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約束破り

夕方、久しぶりに電車に乗り隣町へ移動した。

深雪との待ち合わせ場所に着いた。

季節は冬の訪れに皆、帰路を急ぐ様に見える。


深雪「賢一君、、、」

声の方を見ると深雪が立っていた。


深雪は瞳を潤わせて今にも涙が溢れ落ちそうだ。

深雪は賢一に駆け寄ると賢一の袖をつまむ。

今の彼女に出来る精一杯の愛情表現なのだろう。

2人で商店街を歩きながら徐々に深雪の緊張も

解れ色んな話題を振ってきた。

深雪は小柄で可愛らしい子、髪の毛は栗色で

肩まである髪型はとても似合っていて男好きする

要素はあると思う。

ふと気になり聞いてみる。


賢一「深雪は彼氏とか作らないの?」


深雪「、、、ん。そうだよね、、、彼氏欲しいよね。」

あまり興味がない返事だ。

深雪「あっ。あそこだよ!」

深雪は僕の腕に自分の腕を絡ませると目的の

ケ―キ屋さんまで賢一を引っ張る。


深雪「わぁ綺麗。どれも美味しそう!」

深雪の目はキラキラ光っていた。

僕は少しズルいが深雪に女の子が好きそうなケ―キを聞く。勿論桃子ちゃんへのケ―キだか。

深雪「私はね、今はこの和栗のモンブランが食べたいなぁ。」

賢一「いや、深雪が食べたいのじゃあなくてさ!」

深雪「あと、王道のいちごのショートケ―キ

でしょ!あと、3種のチ−ズケ―キも!」


僕は少し呆れたが深雪に桃子を重ねてしまっている事に申し訳なさを感じ好きなケ―キをご馳走する。

僕は明日、ケ―キを買って病院の前で桃子を

待とうと思う。

勿論、朝は無理だから桃子の学校帰りになると思う。

ただ帰り道は病院の前を通らなかったらどうしようかと思ったが明日に会えるかもしれないと思うと喜びの方が大きく何を話そうかばかり考えていた。


辺りはすっかり暗くなり深雪は冷たそうに手を擦ると自分の息を吹きかける。

賢一「寒いでしょ?なんでこんなに寒いのに短いスカートはくの?」


深雪は少しふくれた様な表情で僕の腕にしがみつき顔を押し当てて

深雪「、、、そんなの当たり前でしょ。

かわいいって言って欲しいからだよ。」


きっと今、深雪を抱きしめる所なんだろう。

小さな女の子の勇気ある行動は評価されるべきだ


ただ仕方がない。今までに長い時間を過ごした深雪よりもほんの2.3時間しか過ごしていない桃子の方に今は心を奪われてしまっている。

せめて、桃子にありがとうのお礼を明日言うまでは。少し待って欲しい。

強がりかもしれないが桃子ちゃんと付き合えなくてもいいんだ。あんな口約束信じてました!なんてやばいもんね。

ただ君の言葉に生きる事の意味を見つけれた男が

お礼を言いたいだけ。


次の日、僕は午後からケ―キを買い3時頃から病院の前で桃子ちゃんを待つ。

遠くから女の子がこちらに向かって歩いて来た。

交差点で丁度赤になり女の子は横断歩道の前で

立ち止まる。

うっすらピンク色の髪。

僕の心臓は、高鳴り思わず叫ぶ。

賢一「も、桃子ちゃん!」


女の子と一瞬目が合う。


完全に赤になり車が途切れなく行き交う。

車で桃子ちゃんの様子がわからない。


信号が青になり、そこには桃子ちゃんの姿はなかった。


僕は予想していなかった結末に意識が朦朧とした。

まさか逃げちゃうとか、、、

もしかしたらお互い好きかも、、、なんて考えて

いた痛い自分に泣けて来るよ。


でも彼女は悪くない。それが彼女の答え。

彼女のメッセージは受け取ったよ!

僕に生きる強さをくれた桃子ちゃん本当に

ありがとう。

僕はクルリと向きを変えると歩きだした。

だってあんなに素敵な女の子を世の男が

ほかって置かないって。

第一あんなにスタイル良くて、性格も良くて

、、、、、


僕は家に帰るまでずっと桃子ちゃんの良い所ばかりを呪文の様に唱えていた。

勿論泣いてましたよ。

失恋のしょっぱい涙でした。




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