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猫を被りなさい、死ぬまでね

作者: 春待瑞花

 今回の王妃様のサロンには、デビュタントしたばかりの高位令嬢が集められた。

 開口一番に、王妃様がおっしゃった。

「あなた達、幸せになりたくば猫を被りなさい、死ぬまでね」と。


 誰も反応出来ないでいると、王妃様は続ける。

「つまり……

 自分の欠点を隠して、良い面ばかりをアピールすると、相手に好印象を与え、自分の利益に繋がるわ。

 相手に嫌われたくない、好かれたいという気持ちを持ち、本音を隠して、相手の気に入るように振る舞うと、人間関係が円滑に進むわ。

 猫は、普段は爪を隠してその攻撃性や強さを表に出さないようにしているわよね。 猫を被るということは、他人を欺いたり、自分の利益を得るために意図的に行われることとされる。

 だから、猫被りが相手に伝わると、本性を現したとか、化けの皮が剥がれたとか言われ批判されるわよね。


 確かに、本心を隠しているのが伝わると、不信感を与え、信頼関係を失う可能性があります。そして、常に猫をかぶっていると、自分の本当の性格や能力を理解することが難しくなったり、常に本心を隠していることで、精神的なストレスが溜まり、心身の健康に悪影響を及ぼす可能性もあるわ。

 だから、猫を被っている自分こそが、本当の自分だと思い込むのです。ストレスが溜まらないよう愚痴は一人の時に思いっきり吐き出したり、心の中で罵倒しなさい。要は、相手に本心を隠していると思われなければよいのです。

 女性は、死ぬまで猫を被り続けるのですわ。

 幸せになりたくばね」


 今日は、この格言を聞くために集められたようだ。

 貴族令嬢は、一生猫でなくてはならないらしい。

 猫、可愛いよね……たしかに。



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― 新着の感想 ―
王妃様の幸せになりたくば猫を被りなさいという言葉に深く考えさせられました。貴族社会の厳しさや、女性が本心を隠して生きることの辛さとそれを本当の自分として受け入れるよう促す王妃様の言葉に複雑な気持ちにな…
ジャンル間違ってません?
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