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第14話 よみがえる鼓動とくちびる

 良人は莉亜と龍之介を少し離れた所で、見つめていた。

 莉亜を救出しようと、倉庫の裏側に駆け向かう為、構内を走っている所、良人はふたりを見つけた。そして、莉亜の後ろ姿が見える廊下から、ふたりの楽しそうな雰囲気をみて、出るに出られないのだった。


「なんで、龍之介が……」


 廊下の曲がり角からふたりの様子をうかがい見ていると、ふたりの距離が近づいている。どんどん距離が縮まり、ふたりが重なる、ように見えるのだった。


(おい、おい、おい……何してるんだよ……まさかのまた――――キス?)


 ふたりの声も聞こえないし、目の前の出来事に、頭の中がグルグルと色んな事がめぐり過ぎて、考えがまとまらなかった。

 良人は自分の頭の中で、ふたりの事を色々迷走し始めていた。


 ◆◇◆◇


 一方、莉亜にイラッとした龍之介は彼女の顔の目と鼻の先まで近づき、自分の眉を上にあげた。


「あんたは、あと何回、でもって、言う気だよ」


 口をふさがれた事によって、しゃべる事ができない莉亜。


「ンガ、フフンガ、フン――――」

「なにっ? さっぱりわからん」


 莉亜が龍之介の手を取る為に、指を引っ張るが、まったく無意味な行動。


「手取ってほしいのか?」

「フガ、フンフン」

「犬か、あんたは」


 呆れた顔で龍之介は仕方なく、莉亜の口から手をどける。

 手が口から離れた瞬間、息を吸い込んで貯め込んだ力いっぱい声を出す。


「っ――――兄妹なの」

「あ~はい、はい」

「ホントに、信じてくれた?」

「信じる信じる」

「ホントにホントに兄妹だから」


 何の前触れもなく、スッと腕を伸ばした。優しくポンポンと莉亜の頭をなでる龍之介。


「もうそれだけ、言えれば、本当に心配ないな」


 龍之介はそう言ってから、莉亜をなでた後、扉のステンレスの様な素材の取っ手部分を握る。

 莉亜はその行動で、彼が外に行こうとするのがわかった。


「あの……本当にありがとう、龍之介くん」


 顏だけで莉亜に応えてから、ガラスドアを押し開けて、外に出た龍之介。

 

 黙ったまま、ガラス越しの龍之介の後ろ姿を、目で追う莉亜。あの時の事を想い、自分のクチビルに指でソッと触れる。また胸が高鳴り、鼓動が早くなっているのが、ハッキリわかった。自分の胸に手を当てて、胸の鼓動を落ち着かせようと必死になるのだった。(※第9話参照)


「絶対にあり得ない……あたしには彼氏の学くんがいるん、だから」


(こんなんじゃ一緒に住めないよ。兄妹――――になりきらなきゃ)

 

 莉亜は自分に魔法をかけるかの様に、何度も何度も心で同じ事を唱えた。

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