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ウマシカテ・ラボラトリィ ―食いしん坊の閑人閑話―  作者: 菊華 伴(旧:白夜 風零)
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ザ・インフルエンザVSカキ

 カップめんをすすりながらニュースを見ていると、インフルエンザがはやっているとか言っていた。インフルエンザかぁ。そういえば今年は予防接種してないなぁ。

(かかったらいやだな。人ごみ避けとこかな)

 カップめんをすすり続けていると、チャイムがなる。と、話していた漫画家さんだった。名前を寺島さんといい、このマンションを仕事場にいている(そして、時に缶詰になっているからある意味暮らしているのと変わらない)。

「管理人さん、先日はありがとう。女房が体調崩して病院に連れて行ったりしていたら締め切り近づいててホントご飯食べてる暇なくて……」

「いえ、無事ならいいです。奥さんの具合はいかがです?」

「お陰さまでもうすぐ退院。なんでも急性胃炎でさ、2日まえまで絶食だったわ」

 そう苦笑する寺島さんは、手に籠いっぱいの柿を持っていた。なんでも庭で取れたらしい。そういえば、この人の家の庭には柿があったんだ。


 寺島さんの本当の家は、元々奥様のご実家だった駄菓子屋兼雑貨屋(築50年以上の平屋)。奥様のご両親は既に亡くなっており、店は奥様とその妹さんが経営している。近所に小学校、中学校、高校とある上文房具も豊富に取り扱っている為(だが、駄菓子屋と言い張る)、お客さんにはこまっていないそうな。

 僕も何度か頼まれて行った事があるが、その裏庭に立派な柿の木があるのだ。とてもおいしそうな実を毎年ならし、寺島さんがこのマンションに来てからは毎年頂いている。


「これ、よかったらどうぞ」

 そう言って僕は奥様が好物としている駅前スイーツ店のクッキーと紅茶が入った紙袋を寺島さんに渡す。と、彼は「すまんな。ありがと」と受け取ってくれた。

「あぁ、そうそう。インフルエンザが流行ってんね。昨日スタッフさんの1人がかかっちゃったらしくてね。修羅場明けだからもう全員3日ぐらい休めって言ってきたんだ。おれも今から家で休むし。管理人さんも気をつけなよ?」

 そう言うと寺島さんは一礼して去って行った。

 しかし、この柿。実においしそうだな。兄夫婦のとこにもお福分けするとして、残りは今頂いちゃおうかなぁ~? あぁ、このつやつや感! 実においしそう!! 早く食べたーいっ!!

 るんるん気分で部屋に戻り、早速柿をむこうとしたその時、僕の携帯がなった。だれだろ? 不思議に思い(がっかりした気分も混ざりつつ)包丁を置いて出てみる。

「はい、鈴木です」

「2階の鹿島や。今、ええか?」

「ええ。いいですよ」

 僕が通話を切ると、しばらくして鹿島さんがやってきた。その手には発泡スチロールの箱が抱えられている。そしてでかいラベルに『おいしい牡蠣』と書いてあった。

「ちょうどな、懸賞にあたってん。先ほど到着したんや。よかったら蒸し牡蠣とかにするさかい、一緒に食べんか?」

「それ、電話でいう事ですよ」

 僕が苦笑していると、鹿島さんが玄関から入ってくる。まぁ、この人なら別に悪いことはないな、と思いながら見ていると、早速という具合に箱をあけていた。

 なかにあったのは保冷剤と大きな牡蠣。うわっ、これおいしそうだ! これなら生のままでつるん、とたべるのもいいなぁ。でも僕はカキフライや鍋の方が……。

「生食用と加熱用とあるみたいやな。生食用は今、スダチとかと一緒にたべてまお。加熱用は鍋って手もあるんやけど、どないする?」

 僕が牡蠣に見とれている間に、鹿島さんがそういう。僕は少し考えて「鍋にしましょう」と答えた。まぁ、家にネギとか、白菜とか鍋の具があるし……。昨日の夜牛しゃぶしたけど肉だけなくなってるのだよ……。


 とまぁ、こんな具合で急遽鍋と相成った。




ここまで読んでいただきありがとうございます。

まだ続きます。ぐだぐだと。

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