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第六話 勇者と朝ごはん

昨日行ったダイニングルームに向かい朝食を食べる。昨日はミオが運んできてくれたが、今日は冥土さんが持ってきてくれた。たぶん、元々冥土さんの仕事なんだろうけど…

昨日見当たらなかったのはなぜだ?

冥土さん以外にも誰かいるのか、いや居てもおかしくないんだけどなぁ。…などとそんな事を考えているうちに朝ご飯がやってきた。

二つの皿には大きめの白いパンと野菜やその他おかずがあった。彩りも綺麗で見るからにお腹を空かせる。

「うまそ…」

それに、こんなに真っ白なパンは見たことがない。家にあったパンは茶色パンで見るからに硬かった。ここにあるパンは見るからに柔らかそう…

ゴクリ…

「ベリタ!!」

「食べようか!!あっ冥土さんのは…」

冥土さんは俺たちの分は持ってきてくれたが自分の分を持ってきてない。せっかくなら、皆で朝ご飯を食べたい。

「アルジノマエデハイタダケマセン」

使用人は主の前で食事などとプライベートを晒さない。という掟がある。やはりここでも使用人としての掟があるようだ。でも…

「一緒に食べませんか」

「デスガ…」

「ベリタ!!」

ミオは話の内容が分からないので困っていた。

「ごめんミオ」

こういうのはなんて伝えたらいいんだろう。冥土さんはミオに聞かないだろうし…

「ミオ!!…冥土さんとこれ!!一緒に食べる!!」

手振りで伝えるしかない。冥土さんとご飯を交互に指しながら伝える。後は食べる仕草を…

「……………??」

伝わってない…

やっぱり、言葉じゃないと難しい。言葉の便利さ…コミュニケーションの大切さが身にしみて分かる。

「ハァ…・・・・・・・・・・・・・・・・」

なんかため息混じりで冥土さんが言っている。もしかして、ミオに俺がなんて言ったのか説明してくれているのか!!

期待の眼差しで見ていたら…

「…・・・・・・」

なんか最後はこっちを見ながら悪意を感じる言い方をしてきた。

なに言っているのかわからないけど…『めんどくせぇ』みたいなこと言っている気がする。

「ベリタ!!」

ミオはわかったのか冥土さんに一声かけた。すると、冥土さんはキッチンに向かい。すぐに、パンを持って戻ってきた。

「ミオ!!ありがとう」

コクッ…

よかった。冥土さんも席に着き食べる準備ができたので…

「いただきます」

皆で食べる。

やっぱり、パンは思った以上に柔らかく美味しかった。このパンの柔らかさなら他のパン作りにも適合することができるだろう。このパンの作り方でメロンパンとか食パンとか柔らかくもちもちなのを作りたい。それに、野菜も新鮮で美味しい。トマトなど見たことのある野菜もあるが紫や青色など見たことが無いものまである。どれもシャキシャキして美味しい。

こんな平和な朝ご飯久しぶりだ。元の家にいたときは、ゆっくりとご飯を食べることができなかった。領主の仕事を朝早くからやっていたので、ペンを片手に朝ご飯を食べていた。親は止めることはない。周りは、その光景を当たり前として見ていた。

「うまい…」

「ふふふ」

ミオも美味しそうに食べている。冥土さんは黙々と食べて、もう食べ終わる。

(速いな…)

俺は、こんな朝がいいと思う。皆がいるのに一人でいるのは俺にはできない。さみしい。

「ごちそうさまでした」

俺も食べ終わった。パンが美味しかったのでおかわりまでしてしまった。

冥土さんは皿を下げているが、俺も手伝いたい。そろそろ、今後のことを考えねば。働かずもの食うべからずという言葉があるように頼ってばかりの生活はダメだ。俺自身もなんか嫌だし…

「冥土さん聞きたいことがあります」

皿を下げる手伝いをしながら聞く。

「ナンデショウ」

「ここで俺ができる仕事はありませんか」

「ナイデス」

(まじか…)

「じゃあ外では」

「ムリデス」

(なんでだ…)

俺…働かなくてはただのニート野郎になってしまう。それに、次期跡取りとして仕事だらけの日常を送っていたから何もしないでいることに恐怖を感じてしまう。ブラック企業の人みたいだな。まだ、学生だったはずなのに。

「ハタラクシツヨウアリマスカ」

「働かないと生きていけません」

「ソウデスカ?」

なんで疑問形…

俺が仕事をすること自体問題なのか…

「俺も冥土さんとして働くことは…」

「ヤメテクダサイ」

拒否られた。ムリとか、ダイジョウブとかじゃなくヤメテクダサイと止められた。

俺には似合わないのか…

別にメイド服を着るわけじゃないのに…

「ベリタ!!」

「ミオ…俺どうしよう」

「ベリタ?」

よしよし…

俺が落ち込んでいるのを知り、頭を撫でた。落ち着く…ミオは本当に優しいな。でも…いつまでも頼っているわけには行かない。優しさに甘えてばかりではダメだ。恩返しもしたいし…

「ベリタ…」

何かないのか…

どうしたものかと考え込んでいたら、

グイッ…

「ベリタ!!」

「えっ…どこに…」

ミオは俺を引っ張ってどこかへ向かった。冥土さんは付いて来てはいない。冥土の仕事をするのかな…

長い廊下を走って向かう。

「ミオ…どこに行く…」

ガチャ…

ミオは外に出た。走って、走って、そのまま向かった先には庭園があった。

奥には硝子でできた、園があった。たぶん、こちらも庭園なんだろう。

「綺麗!!」

「ふふふ」

中には紫や黒など暗いイメージの花があるが輝いていた。ガラスでてきているのか反射しているように見える。

「ん?」

奥になんか大きな影が見えるけどあれはなんだ。

「ベリタ!!」

「うん…」

ミオは気づいていなのか次に向かった。そこは果樹園だった。林檎や蜜柑など見たことあるような果物もあるが…

「なんだコレ…」

黒や茶色、虹色まである。これ、食べれるのか…

「ベリタ!!」

スッ…

ミオは黒い果物を一つちぎって渡した。たぶん食べて、みてだろうけど色がな…

近くで見ると黒を通り越して、暗黒色でなんかドス黒いオーラを感じる。悪魔の実かこれは…

「ベリタ!!」

キラキラ…キラキラ…

キラキラした期待した目で見ている。こんな目をされたら…腹をくくるしかない。

「いた…いただきます」

パクっ…

ん!?

「うまっ!!」

「ふふふ」

見た目にそぐわない味をしている。甘くて、とろっとしてしまうある意味悪魔のような果物だ。

これ…使えそうだけどな。パイとかケーキにも合いそう…

そのお菓子を売って店を作ってもいいな。ここで。まぁできるかわからないけど…

「ベリタ!!」

「うん!美味い」

そんな現実逃避的なことを考えて居たら。

ガサゴソ…ガサゴソ…

「ん?」

なんか茂みの方から音がする。

ガサゴソ…ガサゴソ…ザッ…

「うわっ…」

なんか飛び出てきた。驚きのあまり、尻もちをついてしまった。

「なんだ…これ」

もふもふな体に…ピヨッコと大きな耳…チョンとある小さな尻尾。それは、大きな大きな…黄色いエプロンを着たうさぎだった。

「え、、、」

ま…魔物?これヤバいんじゃないか…あとめちゃくちゃ可愛い!!

怖いというより、可愛いと思ってしまった自分がいた。

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