
うーん……
このまま街まで一緒に行くか。
もう今日は街に戻ってもこの蛇どうにかしたらログアウトだ。
「その蛇、そのまま捕まえて離さないでね!街に戻るからついてきてね!」
こくりと頷いたのを確認して街に向かうと、門が見えた辺りで門番さんに2度見された。
え?ん??は!?みたいな反応の後、人が追加されバタバタ走ってくる。
うん、なんかそんな気がしてた!!
「おおい!?なん!?あ!ヴィペールじゃねぇか!」
「ヴィペール……」
「噛まれてないな!?後ろの……それは……友達か?」
「あ、これはゴーレムです」
じゃあ噛まれても平気か!と一安心した模様。
しかしなんだコイツはって顔しながらも、言葉を選んで出たのが友達って…。
なんか気を遣わせてすみません。はい。
そして口を紐で結んだのは正解だと。よかったね!!
噛まれたら1時間であの世行きなんだって。
とんでもねぇ蛇だ!あのとき、嫌な予感に従って正解だったわ。
どこで見かけた?と確認されたので、アレニエがよく出てくるあの森ですよと伝えると、それはダメなやつだと慌ててギルドに走っていった。
おお、やっぱりダメなやつ。
そりゃあ毒蛇が近くにいるなんて恐ろしい…。
今まで見かけてなかったし、気をつけろとも言われてないから突然現れたんだろうな……。
「これ、このヴィペール?どうしたらいいですか?」
「あぁそれは捕まえた人が好きにしていいけど…」
「……師匠か薬爺に渡した方が正解な気がしますね!」
「あぁ、そうか、それがいい。」
では、と別れてそのまま薬爺のところに。
今日は時間ないのでとりあえずこれ頼みます!と言うと、ほほほ!と笑いながら大きめのカゴに入れるように言われ、そこにヴィペールを押し込んで、では!と広場に。
そのまま怪力ゴーレムから腕に巻いた布を回収してから、バイバイしてログアウト。
うーん……明日のログインは薬爺のところに行くところからスタートだな。