表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ウマシカテ・ラボラトリィ ―食いしん坊の閑人閑話―  作者: 菊華 伴(旧:白夜 風零)
3/79

カレーラーメン(模索編)

 あ・ち・ぃ!


 ……一言目が『暑い』ってなんだろと思うだろうけど、市民オーケストラの練習の帰り、雨上がりの街は涼しいのにバスを追いかけていたら暑くなった。そんな訳だよ。因みに、相棒たるコントラバスは一緒。……運び方は毎度悩む。免許はあるけど、訳アリで現在兄に車を貸しているんだよねぇ……。

「嫁が妊娠した! 祝ってくれ!!」

 と興奮した兄は気が早いのになんか車で買い物に出かけてしまった。何買ってくる気だ兄よ……。因みに、義姉(僕と同い年)は現在、僕らの実家にてゆっくり休んでいる。つまりは留守番中だ。


 ここで僕の家の事情について簡単に説明するよー。僕の両親は現在世界一周旅行中。で、僕はその間両親が持つマンションの管理人として業務を手伝っている。そして、義姉も時々手伝ってくれているのだ。

「お前も大学卒業したし、お母さんと2度目のハネムーンしてくるよ」

 とこつこつ貯めていた貯金で母と出かけていった春の日を今でも思い出す。そして僕はというと、大学時代に会社を立ち上げた先輩に誘われたウェブデザイン関連の会社で働いている。マンションの管理人としての仕事もあるから、今は時折会議に参加、普段は家がオフィスと兼用という具合……。父の書斎がスクリーンとかウェブカメラ付きのパソコンとか、好きな映画のポスターとか、魔改造されているけど、ごめんなさい。


 どうにか帰り着くと、義姉を迎えに来た兄も既にいた。合鍵つかって上がっていたみたい。

「休ませてくれて、ありがとうな。クーラー故障しちゃって今、修理してもらってたんだよ」

「そういえばそう言っていたっけ」

 兄の後ろで、義姉が「ありがとうございます」と可愛い笑顔で頭を下げていた。僕もこんな可愛いヒトと結婚したいなぁ。兄弟そろって好みの女性が同じっぽいし、ちょっと兄がうらやましい。

 僕が荷物を自室に置いている間に、義姉が麦茶を用意してくれた。兄が買ってきてくれたペットボトルのだが、それでも美味しいものは美味しい。


 その日の夕食はカレー。兄が作ってくれていたそうで、なかなか美味しかった。一緒にご飯を食べた後、兄夫婦は「そろそろクーラーの修理も終わるから」という事で帰っていった。


「けっこうあるなぁ」

 で、現在僕はもらったカレーとインスタントの塩ラーメンを交互に見ていた。実は、後で前々から考えていた事を実行に移そうと思っている。


『実家でお手製(?)カレーラーメン』


 これがまぁ、小さいけど僕の欲望だったりする。前にカレーラーメンが食べたいのに急いでいたから間違えて味噌ラーメンを買った時にはすっごくへこんだ。まさにあれだ、ネットスラングの『ORZ』の体勢になって台所で泣いたさ。

 それはさておき。どんなタイミングでこのカレーを塩ラーメンにぶちこむかが問題のような気がした。……やはり、スープの粉を投入したあたりが一番いいのではいいのではなかろうか……。1人シリアスな顔でキメながら考えていると、夜の10時を回っていた。とりあえず、今日食べるのはやめよう。明日の昼ごはんに回そう、うん。カレーって、一晩置いたほうがもっとおいしいし。


 そんなこんなで翌日それを実行しようと思ったのだが、僕はカレーを作り足す羽目になる。



一体どうなるカレーラーメン。


ともかく、読んでくださり有難うございます。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ