この世界について
この宇宙には、数え切れないほどの星々が存在する。
その星々の中に“それ”はあった。
それは全てを内包する世界だった。
緑の平原や険しき山々、蒼い海や目映い陽光に至るまでの何もかもが、星を思わせるほどに巨大な球体の内部に存在した。まるで大地の表面を引きはがし、ぐるりと裏返して閉じた空間_________それがコクーンと呼ばれる世界だった。
理想郷______コクーンは天敵も餓死も存在しない楽園であり、理想郷であった。
人口はみるみる膨れ上がり、今では数千万人を達した。
そのコクーンには、星学園という名のコクーン最大魔法学校が存在した。
星学園は第一次宇宙戦争の後にできた学園で、今までたくさんの優秀な魔法使いを放出した学園として有名であり、今や子供達の憧れの学園だ。そして、コクーン内では唯一の魔法学校だったため、今でも入学生があとを絶たない。
コクーンは動揺していた。
数千万人の市民が感じた恐怖が、波紋のように広がっていく。
人々を恐怖に陥れたのは、第二次宇宙戦争の宣言だった。
絶望に打ちひしがれた市民の中に、強い意志を秘めた瞳が鋭い光を放つ。
このコクーンを、仲間を、市民を守るために、姉妹の女戦士が立ち上がる。
それは同時に、第二次宇宙戦争の始まりだった___。