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30-②

このお話は加筆執筆した部分。2019年3月6日新たな追加のストーリー。

最新話ではないのでご注意ください。


 二度目には龍之介の名前も教え、ちさとが高科オーナーの奥さんだと知る事にもなる。

 出会った時はお互いが惹かれ合っていくとは二人とも夢にも思わなかった。

 

 出会って暫く時間が経った頃、お互いを知る様になって特別な間柄になっていくのをふたりは感じていた。

 龍之介がその想いを初めて口にした時は、相手にしてもらえる事がなく、笑ってちさとにやり過ごされた。それでも何度も彼女に想いを伝えたが、ある時行動で示すのだった。


 ちさとにどれくらい自分が本気かを龍之介は知ってほしくてホストになる。ホストになれば彼女を苦しめる借金の返済金を稼ぐという行為で示したかったが、彼女の反応は思っていたものではなかった。


「どうして、勝手にそんな事するの?」

「俺の気持ちわかってるだろ。でも本気だとは思ってない」

「だからって、そんな事してほしくない」

「ちさとさんだけの為でもない、俺は早く自立したいんだ」

「……龍之介くん」

「俺の覚悟を黙ってみてて欲しい」


 グッとちさとを引き寄せた龍之介。彼女の顎をそっと指で触れてから上に向ける。

 お互いの気持ちを確かめるように口を何度も重ねるのだった。

 


 それから一度だけ龍之介はそれ以上の関係をちさとに求めた事があった。彼女も覚悟して榊本家の家へ。


 兄弟の誰もいない家。

 龍之介の部屋で愛し合う事を決めたふたり。

 ふたりは寝る時とは違う縦じゃなく、ベットを横に使って、その上で寝転んでいた。


「ちょっと、ドキドキするね」

「ああ、どうしようもなく鼓動が早い」

「もしかして……?」

「いや、初めてじゃない」

「じゃあ、ここで他の娘と」

「初めてだよ、ちさとさんが初めて」

「ホントかしら?」

「そう言う、ちさとさんだって」

「それりゃあね……初めて――じゃないわ」


 分かっていた答えだったが、正直複雑で何とも言えない感情になる。少し不機嫌な顔になる龍之介。

 

「あなたより大人だもの。もしかしてガッカリした?」


 首を横に振った龍之介は黙ったままでいる。


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