こんわくらんち
おひさしぶりだいこん。
生存報告気味に明けましておめでとう御座います。
まだまだつづくんじゃよ。
「姉さん、お見舞いに来たよ。起きてる?」
「鈴木君、代わりにでて。声が出ない」
幸田さんの言葉に僕は頷いて玄関に。そしてインターホンに出た。……なんか緊張するなぁ。相手は弟くんなんだから。
「久しぶり、陽くん。元気だった? いま、明さん、声が出なくてさ」
「は……?」
陽くんは、物凄く困惑した声をだす。
「さっき、病院に明さんが行っている時に会って、ここまで送ったんだ」
「! なるほどね。同棲とかじゃないんだよな!」
その言葉にツッコミを入れたくなったが、取り合えず、良かったのかな? 僕は陽くんを家に上げた。
「これ、旭先輩が作ったの?」
用意された食事に、陽くんは目を丸くする。そういえば、僕が作ったものを食べたことがなかったっけ? 僕が頷くと「ホント!?」とびっくりしていた。
「美味そう! 俺も食っていいの?」
「うん。みんなで食べた方がいいじゃない」
僕がそう言うと、明さんも頷いた。ゆっくり起き上がった明さんは部屋着の上にカーディガンを羽織り、ベッドに腰掛けながら口を開いた。僕が手をかそうとしたら断られた。
「鈴木君の、料理、美味しいわよ」
「自信はないけど。ほら、陽くんはシェフの卵じゃないか」
陽くんはとあるホテルで修行中の見習いさんで、彼が作る料理は美味しい。趣味で作る僕なんかよりずっと美味しい料理を作る。そういえば陽くんが作ったスクランブルエッグ、すっごくとろとろでおいしかったっけ……。
「僕はまだまだだよ。っと、料理冷めちゃうんじゃない?」
温かい方がおいしいでしょ? と陽くんに言われ、僕らはとりあえず昼食にした。
「…………何、これ」
陽くんの第一声は、それだった。レタスのサラダとスープと、パンですよ。あと、おかずにちょこちょこ卵焼きとか、魚にハーブソルトまぶした焼き物とかですけど。
「私の、わがまま、聞いて、貰っただけ」
明さんがどや顔でいう。いや、そんな顔で言うことじゃない。
僕が「こんなのでごめん」と恐縮していると、陽くんは手を合わせて「頂きます」と静かに呟いた。
スプーンでスープを一口飲んで、陽くんは何やら考え込む。僕からしてみれば、ドキドキなんだよね。陽くんの口に合わなかったかな?
過去に手料理を食べさせたら、今の陽くんと同じ仕草をした友人がいる。その時は「美味しい」と言ったのに影で僕の料理の悪口を言っててがっかりしたっけ。だから、ちょっと不安になったんだ。
僕が陽くんを見ている、明さんが僅かに笑った。何故か、それだけでちょっとほっとして、自然と僕の頬も緩む。
「これ、最初はちょっち物足りないって思ったんだ。でも、案外いけるねぇ」
「本当? なんか考え込んでるみたいだったから口に合わなかったのか不安だったよ」
「意外とお腹に溜まりそう。僕も作ってみようかな」
そのひと事が嬉しかった。
昼食後、食器を片づけた僕は自宅に戻ることに。
陽くんと一緒に明さんにお大事に、と言って家を出、二人で駅前通り目指し歩く。
その道すがら、陽くんが口を開いた。
「鈴木先輩、姉貴の何ですか?」
笑いながらも困惑が混じった声に、妙な緊張感が漂う。だけど、僕は肩を竦めた。
「今は、友達だよ」
そう言う僕に陽くんはチョコクランチの包みを破りながら
「そんじゃあ僕ぁ、まだ鈴木先輩を兄貴って呼べませんね」
と悔しそうに言った。
えー……っと、それは僕の気持ちを知ってるって事ですかね、陽くん?
陽くん「今、恋人じゃない2人に困惑だよ」(真顔)
陽くん視点はしばしお待ちを。
スランプ中で御座います。(T T)
あと、この小説に出た料理のレシピとかエッセイを考え中。
ネット小説大賞に再チャレンジも視野に入れています。




