ラザニアでお祝い
あれよあれよと12月になった。ほんと、月日が流れるのを早く感じるようになったね。寒いって辛い……。
そんでもって、今日は同じ市民オーケストラの低音パートで集まって飲む事になっていた。福岡さんという、僕と同じコントラバス担当の方の家で、だ。先日鍋を皆で囲んだけど、その時福岡さんが来年2月に結婚するって事を皆に報告したんだ。
お相手はバスクラリネット担当の明石さん。今回の飲み会はその祝いもかねて、である。蛇足だけど、明石さんの方が男性で、3歳年下なのだそうだ。その関係で今回の飲み会はクラリネットパートの皆さんも一緒。まぁ、忙しい時期というのもあって参加者は12人(+福岡さんと明石さん)となった。
それはいいとして。何を料理に持っていこう……。これが悩みなんだよなぁ……。
今回は、参加費を取らない代わりに皆で何か1品持ち寄って飲むって事になっていた。幸田さんはチーズケーキを買ってくるって言っていたし、鹿島さんは「これや」って笑顔で泡盛の瓶見せてくるし、ちょっと悩む。大河内さんや逢坂さんも何もって来るかなぁ。なるだけ被りたくないのが本音。
最初はグラタンも考えたけど、イマイチ妙に芸がないというかなんというか。なんかこう、もうちょいお洒落なのがいいんだけどおもいつかない。
こんなときは……兄貴に相談だ!! 早速メールを送ったら電話が掛かってきたよ。
「結婚祝いの飲み会ねぇ」
兄はうーん、と少し悩んだ上でぽつりと
「その福岡さんの好物って何?」
「ラザニア」
「それ作ってやれよ」
「……お祝いの席だけど大丈夫かな……」
僕の即答に、兄は即答で返してきた。うーん、お祝いだけどまぁ、内輪の席だし、いいかなぁ……。とりあえず、材料を揃えてみよう。……春巻きの皮でもいいかな、ラザニアのあれって。妙に高いし。よし、春巻きの皮で代用だ。僕は兄との通話を切ると早速材料調達に向かった。
最近は、ミートソースとかホワイトソースとか、手軽に作る事の出来るものがあっていいよね。それでお手軽に作れるし。ホワイトソースにはタマネギとジャガイモ、マッシュルーム仕込もう。あと、ミートソースの層にはナスも入れちゃおう。
ホワイトソース、ミートソース春巻きの皮(2枚)という順にグラタン皿(耐熱硝子製)に入れていく。硝子の皿だから、層が綺麗に出来ているとおいしそうに見えるかな?
改心の出来! と嬉しくなりつつそれをもって福岡さんの家へ。建築士である明石さんが設計した家におじゃまする。時間よりちょっと遅くなっちゃったけどマナー的にはこれでいいらしい。
「鈴木くん、何作ってきたの? すっごくいい匂いがするよ」
明石さんがほんわかする笑顔で問いかける。僕は後で、と言うと、テーブルに置かせてもらった。既に皆で持ち寄った料理はどれもお洒落で、おいしそうだった。中島さん一家お手製の豪華なちらし寿司に、大河内さんが用意したローストビーフ。逢坂さんお手製の揚げ物セットなどなど。
蛇足だけど大河内さんは仕事の都合で参加できず、このローストビーフをデリバリーの方の送ってもらったそうな……。
「これはこれで豪勢ですねぇ」
「お祝いだからね。それに、クリスマスちかくにコンサートがあるでしょ? それの景気付けでもあるわけだし」
晦さん(中島パパ)が楽しげにそういえば奥さんの睦月さんが苦笑し、息子の暁くんもそれにつられて笑っていた。確かに、パパさんの言うとおりだねぇ。
「ま、クラリネットパートのみなさんも、低音パートのみなさんも集まってくださりありがとうございます。それでは、早速はじめましょう」
温度を福岡さんがとり、早速食事会。鹿島さんが持ってきた泡盛はさておき、まずはビールやら烏龍茶やらで乾杯に。あ、僕ビールが苦手だけどこういった席ではちょっとだけ飲むよ……。
「ほんなら、12月のコンサートに向けての前に、仲間の幸せを祝して――」
「「乾杯!!」」
この日、色々食べたけど、どれも美味しかった。
僕が作ったラザニアも喜んでもらえたし、嬉しかったな。
それ以上にラブラブな福岡さんと明石さんの様子が楽しかったかも。ご馳走様でした。
でも何でだろ。幸田さんを見て、その隣にいる僕をイメージしてしまったのは。
読んでくださりありがとうございました。
ラザニア、いいですよね。




