30-④
このお話は加筆執筆した部分。2019年3月6日新たな追加のストーリー。
最新話ではないのでご注意ください。
龍之介は横にいるちさとにキスをする。彼女も同じようにキスをした。
起き上がった龍之介の服を脱がしながらちさとはキスをして、彼をベッドの上に押し倒す。
今度は覆い被るような格好のちさとと龍之介が向かい合っていた。下から手を伸ばして彼女の服を脱がしながら、肩や首に口づける。
気持ちが高ぶる龍之介はちさとの身体上の下着を外す。そして、彼女のスレンダーの割に胸が大きい身体を引き寄せる。白くて少しピンクがかった肌へ、唇と舌を這わす。
ちさとから声が微かに漏れ出ると、また彼女の唇へとキスを。それから彼女をベッド側へ寝かせた。
龍之介が覆い被さる形で真下のちさとの肌をゆっくり味わう感じに、いやらしく口や指で触れる。だんだん彼女の身体の下へ降りてゆくと、彼女の足の付け根辺りの太ももへ何度かペロっと軽く舌で舐めた。
ちさとがその度に龍之介の舌の感触を感じたらしく、声が出るのだった。
龍之介はへその下辺りに唇を移動させて、ちさとの下着をズラした箇所にキスをした時、彼女は声を上げる。
「やっぱりダメ。出来ない」
ちさとの声で、龍之介は彼女の上半身へ戻る。表情を隠す為の手からは彼女の泣きそうな顔が指と指の間から見えるのだった。
「やっぱり――こんな事できない、あたし」
龍之介は優しくちさと自身の顔を覆う手をどける。それから彼女の涙を舐めた。
「ちさとさん、泣かないで」
「龍、くん……ごめんね。今あなたとの関係を汚すような事したくない。いつか龍くんあたしから離れるかもしれない。その時にこの関係でとまっておかないとダメな気がするの」
「俺は離れたりしないから」
龍之介はちさとを布団の中で抱きしめるのだった。
◆◇◆◇◆
ちさとの昔の言葉で、彼女は龍之介が本気だとは感じていない事を思い出した。
ふたりの間では沢山話もした。でもあの頃からちさとさんは年下の頼りない男だと感じていたのかも、と今回の出来事と過去の出来事をシンクロせずにはいられなかった。
「ちさとさんにとって……俺は結局、お子様だったのか」




